油のプロに聞いた! スーパーで最近よく見かける「こめ油」で作る絶品パラパラ炒飯レシピ

2021年2月17日(水)10時50分 食楽web


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 炒め料理に必要不可欠なものといえば油。一般的にはサラダ油、キャノーラ油、オリーブオイルなどが主流ですが、最近食通の間で話題になっているのがこめ油です。その名の通り、米ぬかを由来としたもので、一般的な油よりも健康的な油なんだそうです。


こめ油一筋60年、『築野食品工業』の「こめ油」

「こめ油」とは、玄米から得られる米ぬかや米胚芽を原料として精製した油のこと。そもそも玄米は、健康食品として人気で、ビタミンB群を中心としたビタミン類、カルシウムなどのミネラル、食物繊維、脂質、抗酸化成分などの栄養素を豊富に含んでおり、栄養価が非常に高い穀物としても有名です。

 しかし、どんな料理に適しているかは、実はあまり知られていません。そこで今回は「こめ油」を製造している『J-オイルミルズ』に突撃。こめ油の魅力とお勧めの料理を教えてもらいました。

こめ油はやはり家庭での炒飯作りに最適の油だった!


(左)『J-オイルミルズ』の「こめ油」。(中)タイ国内ナンバー1シェアを誇る油『ブランド・King』の「こめ油」。(右)こめ油、玄米油などを複数展開する『ボーソー油脂』の「米油」など種類も豊富

 取材に対応してくれたのは『J-オイルミルズ』フードデザインセンターの相楽浩二さん。相楽さんによれば「油にはたくさんの種類があり、それぞれ旨味や風味に特徴があります。その中で、こめ油は栄養価が高くコクもあり、様々な料理に使えるので、最近注目されているんですよ」とのこと。

 さらにこめ油と相性が良い料理と尋ねると、「炒飯がおすすめですね。サラダ油やキャノーラ油が、家庭での炒飯に合わないわけではないですが、こめ油がお米との相性が良いのは確実です。コクと甘味があるので、家庭での炒飯作りには最適の油と言って良いでしょう」とのこと。

 家庭での炒飯作りでは火力や下ごしらえにまつわる話が多く、これまで「油」についての言及は、それほどされてこなかったような気がします。もし相楽さんのお話が本当なら、画期的な発見になるかもしれません…!

油メーカーが教える、こめ油の炒飯作りのコツ4ヶ条

 相楽さんによれば「こめ油での炒飯作りでは絶対に守ってほしい」コツがあるとのこと。大まかには以下の4点を守るべきだそうです。

(1)温かいご飯を使う(冷やご飯の場合はレンジで温めてから使う)
(2)炒める前に、ご飯1膳分に対し、こめ油と水を小さじ1ずつ含ませる。卵一個に対しても、こめ油を小さじ1含ませる
(3)卵から炒めはじめた際、すぐにご飯を入れない(卵が油を含んだのを見計らってご飯を入れる)
(4)卵とご飯を炒めながら混ぜ、具材を入れた後、後半に塩・胡椒をふる。香り付けの醤油は鍋肌からではなく、ご飯全体にかける

 え? 炒飯のレシピではだいたい「最後に醤油を鍋肌から入れろ」と書いてあるものですが…。しかし相楽さんによれば「家庭では不向き」とのこと。

「本来は、油がコーティングされた中華鍋の鍋肌に醤油を垂らすことで香ばしさが生まれますが、家庭用のフライパンなどでやると、すぐに醤油がこげて苦い香りに。この苦い香りがご飯にも移って美味しくないんです。何度か試した結果、家庭用フライパンの場合、鍋肌ではなくご飯全体に少量の醤油をかけたほうが効果が出ます」(相楽さん)

 しかし、説明を聞くだけでは今ひとつピンとこないのも正直なところ。ポカンとしていると、相楽さんが「試しにキッチンで実践して見せましょうか」とありがたいお言葉をくれました。というわけで、「炒飯に最も適している」というこめ油を使っての炒飯の作り方をご紹介します。

油メーカー直伝!こめ油を使ったパラパラ炒飯レシピ


こめ油を使ったパラパラ炒飯

材料(2人分)

