新庄ハム 近藤流出を招いた「禁断の一言」とは
2022年12月13日(火)12時17分 ココカラネクスト

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最初からボタンがかけ違えていたか。ソフトバンクは12日、日本ハムから海外フリーエージェント(FA)権を行使し、パ・リーグ5球団の争奪戦となっていた近藤健介外野手(29)を獲得したと発表した。
常勝軍団復活の「本気度」が感じられる異例の巨額契約となった。7年総額約50億円の超大型契約は単年ベースにすると7億円にものぼる。オリックス、ロッテ、西武、日本ハムによる5球団の争奪戦をプライスリーダーのソフトバンクが制した。
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生涯打率・307と球界屈指のヒットメーカーをめぐって大争奪戦となった今回の近藤FA。果たして決め手となったのは何だったのか。
元ロッテ捕手で野球評論家の里崎智也氏は自身のYouTubeチャンネルを12日に更新。日ハム・近藤が、ソフトバンクへの移籍が決定したことについて言及した。
まず近藤がソフトバンクを選択するにあたっては、「近藤選手は一番(の決め手)は優勝したいというところが一番だったんじゃないかな」と近藤の心境を推察した。
元々勝利への気持ちが強いとされる近藤について、常勝軍団であるソフトバンクに仲間入りすることで違った景色を求めたのではないかとした。
一方で古巣の日本ハムに関してもこんな見解をのべた。
「キャンプ中から見てても、ビッグボス(新庄監督)の発言と、近藤選手の発言に若干誤差があるというところに違和感があった。ビッグボスは『最初から優勝を狙いません』という発言があったけど、近藤選手は一貫して『優勝したい』という発言があったというところで、若干のズレがあったのかな」と考察する場面も。
里崎氏のこの発言に関してはこんな声もある。
「当初から『優勝は狙わない』発言に関しては、選手間でも違和感があったと聞く。同じプロ野球選手であるからには高みを目指すのは当然のこと。多くの選手にチャンスを与え、一軍半レベルの選手にとっては覚醒を促す大事な1年となったかもしれないが、近藤のようにすでにレギュラーを確立している選手からしたら、今後のチーム指針に不安を覚えた面はあるかもしれない」(球界関係者)
新庄監督が昨年11月に行われた就任会見での「優勝を目指さない」発言は多くの注目を集めた。後に監督自身、この発言に関して「優勝を目指さないじゃなくて、目指せなかった」と告白。現有戦力が整ってないことで、チームの底上げを優先せざるをえなかったと認めている。
「育成」を主眼に置いた日本ハムと「勝利」を求めた近藤との間で温度差が生じていたというのだ。
一方、日本ハムにとっては主力の近藤の流出が決まり、今季最下位からの上位浮上を目指す上では痛手となる。「近藤の穴」をどう埋めていくのか、今オフ積極的な補強にも励んでいるチームで新庄監督の手腕にもより一層期待が高まりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]