結婚式や披露宴の「子連れ参列」に賛否...招待されても断るのがマナー?
2025年4月24日(木)15時0分 大手小町(読売新聞)
結婚式や披露宴に子どもを連れて参列する是非について、読売新聞のユーザー投稿サイト「発言小町」で議論が交わされています。SNSでも最近、ディズニーのプリンセスをイメージした衣装に身を包む新婦に心をときめかせた参列者の子どもが、新郎新婦の間に座り続けた“無邪気”な様子にほっこりしたという投稿が物議を醸しました。はたして、子ども連れで参加するのは控えるべきか否か——。
発言小町に「新婦が子ども苦手、参列は子どもを預けるべきか」というタイトルでトピックを立てたのは、35歳の既婚女性「すいまま」さん。夫の職場の同僚であるAさんの結婚式に招待されたのですが、5歳、2歳、0歳の3人の子どもを連れていくか迷っています。

トピ主さん一家とAさん夫妻は一緒にテーマパークへ出かけたり、ホームパーティーをしたりするなど、普段から家族ぐるみで交流があります。Aさん夫妻は子どもにも良くしてくれ、昨年10月に3人目の子が生まれた際にもお祝いを贈ってくれたといいます。
結婚式に当たって、Aさんの妻からトピ主さんに対して、「長女ちゃんのおめかし楽しみですね」「授乳とかで何か配慮必要だったら何でも言ってください」などの心配りがあったほか、披露宴で出されるお子様ランチの内容に問題がないか聞かれるなど、子どもたちの参列を歓迎していると思われました。ところが、ひょんなことから、Aさんの妻は子どもが苦手らしいと耳にしたのです。
Aさん夫妻は気遣いのできる優しい人柄だけに、「『本当に子どもを連れて行って大丈夫?』なんて聞いても『ぜひ!』としか返ってこないような気がします……」とトピ主さんは推し量り、子どもの参加を取りやめたほうがいいか、発言小町で尋ねました。
このトピックには、140件を超える反響がありました。家族ぐるみで親しくするAさん夫妻から、一家そろっての参列を求められているような招待内容にもかかわらず、「乳幼児3人も連れていくのは非常識」「招待を受けても断るのがマナー」といった子連れ参列に否定的な意見が目立ちました。
先日、知人の結婚式に参列したという「ハム」さんは、楽しみにしていた挙式のシーンで、目の前にいた2人の子どもがせっかくの晴れ舞台を台なしにしたと、怒りのコメントを寄せました。4歳くらいの子が「ねえまだ?」「つまんない」と文句を言い、もう1人の1歳くらいの子はギャン泣き。場外に連れ出す気のない親に、会場スタッフが控室の利用を促していたといいます。「小さなお子様とご一緒に参列するなら、絶対に周りに嫌な思いをさせない一心で行くことになります」と「ハム」さんはくぎを刺し、「お子様ありですとトピ主様方がかなり気疲れすると思います」と忠告します。
結婚式や披露宴の子連れ参列について、「さくらクレパス」さんは「子ども連れは親族までが暗黙の了解」とはっきりと線を引きました。親族以外の例外として、新婦の親友に限っては子連れ参列を黙認できるとの考えを示し、「新郎側の友人・同僚の子ども連れは論外と思う参列者も多いのでは」とコメント。事情を知らない新婦側の親族が、「非常識な友人や同僚を持つ新郎だな。友人に強く言えない人と結婚して大丈夫なのか」などといぶかり、新郎の評価を下げる恐れもあると指摘しました。
「新婦が子どもが苦手か苦手じゃないかなんてどうでもいいんです」とバッサリと切り捨てたのは「子ども嫌いの子持ち」さん。「身内なら参列者も納得します。たかが友人関係で一家勢ぞろいってどういう神経しています?」と詰め寄り、「こっちの子もそっちの子も、退屈すればあっち見たりこっち見たり、足をぶらぶら、椅子からずり落ちようとする、赤ん坊はぐずぐず動く。気遣いのある親ならそれを制止しようと声を発したり、ぐずれば立って外に出たり、要するに場を乱すんです」と容赦がありません。