・こめ油……適量
・ご飯(温かいもの。冷やご飯の場合はレンジで温める)……1膳分
・水……小さじ1
・卵……2個
・塩……適量
・胡椒……適量
・醤油……小さじ1
・具材……焼豚、海老、ねぎなど

作り方

1.炒める前に、具材を細かく刻む。お米にはこめ油小さじ1、水小さじ1を和えておく

2.卵をよく溶いたあと、こめ油を小さじ1加える

3.よく熱したフライパンに、こめ油(適量)を敷き、2の卵を入れて木ベラでかき混ぜながら炒める

4.卵に油がなじんだところで、1のご飯を入れる

5.ご飯と卵をかき混ぜながら炒めた後、具材を入れる。具材がなじんだところで、塩胡椒(適量)をふる

6.最後に鍋肌からではなく、ご飯全体に馴染むよう醤油小さじ1をかけ、全体になじませて完成!

 こめ油を使った炒飯をいただいたところ、まさに中華街の専門店でいただくようなパラパラの食感。さらに深く噛み締めれば、こめ油の甘さとコクを感じながらも、決してくどくなく優しく口の中に広がっていきます。

 相楽さんによれば、「今回の炒飯は火力も家庭と同等にし、中華鍋でなくあえてフライパンで作りました。お米と相性の良いこめ油を使い、レシピ通りに作れば、簡単に『店の味』を再現できるはずです」とのことです。

アマニブレンド油を使った創作炒飯も!


アマニブレンド油を使って炒めたうなぎと柴漬けの炒飯。いただく際にしそやゴマを振りかけ、さらに花椒油、香辣油などを使用。最後は鳥のスープで雑炊風にするという5段階の味変を楽しめるもの

 さらに相楽さんは最近ご自身がハマっているというアマニブレンド油、花椒油、香辣油を使っての創作炒飯も紹介してくれました。

「栄養素が高く、最近注目を浴びているアマニ油は、アマの種子を搾ったn−3系脂肪酸がたっぷり含まれていますが、本来は加熱すると栄養が破壊されるので、そのまま飲んだり、料理に垂らしたりすることが多いですよね。しかし、このうなぎと柴漬けの炒飯のような炒め物にも、コーン油をブレンドした当社の「AJINOMOTO アマニブレンド油」は、コーン特有の香ばしさもあり風味がアップします。また、これをいただく際には、花椒油、香辣油なども使うと楽しいと思います。いずれの油もJ-オイルミルズの商品です」(相楽さん)

 実際にいただいたところ、こめ油とはまったく異なるアマニブレンド油の優しい風味が、炒飯全体にまとわりつき、具材の味を邪魔しません。また、味変で加えた花椒油は、山椒にも似た風味でうなぎとの相性がバッチリ。さらに香辣油を加えると、うなぎの香ばしさ、柴漬けの酸味に辛味が加わり、和と中華の味の融合を楽しむことができました。

「油目線の炒飯作り」を炒飯論争の一説に!


適した油を使い、レシピ通りに作れば誰でも簡単に「店の味」に

「米との相性が良い」というこめ油を使っての炒飯は、完全に「店の味」でした。また、追加で相楽さんが作ってくれたアマニブレンド油をベースとした創作炒飯も、こめ油とは違う優しい油の風味を感じることができ、個性的ではありながらも美味しくいただくことができました。

 家庭での炒飯作りの論争は、料理好きの間でこれまでにも多く論議されてきましたが、今回の「油目線の炒飯作り」で紹介したレシピもぜひ今後の議論に加えていただければと思います。どれだけ料理が苦手な方でも、レシピ通りに作れば、必ず“店の味”が再現できますよ!

●DATA

J-オイルミルズ 「AJINOMOTO 健康こめ油」

内容量:600g
価格:オープン価格

J-オイルミルズ 「AJINOMOTO アマニブレンド油」

内容量:410g
価格:オープン価格

J-オイルミルズ 「AJINOMOTO 花椒油」

内容量:70g
価格:オープン価格

J-オイルミルズ 「AJINOMOTO 香辣油」

内容量:70g
価格:オープン価格

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