マクドナルドにふらりと現れた男性、その日訪れた顧客の食事代全てを支払う

2025年4月30日(水)17時0分 カラパイア


 アメリカのマクドナルドで、ある匿名の男性がレジに現れ、数千ドル(日本円で数十万円)という大金をスタッフに手渡した。


 「このお金で、来たお客さん全員の食事代を払ってほしい」とだけ告げると、静かにその場を去ったという。


 スタッフたちはこの善意を受け取り、来店したお客さんに無料で食事を提供。感謝する人々には、「このやさしさを、自分なりの方法で誰かに恩送りすればいい」と伝えた。


 最終的に356食がふるまわれ、訪れた人々は、思いがけないサプライズに心温まるひとときを過ごしたそうだ。


突然訪れて大金を置いて行った男性


 2025年3月のある日、アメリカのマサチューセッツ州ヘイヴァーヒルにあるマクドナルドを、1人の男性客が訪れた。


 その男性は静かにレジに歩み寄ると、対応したスタッフに数千ドル分の札束を手渡して、「このお金がなくなるまで、みんなの食事代を払いたい」と申し出た。


 マネージャーは最初、誰にも相談せず、善意のお金を後から訪れた客たちの支払いに使っていたが、あまりにも金額が大きいため、オーナーに連絡することに。


 この店舗はフランチャイズで、オーナーのデイビッド・イーさんと娘のクリスティーン・イーさんが経営している。



当初当惑したオーナーも好意を受け入れることに


 連絡を受けたクリスティンさんは当惑した。その客の意図がわからなかったし、お金が偽札の可能性も危惧された。


ドライブスルーのお客さまが、後ろの車の代金を払うと申し出るケースは定期的にあります。でも、それは後ろの車1件だけの注文です


 アメリカではランダムアクトオブカインドネス(Random Act of Kindness)[https://karapaia.com/archives/52186737.html]の精神が根付ており、知らない人に名乗ることなく、親切な行為をすることでやさしさの連鎖をつなげようとする人が多い。日本でいうところの「恩送り」だ。


 だが、顧客全員分の食事代金となると規模が大きすぎる。


 そこでクリスティンさんはヘイヴァーヒルの警察署に連絡して調べてもらったところ、現金はすべて本物だった。


特製カードとグリマスも登場、善意の輪を広げる


 それならばと、オーナー夫妻は親切な無名の客の好意を受け入れることにした。


 マクドナルド本社にも連絡し、この思いがけない善意をさらに広げようと、店にマクドナルドの人気キャラクター「グリマス」を呼び、無料の食事と一緒に特製のカードを配布した。


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 2025年4月9日午後1時30分から、いよいよイベントはスタートした。クリスティンさんたちは、赤や黄色のハートで飾られたカードを用意し、来店したお客さんに配った。


 そこにはこう書かれていた。


今、あなたは思いがけない親切(ランダム・アクト・オブ・カインドネス)を受け取りました。匿名のこの周辺に住む男性があなたの食事代を支払ってくれました。


この出来事があなたの一日を明るくしてくれますように。もしよければ、あなたなりの形で誰かにやさしさをつなげてください


 イベントは午後5時まで行われ、訪れたお客さんたちに、合計で356食分の食事をプレゼントすることができたという。



「恩送り」やさしさの連鎖が続くことを祈って


 当日訪れたお客さんたちは、この粋な計らいに感激した様子だったという。


この恩返しは何度でもさせてもらいます!(11歳の息子と店に来た男性。26ドル(約3,700円)分をごちそうしてもらった)
家にいる友だちの分のチーズバーガーも注文させてくれたんだ。素晴らしいことをしているよ(近所の店でこのイベントを知ったという男性)
最初は信じられなかったけど、すぐに来てみたんだ。みんなマインクラフト[https://karapaia.com/archives/496668.html]の箱に詰めてもらって帰ったよ(友達と連れ立ってやってきた高校生)

 マクドナルド社の統括責任者も、今回の素晴らしいイベントについて、次のように語っている。


私たちは、親切を広める特別なチャンスをもらいました。無料で食事を受け取ったすべての人が、このあたたかい気持ちを次へつなげてくれることを願っています



image credit: WHAV[https://whav.net/2025/04/09/stranger-pays-for-hundreds-of-meals-at-haverhills-upper-main-street-mcdonalds/]


 実はアメリカのマクドナルドは、直営店の割合はわずか5%に過ぎず、残りの95%はフランチャイズなんだとか。つまりそれぞれの店舗の経営は、オーナーの裁量に任されている部分が大きいということだ。


 それにしても、ドライブスルーで後ろの人の分を払うというのも、アメリカならではのステキな文化だと思う。


 今回のこの「恩送り」は、見知らぬ人からの善意を受けた人たちの間でも広がりを見せることだろう。


 クリスティンさん自身も、父親と一緒にマクドナルド・ハウス(※)への寄付を行うことにしたそうだ。


「マクドナルド・ハウス[https://www.dmhcj.or.jp/]」とは、難病にかかった子供とその家族を支援するための宿泊施設。日本でも各地で運営されている


私たちは、優しさを広める特別な機会を与えられました。今日無料で食事をいただいた皆さんが、この思いやりの気持ちを次に伝えてくれることを願っています


 負の連鎖はお断りだが、こういった好意の連鎖はどんどん続いていってほしいもの。


 これを読んだみんなも、何か本当に小さなことでいいから、明日は誰かに親切を繋げてみようじゃないか。



References: Stranger Walks Into McDonald’s, Pays For Customers’ Meals All Day Long[https://www.sunnyskyz.com/good-news/5738/Stranger-Walks-Into-McDonald-s-Pays-For-Customers-Meals-All-Day-Long]

カラパイア

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