便秘解消に効果的な食品とは?納豆、ヨーグルト、バナナにハチミツ…。腸内フローラのバランスをよくする食品の選び方
2024年4月26日(金)6時30分 婦人公論.jp
(写真提供:Photo AC)
令和4年の国民生活基礎調査によると、男性の2.5%、女性の5.1%が便秘を訴えているそう。そのようななか、「骨盤の後傾によって曲がった現代人の直腸を真っすぐに伸ばして便秘を撃退する<直腸ストレッチ>」を考案し、テレビや雑誌を通して発信しているのは、アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長の高林孝光さん。先日『スッキリ出る!直腸ストレッチ』を敢行した高林さんは、「便秘解消に欠かせないのが、腸内細菌のバランスをよくする食事です」と言っていて——。
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便秘に効果的な食事とは
医療機関における便秘の治療法の一つとして生活指導があります。その生活指導のなかでも、とくに重要視されているのが食生活です。
厚生労働省では、一日三食を規則正しく摂取すること、とくに、体内リズムを整え、胃や腸を刺激し、排便反射を促す朝食の摂取を推奨しています。
また、食物繊維の摂取もすすめています。水に溶ける性質を持つ水溶性(すいようせい)食物繊維には、腸内の善玉菌をふやしたり、便を軟らかくしたりする作用があります。水溶性食物繊維が豊富な食材としては、果物やニンジン、キャベツ、海藻類などがあげられます。
一方、水に溶けにくい性質を持つ不溶性(ふようせい)食物繊維には、便の量をふやし、腸管を刺激して腸の運動を活発化させ、便通を整える働きがあります。
不溶性食物繊維が豊富な食材としては、根菜類やキノコ類、豆類などがあげられます。こうした食材を積極的に摂取するようにしましょう。
ただし、水溶性食物繊維をとりすぎると下痢を起こしたり、不溶性食物繊維をとりすぎるとおなかが張って便秘が悪化したりする場合も多いので、体の調子に注意しながら摂取するようにしてください。
腸内細菌のバランス
加えて、便秘解消に欠かせないのが、腸内細菌のバランスをよくする食事です。
私たちの腸の中には、100兆〜1000兆個の細菌が棲(す)み着いています。
『スッキリ出る!直腸ストレッチ 一日3分で「出口の詰まり」を取って便秘を解消するセルフケア』(著:高林孝光/CCCメディアハウス)
これらの細菌は、菌種ごとのかたまりとなって腸壁にビッシリと張り付いています。
この状態を「腸内フローラ」といいます。
ちなみに、フローラとは、この菌種ごとにかたまっている状態が、品種ごとに植えられて花を咲かせる花畑(フローラ)に似ていることから名づけられました。
腸内フローラを形成している菌
腸内フローラを形成している菌は、体を守る善玉菌、ふえすぎると体の害となる悪玉菌、状況によって善玉菌の味方をしたり悪玉菌の味方をしたりする日和見(ひよりみ)菌の3種類に分けられます。
この腸内フローラのバランスは、「善玉菌が2割、悪玉菌が1割、日和見菌が7割」が理想的といわれています。この状態を保つと、腸の運動が活発になり、便秘を解消することができるのです。
ところが、腸内フローラのバランスは、食生活や生活環境、加齢などによって簡単にくずれてしまいます。
そのため、便秘を解消するには、腸内フローラのバランスをよくする食事が必要なのです。
発酵食品とオリゴ糖
腸内フローラのバランスをよくする食品の代表といえば、発酵(はっこう)食品です。発酵食品には、乳酸菌をはじめ麹(こうじ)菌、酵母(こうぼ)菌、酢酸(さくさん)菌などが豊富に含まれているのです。
みそ、しょうゆ、酢といった調味料のほか、納豆、ヨーグルト、キムチ、チーズなどを積極的に食べましょう。ただし、塩分のとりすぎには注意してください。
また、オリゴ糖の豊富な食品もおすすめです。オリゴ糖には、ビフィズス菌などの乳酸菌のエサとなって、善玉菌をふやす働きがあります。オリゴ糖の豊富な食品には、バナナ、タマネギ、ハチミツなどがあります。
なお、オリゴ糖をとりすぎると下痢を起こすことがあるので、こちらも注意が必要です。
※本稿は、『スッキリ出る!直腸ストレッチ 一日3分で「出口の詰まり」を取って便秘を解消するセルフケア』(CCCメディアハウス)の一部を再編集したものです。