松田宣浩はなぜ巨人にここまで必要とされたのか

2022年11月21日(月)11時0分 ココカラネクスト

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「熱男」らしい、明るさに満ちた入団会見になりました。

 11月15日、ソフトバンクを退団した松田宣浩内野手の巨人入団会見が、原辰徳監督も同席の上で、都内のホテルにて行われました。金屏風の前で松田は、新天地での決意を真摯にこう語りました。

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「ジャイアンツの勝利のために一生懸命、野球を頑張りたいと思います。まだまだ若く、熱く、元気に。これをモットーにプレーしていきたいと思います」

 パ・リーグを代表する強打のサードも、来年の5月17日には40歳を迎えます。今シーズンは自己最少の43試合出場で打率2割4厘、7打点。ソフトバンクからは来季の構想外を通達されました。

 それでも獲得に向けた巨人の熱意は並々ならぬものがあったと関係者は証言します。

 なぜ「熱男」は、そこまで求められたのでしょうか。

 スポーツ紙デスクはその現状をこう解説します。

「今季の巨人が4位とBクラスに沈んだ理由はいくつかあるのですが、その一つに控えの選手層の薄さがありました。競り合う終盤の場面で、代打に重信慎之介選手が送られることがよくありました。重信選手はいい選手ですが、勝負所の切り札としては、いささか物足りない。裏を返せば、相手からすると『怖さ』がないんです」

 そして、こう続けるのです。

「あの常勝軍団・ホークスで17年にわたって第一線で活躍し続け、WBCも2度出場と様々な修羅場をくぐり抜けてきた。しかも大事な場面でしっかりとフルスイングが出来る。『熱男』が打てば、一気に試合の流れが変わってしまう。これは相手投手にとって本当に脅威です。相手投手からすると、実に厄介な打者と言えるでしょう」

 それだけではないと語るのは、プロ野球経験の長い一般紙のデスクです。

「松田がこの年になっても大声でナインを鼓舞し続けるのは、本当に凄いことです。若い頃はそうしていても、ベテランになると『もういいかな』とやめてしまう。でもマッチは試合中、ずっと声を出し続けている。プロ野球が闘いである以上、これは数値化されないけれども、すごい戦力なんです」

 その理由を、こう分析しました。

「松田がホークスに入団した頃、小久保や川崎らが試合中、大きな声でナインを鼓舞し続けていた。松田は彼らの背中を見て育ったんです。ベテランがでっかい声で相手ベンチにプレッシャーを与えていたら、若い選手がそうしないわけにはいかなくなる。これがホークスの『伝統』というヤツなんですよ」

「巨人は元々洗練されたチームという印象もあってか、その泥臭い役割を担う人が、控え捕手の岸田ぐらいだった。来季はそこに松田とデーブ大久保コーチが加わるわけです。これは密かに『大型補強』と言えますよ」

 バットで、グラブで、そして声で。来季のマッチが新天地でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。来季は「熱男」の「数値化されないプレー」についても、目を光らせていきましょう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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