やましたひでこさんが教える、玄関と靴箱の断捨離方法。出かける前から帰宅が楽しみになる玄関マットの置き方は…
2025年2月13日(木)12時30分 婦人公論.jp
(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
「断捨離しなきゃ!」と頭ではわかっていても、「忙しくてできない」「どこから手をつけたらいいかわからない」など、なかなか断捨離に取り組めず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そんななか「断捨離は一度したら終わりでなく、日々のお手入れです」と語るのは、「断捨離」の第一人者であるやましたひでこさんです。そこで今回は、やましたさんの著書『引き出し1つから始める 1日1か所 断捨離』から、簡単に実践できる断捨離を一部ご紹介します。
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出かける前に玄関1か所
三和土(たたき)には靴も傘も置かない
出かけるときの玄関と、帰ってきたときの玄関。
空間は、時間によって役割が変わります。朝は出口、夜は入口になります。私は一人でも、「いってきます」「ただいま」を必ず声に出して言います。
何事も入口と出口が必要です。入口から流れ込んできて、出口から流れ出ていく。入口と出口があってこそ流れるのです。
この大切な空間である玄関をキレイにして出かければ、帰ってきたとき、どんなに気持ちがよいでしょう。時間がなかったら、靴とスリッパだけでも空間から取り除きましょう。靴はすべて靴箱へ。基本的に、靴箱からはみ出していたら数量オーバーです。タイムリミットがあるからこそ、そこで瞬時の判断をしてください。
傘立てに潜む思考
玄関空間で存在感を発揮しているのが傘立てです。私がお宅訪問をすると、まず一番に目に飛び込んできます。
傘立てには何が入っているでしょうか? もちろん傘が入っているのですが(それ以外のモノが入っているお宅も)、私の目には「無自覚」が入っていると映ります。
『引き出し1つから始める 1日1か所 断捨離』(著:やましたひでこ/大和書房)
傘立てといえば、亡くなった母のことを思い出します。実家の傘立てには傘が20本ほど詰まっていました。一人暮らしなのに20本! その7年前に亡くなった父の傘まで入っています。
「なんでこんなに入っているの?」と鬼娘である私が聞くと、「お客さんが来たときに、帰りに雨が降ったら貸してあげられるでしょう?」と母。お客さんなど久しく来ていないのにもかかわらず。車移動の地域ですから、たとえお客さんが来ても雨に濡れることはありません。傘立てにはそんな「念のため思考」も潜んでいるのです。
靴を購入したときの空き箱が積まれているお宅もあります。この家の主も「引っ越しするときのために」空き箱をとっているといいますが、引っ越しの予定があるわけではないのです。頭の中で捏造している「念のため思考」です。
大切な入口であり出口である玄関を、そんな「無自覚」なモノたちでふさいではなりません。モノがなければ、掃除もしやすくなります。清潔で美しい空間にしましょう。
出かける前から帰宅が愉しみになる
バタバタ準備をし、グチャグチャのまま出発すると、外出先でモヤモヤを抱えることに。
帰るのが憂うつにすらなります。
その習慣、ここで逆回転させませんか?
守り神シーサーは2体1組
(写真:『引き出し1つから始める 1日1か所 断捨離』より)
玄関では2体のシーサーが出迎えてくれます。1体は口を「あ」の字に、1体は口を閉じています。「あうん」、つまり始まりと終わりを意味します。
美しい玄関はウェルカムな空間
玄関マットをあえて三和土にハラリと置くのがやました流。ブータンで買った絹織物のマットにお客様はハッと足を止め、住人は心を和ませます。
出かける前に靴箱1か所
うまくいかなかったら3回断捨離しよう
普段、どんな靴を履いていますか? 気に入った靴を軽やかに履いて出かけていますか?
「足=行動」ですから、足に何を履かせるかはとても重要です。そこへの意識がぞんざいだとしたら、自分の行動を無意識・無自覚に規制しているようなもの。
私はデザインが気に入り、かつ履き心地のよい靴をシーズンごとに新しく。靴屋さんに出かけていき、気分で選びます。基本は3足か4足、パンプスとサンダルとスニーカーのラインナップです。
パンプスやミュールは履いて履き倒し、ワンシーズンで終わりです。
靴の断捨離は、イコール「靴箱の断捨離」。モノと空間はセットと考えています。モノ1つひとつの美しさには、そのモノが収まる空間の美しさが必須です。
もし靴箱に、かつて履いていたけれどもう履いていない古い靴が収まっていたとしたら? 靴箱の大きさ、スペースは決まっているのですから、常に入れ替え、入れ替えしていきましょう。
わが家の靴箱は、一段に2足。棚板も一部取り外し、横だけでなく縦にも「間」をとっています。「間」をとることで、モノを飾る、ディスプレイすることができます。
靴箱の断捨離のコツ
靴箱の断捨離のコツは、「3回する」こと。
1回断捨離すると、履いていない古い靴が一掃されます。それでもまだ、履けるけれど履いていない靴、かつて好きだった靴などが残っています。
そこで2回目の断捨離をすると、ずいぶん絞り込まれます。さらにもう1回。
3回目には、モノに対する意識、空間に対する意識がガラッと変わっていることに気づくでしょう。
※本稿は、『引き出し1つから始める 1日1か所 断捨離』(大和書房)の一部を再編集したものです。
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