腸内環境を整える「長持ち発酵野菜」作り方は簡単、2%の塩でもんで置いておくだけ。大根、にんじん…冷蔵庫の残り野菜で気軽に

2025年3月21日(金)12時0分 婦人公論.jp


(写真:stock.adobe.com)

冷えや便秘に悩む人は、腸内環境に原因があるのかもしれません。腸を整えるのに一役買うという発酵食品を、毎日飽きずに食べるには——。残り野菜で簡単にできる「発酵野菜」のつくり方とアレンジレシピを紹介します(構成:島田ゆかり)

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うまみアップで食べやすく


私たちが毎日のように使っている味噌やしょうゆ、酒、みりんなどはすべて、大豆や米に塩やこうじなどを加えて発酵させた発酵調味料。これらを使ってつくるのが「発酵野菜」です。

発酵食の魅力は、発酵する過程でアミノ酸がつくられ、うまみが増すこと。また、微生物が食材の細胞を分解するため、消化しやすくなります。さらに、野菜は発酵するとかさが減るので一度に食べられる量が増え、食物繊維やビタミン、ミネラルなど、野菜ならではの栄養もたっぷり摂れるのがメリットです。

そして何より、食材に含まれる微生物が腸内細菌のエサとなって腸内環境を整えるため、便秘の改善や免疫力の向上などが期待できます。

私は子どもの頃から食卓に発酵食が並ぶ家庭で育ちました。実際、風邪をひいたことがほとんどなく、冷えも便秘もありません。一方、外食が続いたり旅行に出たりして食事が変わると、不調を感じることがあり、改めて発酵食の力を感じます。

毎日の食卓に欠かせない発酵野菜のつくり方は、実はとても簡単です。素材の重さを量り、その2%の塩でもんで漬けるだけ。野菜100gなら2gの塩を加え、ビニール袋に入れてもみ込み、置いておけば発酵野菜のできあがりです。


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塩の役割は、野菜に含まれる乳酸菌が住みやすい環境をつくること。ですから、塩で発酵させた味噌やしょうゆ、漬物にも、乳酸菌がたっぷり含まれます。

また、塩に漬けることで野菜の水分が抜け、腐敗菌の増殖を抑制する効果も。野菜をそのまま保存するよりも発酵食にしたほうが日持ちするのは、そのためです。

発酵野菜を食べるときには、発酵か腐敗かを見極めることが肝心。どちらも微生物の働きによるものですが、人体に有益なのが発酵、有害なのが腐敗です。カビが生えたり腐ったようなニオイがしはじめたら、腐敗が進んでいるサイン。

腐敗の原因は空気と水ですから、この2つに触れないようにするのがポイントです。保存する際は空気をしっかり抜き、水分が混ざらないようにしましょう。カビが生えてしまったら、その部分は取り除き、加熱をして早めに食べてしまうこと。

発酵野菜は、食材や漬け方にもよりますが、数週間から半年近くまで、かなり長期間保存可能です。使いきれない野菜は冷蔵庫に放置せず「発酵野菜」にしてしまえば、無駄になりません。

そのままはもちろんアレンジしても美味しい


基本的な漬け方は2パターン。塩もみでゆっくり乳酸発酵させる方法と、味噌やしょうゆ、酢、みりんなどの発酵調味料を使って短時間で簡単につくる方法があります。

次の記事でご紹介するのは、大根、白菜、にんじんを使った発酵野菜のつくり方と、そのアレンジレシピです。

大根は塩やしょうゆ、酢、みりんなど、たっぷりの発酵調味料で煮るだけの「大根のしょうゆ漬け」。すぐに食べることもできますが、常温で2〜3時間置くと味がなじみます。歯ごたえがよく、どんな料理にも合う便利な一品。一口大に切って米と一緒に炊くだけの「大根ごはん」は、私のお気に入りです。

白菜は塩だけで発酵させる「乳酸発酵白菜」。約6ヵ月保存ができるのも特徴です。中国では「酸菜(サンツァイ)」として親しまれ、漬け汁も調味料として使えます。

にんじんは、発酵させることでクセがやわらぎ、甘みがアップ。塩だけで乳酸発酵させる「乳酸発酵にんじん」は酸味もアクセントになり、アレンジ料理に大活躍しますよ。

ほかにもキャベツやたまねぎ、ごぼう、なす、しょうがなど、冷蔵庫にある残り野菜で発酵野菜がつくれます。わざわざ野菜を買ってくる必要はありません。塩や発酵調味料で気軽につくれる発酵野菜、つくる過程も楽しみながら、毎日の食卓に取り入れてみてください。

発酵野菜の保存方法


【ビニール袋】



(写真:stock.adobe.com)

野菜と調味料を入れ、空気が入らないように口をギュッと縛って保存。漬けてから3〜4日室温に置き、その後冷蔵庫へ。

ジッパー付きの袋よりも、ビニール袋のほうが空気を抜きやすい。汁が漏れないよう、少し厚手の袋がおすすめ。

清潔な箸で取り出した後は、再び空気をしっかり抜いて袋の口を縛る。

【保存容器】



(写真:stock.adobe.com)

酸に強いホウロウ製やガラスの瓶を用意し、アルコール消毒か煮沸消毒で殺菌。食品用、調理器具用のアルコールを吹きかけ、自然乾燥させるかキッチンペーパーで拭いておく。

煮沸する場合は、鍋に水と瓶を入れて火にかけ、沸騰したら弱火で約10分。トングなどで取り出し、布巾の上に置いて乾燥させる。

瓶は空気が入りやすく、腐敗しやすくなるため、早めに食べきるように。

婦人公論.jp

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