缶詰博士の珍缶・美味缶・納得缶 第311回 伊豆や銚子だけじゃなかった! 八戸でも水揚げされるキンメダイの缶詰がまじウマだった件

2024年5月24日(金)13時5分 マイナビニュース

缶詰博士の黒川氏によると、食に関するさまざまな知識が缶詰を通して得られるそうです。今回もなにか学びがあったらしく、博士はとても興奮しています。
「いやー知らなかった。キンメダイって八戸でも水揚げされるんですね。伊豆とか銚子の名物だから、その辺りに漁場があるんだと思ってた」
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漁場はハワイ北西
伊豆に出掛けると、絶対に食べたくなるのがキンメダイの煮付けであります。脂がのってジューシーな魚体を、うんと濃い砂糖しょう油で煮付けてあって、清酒が進むしごはんも進む。
今どきは刺身やしゃぶしゃぶで食べるのが流行りだけど、僕にとってキンメダイは煮付け一択。是非もなし。
同じ料理は千葉の銚子あたりでも食べられていて、やっぱりおいしい。そんな体験から、キンメダイは静岡や千葉の近海で獲れるものだと思い込んでた。
ところが、先日のこと。青森県八戸市の友人・木村聡さんからメールが来たのだ。
「八戸漁港にもキンメダイは水揚げされてます。ほとんどは冷凍されて他県に出荷されますが……」
八戸といえば本州のほぼ最北端。そこから漁船が出航し、ハワイの北西あたりの公海で漁獲して戻ってくるそうな。知らなかったなァ!
香ばしい匂い
その八戸漁港水揚げのキンメダイを使った缶詰がこの「天皇海山の金目鯛」シリーズ。味付けがしょう油煮・ショウガ入り、水煮、オリーブオイル煮の3種類あって、八戸魚市場が販売している。
3缶を一挙に開けると、たちまち台所に香ばしい匂いが広がった。キンメダイを加熱すると、他の魚にはない独特の香ばしさが出るのだ。
水煮がお気に入り
各味を試食してみる。
【水煮】塩気の塩梅がいい。身は柔らかいけど崩壊するほどではなく、ちゃんと歯応えがある。かむと脂がぐんぐん湧いてきて、一緒にキンメダイ本来のうまみも湧いてくる。これが一番気に入りました。
【しょう油煮】身が引き締まっている。甘じょっぱい味が中まで染みていて、 みりんの香りが豊か。素直に白ごはんが欲しい。くれ。
【オリーブオイル煮】水煮に油のうまみが加わった感じ。しっかり利かせた塩味がとてもよく、オリーブ油のおかげで“洋”の料理にアレンジ出来そうな予缶。ニンニクと合わせ、バルサミコ酢を利かせてパスタとか、いいんでない。
バターでコクをプラス
かくのごとし。水煮をアスパラガス、シメジと合わせてホイル焼きにした。味付けは缶汁と、最後にトッピングしたバターであります。
そのままでもまじウマだったキンメダイだが、バターの動物性脂肪とも相性がいい。もともとの風味を損なうことなく、いいコクがプラスされた感じだ。
アスパラとシメジにキンメダイのうまみが染みこみ、逆にキンメダイにはアスパラとシメジの風味が移って、こちらもまじウマでしたぞ。
缶詰情報
八戸魚市場/天皇海山の金目鯛シリーズ 水煮、しょう油煮生姜入、オリーブオイル煮 各170g 864円
通販サイト「味の海翁堂」や東京都内のアンテナショップ「エイトベース」などで購入可
缶詰博士 かんづめはかせ 昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。初のエッセイ本「缶詰だよ人生は」(本の泉社刊)も絶賛発売中!公式ブログ「缶詰blog」とFacebookファンページも公開中。 この著者の記事一覧はこちら

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