【独自ランキング:2022年F1トップ10ドライバー】10位セバスチャン・ベッテル/じっとこらえて見事に戦った最後の1年
2022年12月20日(火)7時7分 AUTOSPORT web
2022年F1シーズンを通して、毎戦全20人のドライバーの評価/採点を行ってくれたベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、シーズン全体を振り返り、独自の視点で2022年のトップ10ドライバーを選出した。10人のドライバーについての彼のレビューを添えて、カウントダウン方式で10位から1位までを紹介していく。
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■10位:セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)
ベッテルが2022年末でF1ドライバーとしてのキャリアを終えると決めたことは、F1界にとって非常に残念なことだ。彼はパドックにおいて最も好感の持てる人物のひとりであり、何より今もドライバーとしての速さを失っていないのを目の当たりにすると、余計に惜しくなる。2022年シーズン終盤の走りを見れば、ベッテルの速さは明らかだ。
2022年序盤2戦を、ベッテルはCovid-19のために欠場した。バーレーンとサウジアラビアでの貴重な走行時間を失い、人より遅れてシーズンスタートを切ったことで、最初の数戦は本来の力を発揮できなかった。メルボルンのFP3でクラッシュしてしまったことが、その影響を表しているといえるだろう。
アストンマーティンはAMR22のパフォーマンス不足に苦労した後、スペインでシーズン最初の大型アップデートを導入した。するとベッテルはコンスタントにチームメイトのランス・ストロールにより明確な速さを示し始めた。
だが、ベッテルは、チームが何度も誤った戦略を選び、不利な条件で走らされたことで、なかなか思うような結果を出すことができなかった。ベッテルは黙ってその状況に耐え続けた。フランスGP決勝では、最終コーナーで前を走るストロールから“ブレーキテスト”をされたが、表立ってチームメイトを批判するようなことはなかった。
引退を発表した後のベッテルは、すっかり解放されたように見えた。最後の10戦で6回入賞、これがアストンマーティンがコンストラクターズ選手権9位からポジションを上げ、6位争いができるところまでに浮上する助けになった。
ベッテルはアブダビでもポイントを獲得、しかしチームはランキング6位に届かず。それも再びチームの戦略が良くなかったせいだが、ベッテル自身は、F1ドライバーとしての最後の週末に、非の打ちどころのない走りを見せた。