カバルダ・バルカル共和国で発見された「小人のダンジョン」とは? 不可解な地下構造物とピラミッド

2023年1月3日(火)11時0分 tocana

 ホビットは実在するのか——。カバルダ・バルカル共和国で発見された謎のダンジョンは小さな人々の住居だったのだろうか。


地下にダンジョンを掘って生き延びた“小さな人々”

 中央アジア、コーカサス地方などにおいて“白髭の賢者”として長らくコミュニティーのリーダーであり長老であった「アクサカル(aksakal)」の伝承によれば、ホビットやドワーフような小型のヒューマノイドである「ハーフリング」が地底に住んでおり、時折地上に姿を現すことが語られている。


 彼らの身長は120センチ未満で、服の代わりに粘土や泥で皮膚を覆うことを好み、手にはいつも棒か小さな提灯を持っている。


 この地下の住人は、コミュニケーションにおいて笛や口笛を吹くと共に、独自の言語を持っている。地下深部の神秘的な住民であるハーフリングにはめったに遭遇することはないが、それでも極まれに、地下に戻ることができずに地上で行き倒れたハーフリングが発見されることがある。人々は彼らに牛乳や肉を与え、怪我をしていた場合は治療をして助けていた。


 アクサカルの伝承によれば約3000〜4000年前、山には巨人族、ハーフリング、そして普通の人間が共存して暮らしていた。しかしさまざまな戦争の過程で人間が強大な権力を持ちはじめ、不幸なことに巨人族は滅ぼされた。


 その一方でハーフリングたちは地下にダンジョンを掘り進め、追い詰められた巨人族をよそに、コーカサスの山々に築いたダンジョンに避難したのである。


 第二次世界大戦中、侵攻したドイツ軍はこのエリアの地下に洞窟のネットワークがあることに気づいた。普通の人間にとって通路は狭く、各所で通路を広げようとダイナマイトを爆破させたのだが、思惑に反し瓦礫で通路が塞がれてしまい奥には進めなくなってしまった。


 戦後になってからは、さまざまな探検家や研究者がダンジョンを探索しようと試みた。洞窟探検家の中には数十メートル先まで進むことができた者もいたが、残念ながらどう工夫してもそれ以上先に進むことはできなかった。


 1990年代に地元の研究者、アルツール・ツェムコフ氏は、大規模に階層化しカバルダ・バルカル共和国の山間の地下にあるダンジョンの構造を計算した。どのダンジョンにも垂直に伸びる通路があり、そこから狭いまっすぐな通路がさまざまな方向に延びていた。


 調査は困難を極めたが、ツェムコフ氏は志を同じくする人々と一緒に地道に調査を続け、160メートルの深さにある広い空間に到達することができた。


 そのスペースには高さ約8メートルの小さなピラミッドがあり、壁の60〜70センチの高さの場所には小さな穴が数百個あった。またピラミッドの近くには水路があり水が流れていた。


 水があれば確かにここで生活することは可能なのかもしれない。いったい誰が、何の目的でこのようなダンジョンを作ったのか。その後、残念ながらこのダンジョンの通路で崩壊が起こり、再びこのスペースに入ることはできなくなったという。


ダンジョンの謎は未解決のまま置き去りに

 その一方でバディム・チェルノブロフ氏が率いる探検チームによってもいくつかのダンジョンが発見され、そのうちの1つは入口を広げることができた。


 ダンジョンの入口から降下する試みは2012年から2015年にかけて3回行われた。ダンジョンの壁は完全に平らであることがわかり、ところどころのコーナーで90度の角度が保たれていることから、明らかに人工的に作られたものであることがわかった。


 しかし謎は、このような構造を作り上げるには多くの人手が必要とされるであろうことと、現代のテクノロジーを持ってしてもこのような複雑な通路を掘り進めるのはきわめて難しいことであった。


 そして通路が狭すぎるのも不可解である。場所によっては垂直の通路の幅が2〜3メートルあるところもあるが、25〜30センチほどしかない部分もある。枝分かれしている通路の直径はどれも35〜40センチメートルほどで、内壁は滑らかだった。


 人間の身体ではダンジョンの奥深くまでは入ることができないことが明らかになり、カメラ付きのロボットが投入されることになったが、そこから少し先の通路は扉が閉ざされていた。計算ではまだまだ先にダンジョンが延びていることが推測できたが、残念ながらその先をうかがい知ることはできなかった。


 アクサカルの伝承を信じている人々は、このダンジョンはハーフリングの街であると確信しているという。しかしチェルノブロフ氏自身は、この構造物は住宅施設ではなく、地下工場のようなものではないかと考えていたということだ。


 ツェムコフ氏とチェルノブロフ氏というこの探索における2人のパイオニアはどちらも故人となってしまい、ダンジョンの謎は未解決のまま置き去りになった。


 科学界からはこのダンジョンは古代にここにあった地下水脈の痕跡であり、自然に形成されたものであるという見解も出てきているようだ。昨今は探索ロボットの性能も格段に向上していることもあり、再び調査と探索が再開されることを期待したい。


参考:「Anomalien.com」ほか

tocana

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