LIXILが本格販売に乗り出す自動窓掃除ロボット「HOBOT」とは? 住まいのトレンド「大きく解放感ある窓」の掃除を楽に
2025年5月27日(火)18時45分 マイナビニュース
自動窓掃除ロボット「HOBOT(ホボット)」という家電製品をご存じだろうか。台湾のHOBOT社が開発し、日本には2020年に上陸。以来、特に大きめの窓を楽に掃除できるとして、ユーザーからは好評価を得ている。
HOBOTは強い吸引力で窓に張り付き、窓面を自動で移動しながら張り付いた面に備えるモップを小刻みに動かして窓を拭く。基本的には乾拭きだが、乾拭きと水拭き(専用洗剤)の両方に対応したモデルもある。
筆者はこれまで何度かHOBOTの実機を見たり触ったりしており、窓掃除を自分でやらなくてすむようになるのは想像以上に楽だった。平らなガラス面に真横から張り付いて縦横に動くという仕組みと見た目から、「落ちない?」と思うかもしれないが、取扱説明書に従って利用している限り落ちたことはない。それだけ強い吸引力で窓に張り付く。
ちなみに窓ガラスのほかにも、曇りガラス、大理石、タイルといった素材にも対応している。もちろん使えない窓や素材はあるため、もし購入を検討するときはしっかり確認してほしい。
HOBOTの電源は有線で、かなり長い電源ケーブルと延長ケーブルが付属する。使うときにセッティング、終わったら片付けという多少の手間はあってもそれほど苦ではない。ワイヤレス(バッテリー)駆動には未対応だ。
現行製品の最上位「HOBOT S6 Pro」(5万3,800円)は、1平方メートルあたり約2分36秒の掃除スピード。それなりの動作音がする点には注意が必要だが(強い吸引力を生むためのモーター音)、動作スタートしたら完了まで放っておけばよいので、その間に色々なことをこなせる点もよい。
○LIXILが本腰を入れてHOBOTの販売に乗り出す
正直なところ、HOBOTは家電としていまひとつメジャーになり切れていないのも事実だ。そんな折り、2025年4月から住宅関連大手のLIXIL(リクシル)が日本における総代理店として事業をスタート。2025年の夏には新モデルの発売も控えている。
LIXILはHOBOTの総代理店となる以前の2021年10月から、公式通販サイトのLIXILストアなどでHOBOTを販売してきた。LIXILの担当者によると「思いのほか好調」ということで、今回の総代理店につながったわけだ。LIXILは個人住宅向けにも事業所向けにも多彩な「窓」を販売しているメーカーでもあり、HOBOTとは相性がよい。窓とHOBOTを合わせて紹介、提案することによって、HOBOTの販売に結び着いているそうだ。
実際、上記の「窓とHOBOTを合わせて紹介、提案」というのはLIXILならではだし、なるほどと思った。テレビや冷蔵庫、洗濯機などと違って、まだまだマイナーな存在のHOBOTは、消費者とのタッチポイントをいかに増やして知ってもらうかが重要なフェーズだといえる。
2025年夏に発売を予定している新製品「HOBOT S7 Pro」は、本体が正方形タイプのモデルだ。詳細は明らかになっていないが、吸引力が高まって安定性と掃除性能が向上、水拭き時のスプレー噴霧量/角度を改善、動作音を散らして体感的なノイズ低減効果を向上——といった強化が図られている。スマホアプリからの操作も可能だ。
さて、近年の新築住宅やリフォーム/リノベーション市場では、「窓」は大きく解放感が得られるデザインが1つのトレンド。例えばリビングをはじめ多くの部屋で中心的な窓となる「掃き出し窓」(窓の下部が床まであるもの)は、高さも伸びて天井近くまでが窓になっているデザインの人気が高まっている。LIXILでもこうした窓や、トリプルガラス仕様で断熱性能に優れた高性能窓「TW」などが人気とのこと。
確かに大きな窓は解放感があり、自然光がたくさん入ってくるので部屋が明るくなる(夏は日差し対策が必須だが)。ただ掃除をするとなると一苦労。スクレーパーや高圧洗浄機など窓面を効率的に掃除できる機材は色々あっても、人力である以上はそれなりの手間がかかる。何かと後回しにしがちな窓掃除だが、汚れを溜めるとどんどん落ちにくくなって悪循環にはまってしまうため、自動で窓を掃除してくれるHOBOTには注目する価値がある。LIXILのショールーム、家電量販店、住宅展示場、モデルルームなど、HOBOTを見かけたらその動作を体験してみてほしい。