恋愛相手に下手に出られない。プライドが高い自分が嫌になります

2025年4月28日(月)6時0分 大手小町(読売新聞)

「プライドが高い自分が嫌になります」と題する20代女性からの投稿が、ユーザー投稿サイト「発言小町」に寄せられました。同じ職場の男性と交際して数か月になるトピ主さん。付き合い始めの頃は、彼から丁寧な連絡や誘いがあったものの、最近はそれがなくなってきて、「もう私のことが好きではないのかな」と悲しい気持ちになっているといいます。

写真はイメージです

彼に対して「私のこと、どう思うの?」「もっと連絡してほしい!」などと素直に言いたいのに、「自分が下手(したて)に出ると、いっそう彼に冷められてしまいそうな気がして実行できない」と悩みを明かすトピ主さん。投稿を読み込んでいくと、以下のような複雑な心境がないまぜになっていることがわかります。

(1)恋愛をうまく生かすノウハウとして「言うべきではない」(2)彼に嫌われるのが怖くて「言えない」(3)依存体質で面倒くさい女だと思われたくないから「言わない」(4)彼から自発的に愛情表現をしてほしいから「言いたくない」

まずは(1)。トピ主さんによると、「世間的に女子は好きなことをして楽しんで、彼に依存しすぎない方が彼に愛されると言われているし、周囲を見渡しても、そのようなカップルがうまくいっていると感じる」とのこと。「自分に関心や愛情を持ってほしい」という気持ちを伝えることは、恋愛においては逆効果だろうと考えていることがわかります。

続いて(2)。「この人には嫌われたくない」と思うと、つい臆病になってしまうのが人の常。彼の反応が気になり、自然体では振る舞えなくなっていることが伝わります。

そして(3)。トピ主さんは「自分は彼氏に対して上手(うわて)の立場でないと許せないようなプライドの高い人間なのだと思います」と自己分析しています。ほれている弱みを見せたくない、という思いがあるようですね。同じ職場で働いてるため、会社での体面を気にしていることも伝わってきました。

最後に(4)。後の投稿には、彼が自発的に自分を愛してくれないと嫌だという気持ちがある、といった一文が見られます。彼に言ってほしい言葉はあるけれど、強制して言ってもらうのでは意味がない、と葛藤しているようです。

「相手より下手に出るのが嫌ならば、別れるほかないのでしょうか」と読者に問いかけていますが、トピ主さんにとって、「彼と別れる」よりも「下手に出る」方がつらいことなのか、ということは確かめておく必要があるでしょう。本当に別れに至ったとき、「こうなるくらいなら、少しの可能性に賭けて、あのとき言えばよかった」と後悔しないのか。自分が一番守りたいもの、失いたくないものについて今一度、心の中を見つめてみると良い気がしました。

以前のトピ主さんのポリシーは、自分の気持ちは極力外に出さず、飄々(ひょうひょう)と振る舞うことだったそうですね。しかし、それで済まないくらい、彼のことが好きになってしまった。今までは恋愛体質ではなかったので、慣れない悩みで苦しい、と心境を明かしています。

しかし、以前のポリシーが恋愛において良い方向に作用していたのだろうか、ということは検証してみる必要があるでしょう。

まず、過去の恋愛はすべて終わりを迎えているという事実があります。加えて、「相手を悲しませるような心ないロボットだった」「今回の恋愛で急に心が宿ってしまい、戸惑っている感じ」という一文を見るに、過去の交際では、トピ主さん自身は悩まずに済んでいたけれども、相手側を悲しませていたことが伝わってきます。

つまり、今回の恋愛は、過去の恋愛のときとは立場が逆転している、ということですよね。そうであれば、過去の自分を今の彼の立場に見立てて想像してみましょう。交際相手が「自分にもっと興味を持ってほしい。もっと愛情表現をしてほしい」と一人で思い悩んでいることを知ったら、過去のトピ主さんはどう感じるでしょうか。

「面倒だな、勝手に悩んでいれば?」「そんなこと思っていたら引く」といった感想を持つのか。それとも「素直に言ってくれればいいのに、言ってくれなきゃわからない」と思うのか。前者なのであれば、「下手に出ない方がいい」というトピ主さんの考えの裏付けになるでしょう。しかし後者なのであれば、今の彼だって同じように思う可能性はあるのではないか、と感じました。

「ツンデレ」といった表現があるように、普段は飄々として見える人が、ポロッと自分の素直な気持ちを表している姿は、相手にはかわいらしく見えることがあるものです。トピ主さんは普段からあまり感情を出さないタイプのようですし、素直になってみることがプラスに働くことがあるかもしれません。

重要なのは、言い方です。どう伝えるかによって、相手の印象は大きく変わります。一番良くない結果を招きやすいのが、「どうして連絡してくれないの!?」などと相手を責めるような言い方です。恋愛はあくまで自由意思に基づくもの。相手の義務であるかのように主張し、義務の不履行を責めるような態度を取ると、相手の気持ちが冷めていくきっかけになりやすいです。自分の思うことを、恨みがましくならずに伝えるのが肝心です。

彼の気持ちが冷めてきているのか、交際当初の興奮が落ち着いて安心感から連絡が減っただけなのか、投稿内容だけでは判断できませんが、「なんにせよ、気持ちが通わなくなったのなら、遅かれ早かれ別れることになるのだろうし」と開き直ってみると、逆に勇気が湧いてくるかもしれません。

それに、たとえ彼に振られたとしても、トピ主さんの人生の主導権はトピ主さんにあります。「私はどうやら、こまめに連絡をくれる相手じゃないと、安心して付き合えないみたい。それなら別の相手を探したほうがよさそうだな!」と切り替える選択肢があることも、頭の片隅に置いておくと、軽やかに自分の気持ちを伝えられるのではないかと思いました。応援しています。(フリーライター 外山ゆひら)

大手小町(読売新聞)

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