糖尿病の名医が実践する生活習慣「若いときは、絵に描いたような糖尿病予備軍でした。食事は野菜サラダをプラス、20分の通勤は早歩きで」

2025年4月7日(月)12時30分 婦人公論.jp


(写真提供:Photo AC)

「人生100年時代」少しでも長く健康でいたいと思うものの、予防医療や健康術が世の中にあふれ、結局何が健康にいいのかわからない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、スーパードクター17名が専門医ならではの知恵ある健康習慣を解説した書籍『名医に聞く健康法』から一部を抜粋し、医師自身の〈私の健康法〉をお届けします。今回紹介するのは、玉谷クリニック院長・玉谷実智夫先生の健康法です。

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通勤の早歩きが効果大


野菜サラダをプラス

朝起きてから夜寝るまでのほとんどの時間を仕事に費やすという生活です。クリニックに患者さんが来ているのに、今日はここまでだからと帰ってもらうわけにもいきませんから、どうしてもクリニックの診療時間をオーバーしてしまいます。

ですから、医者の不養生で、私の生活習慣がどこまで参考になるかなという思いもありますが、心がけていることをお話しします。

毎朝、4時、遅くとも5時に起床。電車でクリニックに向かいひと仕事してから、7時半~8時に朝食をとります。昼食は診療の合間の1~2時の間です。朝はサンドイッチにコーヒー、昼はおにぎりやお弁当といったものが多く、時には外食することもあります。

工夫していることといえば、栄養バランスを考えて、必ず野菜サラダをプラスしていること。

夕食は、クリニックを終えて帰宅してからなので、どうしても遅くなりがち。10時には寝るようにしているので、夕食は少なめで、炭水化物はとりません。お酒はビールや焼酎の水割りを毎日、飲みます。

20分の早歩き、サボりつつ続ける


最寄り駅1つ手前で降りて、早歩きでクリニックに向かいます。時間にして約20分なので、ちょうどいい運動です。帰りも早歩きで駅に向かいます。

早歩きの利点は有酸素運動に筋トレの両方の効能が期待できるということです。若いときは、太っていて血圧も高め、絵に描いたような糖尿病予備軍でしたが、現在は血圧も血糖値もとくに問題ありません。この早歩き習慣のおかげだと思っています。

もっとも、寒い日も雨の日も必ずというほどストイックに行っているわけではありません。今日は雨だからやだなあという日や、前日に睡眠不足だったりしてしんどい日には、積極的に休んでしまいます。

サボりたいときにはサボるぐらいの気持ちで取り組んだほうが、長く続けられると思います。

血糖値測定機で自分の値を知る


診療に役立てるためにも、自分の健康管理のためにも、血糖値のコントロールには気を配っています。

近年、血糖値測定機は進化しており、腕にシールのようなミニセンサーを貼るだけで、専用のリーダーを近づけると画面にピッと血糖値が表示されるという画期的な機器が登場しています。2週間の幅で細かく変動がわかるので、定期的に自分の血糖値を測定しています。


(写真提供:Photo AC)

実は、血糖値の変動を知るのはなかなか難しいことです。一般的には、健康診断などで血液検査をして、そこで初めて血糖値がわかりますが、それは、あくまでも一時的なものでしかありません。定期的な変化を見る必要があるのです。

この測定機は、医療機関でも使われていますし、糖尿病の患者さんが個人で購入することもできます。

わかっちゃいるけどやめられないのが人間


多くの患者さんに幸せになってもらいたいと、クリニックの分院を増やそうと計画中です。夢を実現するためにはまだ何年もかかりますから、健康でいなくてはならない、そう思っています。

健康になる、健康でいるのは何のためなのか、できるだけ具体的にイメージしてみてください、と患者さんによく話しています。

というのもお酒にしろ、甘いものにしろ、体に悪いとわかっちゃいるけどやめられないのが人間。運動したほうが体にいいとわかっているけど、続かないのが人間。体にいい悪いだけでは、実は行動変容にはつながりづらい、そう思いませんか。

そこでモチベーションになるのが、健康になって何をしたいかという目的や目標。できるだけ具体的にイメージすることが、自分の行動を改めることにつながるのです。

※本稿は、『名医に聞く健康法』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

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