「Aさんご夫婦のご両親は、自分の子どもの晴れ舞台に、Aさん夫婦の兄弟姉妹でもない立場の人がなぜぐずる赤ん坊を連れてくるのかと、内心思うと思いますよ」とトピ主さんを諭した「春」さんは、「かわいい自分たちの子どもたちを着飾らせ、式場で写真を撮ったり食事をしたり、何よりも子どものかわいさを他人にアピールしたいのだと思います。アミューズメントパークのような気持ちでいませんか?」とトピ主さんの本音を問いただしました。
X(旧ツイッター)でも4月中旬、結婚披露宴での子どもの振る舞いを巡る投稿が話題となり、賛否が巻き起こりました。
投稿者は、新婦の元指導教官を名乗る男性。ディズニー映画「塔の上のラプンツェル」のプリンセスをイメージした新婦のドレス姿がきれいだったといい、「教え子の晴れ姿に感極まっちゃって」と披露宴の感想をつづっています。
「教え子が披露宴でこの手のドレスを着たら、列席者のお子さんが本物のプリンセスだと勘違いして、自分の席から離れて新郎新婦の間に座っちゃって、お母さんが戻そうとすると泣きそうになるので、新郎新婦の配慮でそこに座らせたまま宴が進行したのとても良かった」
この投稿には、「ほっこりすぎるし、振る舞いがもう本当にプリンセス」「本物のプリンセスに間違われるとか女児の憧れすぎる」といった好意的な意見がリポストされた一方で、「美談にするの、間違いでは」「かわいそう。本当は嫌だったんだろうな」などと新郎新婦の心中を察する反論や抗議も。
さらに、「私の身内がそんなんしだしたらギャン泣きされようがエビ反りされようが嫌われようが蹴られようがすぐに連れ戻すけど」と、配慮の足りない親への批判が拡散されました。
結婚式や披露宴への子連れ参列に否定的な意見が相次ぐ一方で、発言小町には肯定的な見方もあります。
「結婚式は今後お付き合いをしていただきたい方に、夫婦として改めて『よろしくお願いします』と伝える場」と前置きをした「ケヤキ」さんは、新婦が子どもが苦手といっても、「あなたたち夫婦の子どもたちに対しては、多少なり違う感情を持っているはずです。そうでなければテーマパークもパーティーもないでしょう。相手が授乳の心配をする発言もしているのなら、気にせず全員で参加されてはどうですか?」と、これまでの“家族づきあい”を重視するよう勧めます。
「バンビーノ」さんも子連れ参列を肯定します。「『結婚式には子どもは連れて行かない』がまるで絶対正解のマナーのようにおっしゃる人もいますけど、招く本人がいいと言っているなら良いのですよ」と背中を押しました。「A妻さんは仮に嫌だったとしても、もう腹をくくって招くと決めたんです。お子様ランチまで用意して、長女さんのドレス楽しみですねって『大歓迎』の空気を作ってくれているんですよ。じゃあその意思は尊重すべきではないですか?」
子連れ参列の是非を巡っては、「確かに『子ども連れはご遠慮ください』とは新郎新婦側からは伝えづらいですね」(「いちご」さん)といった声もあるように、新郎新婦が本音を言いにくい状況も考慮する必要があるでしょう。「ご主人から新郎さんに経緯をお話しして、どうするのがベストかを聞いてもらったらいいと思います。新婦さんには知らせずに、新郎さんとご主人の間で話をまとめたほうがいいのでは」(「ライムカレー」さん)という方法も一案かもしれません。
以前、披露宴のサプライズ演出について取材したブライダルコーディネーターは、結婚式や披露宴に何を求めるかは、新郎・新婦それぞれ異なると言っていました。厳かで格調高い趣を大事にするのか、にぎやかで楽しい雰囲気を良しとするのか……。新婦を泣かせようと内緒でサプライズを企画したいと新郎から申し出があっても、コーディネーターは新婦が望んでいないと判断すれば再考を促すそうです。
子連れの参列についても、主役である新郎新婦の考えを大切にしたいもの。2人の「本音」がどこにあるか、披露宴会場を通してコーディネーターに助言を求めるのも手かもしれません。
(読売新聞メディア局 鈴木幸大)
【紹介したトピ】新婦が子ども苦手、参列は子どもを預けるべきか