ポルシェと勝負をさせてもらえなかったフェラーリ、WEC最終戦で以前のBoP“復活”を求める

2021年11月3日(水)7時5分 AUTOSPORT web

 フェラーリは、LMGTEプロクラスを戦うAFコルセの2台のフェラーリ488 GTE Evoにとって「失望する」レースとなった、先週のWEC世界耐久選手権第5戦バーレーン6時間レースを終えた後、今週末に開催されるシーズンエンドイベントの第6戦バーレーン8時間レースに向け、以前のバランス・オブ・パフォーマンス(BoP:性能調整)を復活させるよう求めている。


 ル・マン24時間でクラス優勝を果たしたイタリアのブランドは、ランキングトップで迎えたWEC第5戦前に発表されたBoPによってパフォーマンスが抑制され、同ラウンドではライバルのポルシェ(ポルシェGTチーム)にワン・ツー・フィニッシュを許した。
 
 それによりフェラーリは、マニュファクチャラー選手権での大量リードを失い、その差はわずか1ポイントに。また、ドライバー選手権でも51号車フェラーリを駆るアレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド組と、ランキング2位につけるケビン・エストーレ/ニール・ジャニ組(92号車ポルシェ911 RSR-19)とのギャップが同じく1ポイントとなっている。


 それはGTEプロとGTEアマ両クラスのフェラーリが、FIAとACOフランス西部自動車クラブのいわゆる“ブラックボール”と呼ばれるルールによって、オートマチックBoPプロセスの外で行われた25PSに相当するターボブースト削減を受けたことによって生じた。


 フェラーリのアッティビータ・スポルティーブ・ディレクターを務めるアントネッロ・コレッタは声明のなかで、バーレーン6時間レースの前に出されたBoPがシーズン最終戦では「復元」され、世界選手権タイトルを争うためにポルシェと「対等」に戦えるようになることを望んでいる、と述べた。


「レース前夜に述べたように、バーレーンでのBoPは我々のマシンにとって懲罰的であったことが先週のレースでのペースと結果で証明された」とコレッタ。


「いつもは美しくエキサイティングなレースの結果、これまでに獲得したリーダーシップを守れなかったことを残念に思う」


「最終戦では以前のように正しいBoPが復活し、世界選手権タイトルをかけて対等に戦えるようになることを願っている」


 先週木曜日、コース上での活動前にこの変更について率直な意見を述べたカラドは、先月30日のレースではチャンピオンシップを争う立場に置かれていないと語った。


■接戦が展開された「モンツァのBoPを復活させてほしい」


「この決定は順位を大きく変える可能性があり、それによってフェラーリとAFコルセ、アレッサンドロ(・ピエール・グイディ)、そして僕の1シーズン分の努力が水の泡になってしまうのは残念だ」と語ったカラド。


「レースが始まる前に言ったように、(GTEプロクラスの)3位は今日僕たちが目指すことのできる最高のリザルトだった。対してポルシェは、リスクを冒したり、ポテンシャル最大限に活用する必要もなくレースをすることができた」


「僕たちは、少なくともモンツァのBoPを復活させてほしいと願っている。モンツァでは互角の戦いが繰り広げられ、観客にとっても見応えのあるレースが展開された。だけど、今日のレースではそうならなかった」


 FIAとACOは、2018/19年“スーパーシーズン”で導入されて以来、自動システムの外側で行われた2回目の調整であるフェラーリへのBoPの変更の理由について、具体的なコメントを拒否している。


 ピエール・グイディは、「僕たちがライバルと対等に戦える立場に置かれていなかったことを残念に思う」と付け加えた。


「僕たちはすべてのレースでベストを尽くし、つねにクルマのポテンシャルを引き出してきた」


「(このような問題が)我々を悩ませるために戻ってくるべきではないと思う。それがこのスポーツのためになるとは思えないしね」

2021年WEC第5戦バーレーン、GTEクラスのスタートシーン。レースはフロントロウからスタートしたポルシェ勢がワン・ツー・フィニッシュを飾った。

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