<強盗認知件数>東京約3%増に対して群馬・千葉で約30%増、埼玉ではなんと…元警部補「強盗は都市部の事件と思われがちですが、今や魔の手は全国へ」

2025年4月9日(水)6時30分 婦人公論.jp


(写真提供:Photo AC)

警察庁が公表した「令和5年の刑法犯に関する統計資料」によると、2023年の侵入強盗の発生件数は414件で、前年と比べて約1.5倍に増加したそう。闇バイト強盗をはじめ、新手の犯罪が増えているなか、元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課警部補の佐々木成三さんは、現在メディアに多く出演し、防犯について発信しています。今回は、佐々木さんが最新の防犯対策について解説した著書『闇バイト強盗、特殊詐欺、盗難から身を守る いますぐ防犯』より、一部引用・再編集しお届けします。

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「自分だけは大丈夫」はあり得ない


最近、世間をざわつかせているのが、10代から20代の若者たちによる強盗事件。いわゆる「闇バイト」で雇われた、犯罪の素人である若者が実行犯とされる強盗事件です。

SNSやインターネット上の「即日即金」「簡単作業。日当10万円」「1日で5万円稼げる」などの甘い言葉に誘われた若者たちが、指示されるがままに高齢者宅に侵入し、金品を強奪する。

何より怖いのは、金品が盗まれるだけでなく、住人が暴行を受け、負傷するケースが相次いでいることです。中には、住人が命を落とす事件も発生しています。

「私の家も狙われているかもしれない……」

そんな不安から、毎晩雨戸を閉めるようになったり、玄関のカギの確認をするようになったり、ホームセンターの防犯グッズコーナーに相談に行くなどしている人は多いと思います。

一方で、「うちはお金がありそうな家に見えないから」「こんな田舎に強盗なんて来ないから」「狙われるのは大きな家で、私の家は小さいから」などと、当事者意識が薄い人もいます。はっきり言っておきます。

狙われない家なんてありません。

次に狙われるのは、あなたの家かもしれません。

闇名簿や闇リストを持っている


犯人グループが狙う家を決める際に、闇名簿や闇リストと呼ばれる元資料を持っているとされています。

ただし、このリストは大金持ちや資産家ばかりが載っているとは限りません。


『闇バイト強盗、特殊詐欺、盗難から身を守る いますぐ防犯』(著:佐々木成三/アスコム)

●不動産会社の顧客リスト
●65歳以上の人が住んでいる物件リスト
●高齢者ばかりが集まるクラブの名簿
●学校の卒業生名簿……

こうしたリストをどこからか手に入れた犯人グループは、そこに明記されている名前や住所、世帯構成などから狙う家を決めています。

犯人グループの魔の手は全国に


「私は、個人情報を誰かに話したこともないから、情報は漏れていない」と思っている人は、大間違いです。

銀行口座やクレジットカードをつくったり、インターネットでショッピングをしたり、スポーツジムや習い事の会員になったりなど、名前や住所などの個人情報を記入したり、入力したりする機会はたくさんあります。

もちろん、そうした情報は外に漏れてはいけないものですが、どういうルートかわかりませんが、犯人グループの手に渡っていることがあるのです。

名前や住所などは犯人グループに漏れているという前提の対策が必要です。

「田舎だから……」も、狙われない理由になりません。

強盗はお金持ちが多いイメージのある首都圏や都市部の事件のように思われがちですが、犯人グループの魔の手は全国に及んでいます。

各地で強盗が増加


警察庁が発表した2022年と2023年の強盗認知件数を比較すると、東京都の増減率は3.1%増。それに対して、群馬県は33.3%増、埼玉県は37.2%増、千葉県は27%増です。

また、九州全県の増減率は54%増です。コロナ禍があけ、各地で強盗が増加しています。

この数値はすべて闇バイトによる強盗というわけではありませんが、これからは都市部ではなく、むしろ地方のほうが犯人グループに狙われるかもしれません。事実、北海道や群馬県などでも、闇バイトによる強盗事件は起きています。

2023 年の侵入強盗の発生件数は414 件と前年の約1.5 倍に。しかも、そのうち、殺人や致死、傷人、強姦などに至った件数は100 件を超える。

※本稿は、『闇バイト強盗、特殊詐欺、盗難から身を守る いますぐ防犯』(アスコム)の一部を再編集したものです。

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