今夜あなたの家が強盗に狙われていたとしたら、どんな対策をすべき?元警部補「闇バイトによる強盗が怖いのは、実行犯が<素人>ということで…」

2025年4月10日(木)6時30分 婦人公論.jp


(写真提供:Photo AC)

警察庁が公表した「令和5年の刑法犯に関する統計資料」によると、2023年の侵入強盗の発生件数は414件で、前年と比べて約1.5倍に増加したそう。闇バイト強盗をはじめ、新手の犯罪が増えているなか、元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課警部補の佐々木成三さんは、現在メディアに多く出演し、防犯について発信しています。今回は、佐々木さんが最新の防犯対策について解説した著書『闇バイト強盗、特殊詐欺、盗難から身を守る いますぐ防犯』より、一部引用・再編集しお届けします。

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いちばん大事なのは、「対面しないこと」


【質問】今夜、あなたの家が強盗に狙われています。あなたは、いますぐにどんな対策をしますか?

玄関のカギ、窓のカギをかける。
雨戸を閉める。
一日中、灯りを点けておく。
武器になりそうなものを探す。
お金や貴金属類を隠す……。

どれも間違いではありませんが、強盗に入られたときに考えておかなければいけないことは、たったひとつ。それは、自分の身を守ることです。

あなたが一生懸命に働いて貯めたお金や思い出のある大切な貴金属が盗られるのは悔しいでしょうが、強盗に入られたときに絶対に守らなければいけないのは、自分の命(家族と一緒に住んでいるなら家族全員の命)です。

闇バイトによる強盗が怖いのは……


そのときのために頭に叩き込んでおいてほしいのは、「犯人と対面しない」ことです。犯人と対面さえしなければ、危害を加えられることはありません。

闇バイトによる強盗が怖いのは、侵入してくる実行犯は金品を盗むプロではなく、バイトに応募した素人だということです。気づいたら盗まれていたなんて鮮やかな手口で現場を去っていく実行犯は、ほぼいません。

彼らは指示役と言われる犯罪組織の幹部に「侵入して、金を奪ってこい」と言われて、なりふり構わず実行しているだけ。

闇バイトの実行犯は、運転免許などの個人情報を指示役に提出しており、逆らえない構図になっています。なんとかして金品を奪うことに必死です。

経験がないため冷静さを失うことも多く……


お金や貴金属のありかを聞き出すためなら、住人を縛ったり、殴ったりすることもいといません。

経験がないため冷静さを失うことも多く、逃げるためには住人の命を奪うことさえあります。


(写真提供:Photo AC)

実際に起きた強盗事件をよく見てみると、被害金額が少額で、「そんな金額でどうして?」と首を傾げたくなるケースも多く見受けられますが、それだけ行き当たりばったりで「とにかく、何でもいいから金を奪ってしまえ」という犯行なのが闇バイトによる強盗なのです。

強盗に入られたら、私でも戦おうという考えは持ちません。

侵入できない対策を施すことも大切


なんとしても対面しないようにする。

そして、警察が助けに来るまで待つ。

これが最善策です。それ以前に、そもそも実行犯が家の中に侵入できない対策を施すことも大切です。侵入されなければ、対面することもありません。

「私の家は狙われないから」と考えていると、いざ狙われたときにどうしていいのかわからず、ジタバタするだけです。いますぐにできる防犯対策を知っているだけでも、枕を高くして眠れます。

※本稿は、『闇バイト強盗、特殊詐欺、盗難から身を守る いますぐ防犯』(アスコム)の一部を再編集したものです。

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