「軽くなった」、ホンダの最新RC213Vに満足のミル。セパンではさらに別エンジンが投入予定/バレンシア公式テスト

2023年11月29日(水)22時25分 AUTOSPORT web

 11月28日にスペイン・バレンシアのリカルド・トルモ・サーキットで行われたMotoGP公式テストで、ホンダが2024年シーズンに向けた最新スペックのRC213Vを登場させた。これを走らせたジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)と中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)の印象は、前向きなものだったようだ。


 テストは2024年シーズンのホンダのライダーラインアップ、レプソル・ホンダ・チームのジョアン・ミルとルカ・マリーニ、LCRホンダのヨハン・ザルコと中上貴晶によって行われた。テスト後に中上が語っていたところによれば、2024年シーズンに向けた最新スペックは3台用意され、主にファクトリーチームのミルとマリーニ、そしてサテライトチームのザルコが乗った。ザルコが走行したのは、ドゥカティマシンとの違いを確認するためだったという。


 長く苦戦が続くホンダは、2023年シーズンも低迷し、コンストラクターズランキングは5チーム中最下位、チームランキングでは11チーム中、レプソル・ホンダ・チームが9位、LCRホンダが10位にという結果に終わった。


 果たして最新スペックの印象はどうだったのか。最新スペックは、フレーム、スイングアーム、空力デバイス、上部エキゾーストなどがあらためられ、リヤのウイングの形状にも変化が見られるものとなっている。


 テスト後、囲み取材に応じたミルは「とてもハッピーだよ」と言い、前向きな印象を抱いたようだ。


「初めて違いを感じることができたし、よく走っていた。ラップタイムも上がった。ペースもいいし、1日中、力強く走れていた。僕たちがシーズン中ずっと改善を求めていたグリップもよくなったし、バイクは軽くなった。軽くなったおかげで旋回性がよくなり、バイクを止められるようになった」


「最初に感じたことは、バイクが軽いということなんだ。そのあとセットアップに着手した。バイクは以前のものよりも、少し大きくなった。だから僕の走り方などに合わせて正しくセットアップしなくちゃいけない。フロントからのフィードバックはよくなったと言えるよ」


 ミルはタイムアタックを行わず、1分30秒051が自己ベストで13番手だった。「ラップタイムには満足」と言う一方、電子制御の部分ではまだ改善の余地があるとも語っていた。


 中上も最新スペックに好印象を抱いた。中上が走らせたのはザルコが乗っていた最新スペックだったが、ザルコの転倒もあって、走行できたのはテスト終盤の4、5周。「味見程度だった」と言う。それでも「2023年に戦っていたバイクよりも、大きな前進は感じられました」と述べている。


「エンジンは滑らかだけど前に進むキャラクターになって、エッジグリップもよくなっていましたし、バイクはとても軽くなって、機敏性もよくなっています。エンジンパフォーマンスも好ましいものでした」


 中上によれば、「次のセパンテストでは別のアイテム、エンジンが投入されるそうです」ということだ。ドゥカティから移籍のマリーニ、ザルコについては囲み取材が行われなかったため、彼らの最新スペックに対する印象は不明である。ただ、少なくともこの時点で、ミルと中上が共通して前向きな感触を持ってはいるようだ。

長年、改善点として挙げられていたグリップも少しよくなったという

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