未経験でも成長できる環境を提供 アイドマ・ホールディングスが第二新卒のキャリア採用を積極展開
2025年5月27日(火)13時21分 キャリコネニュース

アイドマ・ホールディングスの井口雄大さん
アイドマ・ホールディングスは、労働人口が減少する時代における企業の業務支援と働き手の就労支援を目的に、2008年に設立された会社です。中小企業を主なクライアントとし、これまでにのべ18,300社に対し、再現性のある営業の仕組みづくりをはじめ、さまざまな業務支援サービスを提供してきました。
2021年に東証マザーズ(現グロース市場)上場後も高い成長率を維持し、8期連続で増収増益を達成しています。そんな同社は現在、どのような事業を推進し、どのようなポジションでキャリア採用に注力しているのでしょうか。同社の経営企画室 中途チーム リーダーの井口雄大さんにお話を伺いました。(文・構成:キャリコネニュース編集部)
クラウドワーカーとテクノロジーで中小企業の成長を支援

アイドマ・ホールディングス 経営企画室 中途チーム リーダー 井口雄大(いぐち・ゆうだい):新卒で営業代行会社に入社し、営業職を1年半経験。現場での経験を通じて“人と組織”に関わる仕事に興味を持ち、2022年にアイドマ・ホールディングスに参画。新卒・中途採用、社内研修など幅広く担当。現在は中途採用の責任者として、採用戦略の立案から実行、候補者との面談に従事。
——御社は現在どのような事業を行っていますか。
BtoB事業を行う中小企業をメインのお客様として、「営業支援」「人材支援」「業務支援」の3つ軸で業務支援を行っています。売上比率は営業支援が68%、人材支援が30%、その他業務支援が3%という構成です。
主力の営業支援サービスは、国内最大級の法人データベース「BIZMAPS」やクラウド型営業支援システム「Sales Crowd」など自社開発の営業DXツールを活用し、営業先リストの作成から電話・メール等のマルチチャネルのアプローチ、ビデオ通話や資料共有などのリモート商談機能まで、営業活動を一気通貫で支援するものです。
このサービスは業種に偏りがなく、あらゆる業界に提供が可能であることが特徴のひとつです。全国の中小企業数は非常に多く、巨大な市場であるため、今後も継続的に成長が見込めると考えています。

「セールスクラウド」で効率化できる営業活動プロセス
人材支援サービスは、在宅で働きたいクラウドワーカーと人手不足の企業をつなげる「ママワークス」を運営しています。登録会員数は56万人を突破し、4,800社を超える企業への導入実績があります。
登録会員にはスキルアップのためのオンライン講座を無料で提供し、クラウドワーカーとの協業経験のないクライアントには当社のコンサルタントが組織戦略の助言から採用活動のサポート、業務の安定運営まで支援しています。
「ママワークス」以外の求人メディアも運営しており、フルリモート正社員に特化した求人サイトの「リワークス」はサービス開始から約4年で会員数は約13万人にのぼっています。フルリモートのハイクラス求人メディア「CXOワークス」はサービス開始から約3年で登録数は約2.5万人で、このうち部長以上の役職者が約3割を占めています。
このほか、業務支援サービスとして、秘書代行や管理業務、ウェブマーケティングや採用、IPOなど、中小企業をメインターゲットとした幅広い経営コンサルティングやアウトソーシングのサポートを行っています。
——幅広いサービスを展開していますが、どのような体制で業務を行っているのですか。
職種としては大きく分けて、見込み客となるリード獲得を行う「マーケティング」と、商談を行う営業の「セールス」、クライアントにソリューションを提供する「コンサルタント」の3つの部門で、分業体制を採って業務を行っています。
このうち、マーケティングとセールスはさまざまなサービスを取り扱っていますが、コンサルタントは営業支援や組織構築支援、ウェブ領域などの専門領域をそれぞれ持って業務を行っています。
なお、当社にはおよそ300人の社員のほか、4,000人弱のクラウドワーカーさんがおります。社員は戦略立案からマニュアル作成、ディレクションなどの上流工程を担当し、実際の架電などはクラウドワーカーさんにお願いする役割分担を採っています。
業務をマニュアル化し再現性ある仕組みを作る
——現在どのような戦略で事業を推進されていますか。
「人口減少を成長の機会に」という戦略を掲げています。ある調査機関の推計によると、2030年時点で約700万人の人手が不足すると予想されています。仮に社員一人当たりの年収を400万円、不足する労働人口を700万人とすると、30兆円にものぼるマーケットが生まれるという考え方ができます。
人手不足が進むと、中小企業では採用が難しくなるほか、賃金も上がりやすくなり、人材の流動性が高まって定着も難しくなります。このような事業環境下では「人を増やして成長する」方法を採ることが困難になり、外部の労働力とテクノロジーを活用して生産性を上げる必要が生じます。
そこで当社は、先進的な「テクノロジー」と、クラウドワーカーの「マンパワー」、そして「データ」によって、人の採用と代替するサービスを提供することで、中小企業の成長を支援する戦略を採っています。

経営戦略「人口減少を成長の機会に」
——サービスの強みはどこにあるでしょうか。
1つ目は「安い」こと。新卒採用の場合、一人当たりおよそ月25万円、年間で300万円の給与がかかり、側面経費を考えるとトータルで600〜700万円程度のコストになると考えられます。一方、当社のサービスは平均単価が300万円程度なので、その半額で実現できることになります。
2つ目は「早い」こと。通常、人が必要になって応募を始めてから採用に至るまで3か月、育成期間も含めると一人前になるまでに1年くらいかかります。一方、当社のサービスなら最短翌日から稼働が始まりますので、期間を大幅に短縮できます。
3つ目は「仕組みとして残せる」こと。仕組みとして再現性を追求するサービスですので、最終的にお客様自身で同じことができる状態を目指しています。当社の支援が離れたとしても、仕組みがずっと回っていく体制ができるのです。
——「仕組みとして残る」について、もう少し具体的にお願いできますか。
私が所属する採用チームを例にあげると、候補者にスカウトを送るチームや、応募対応や日程調整をするチーム、面接チームなど約20人で構成されるクラウドワーカーの組織があります。私はワークフローを固めてマニュアルを作成することで、コアな上流業務を行える状態になっています。
このように、社員1人分の労働力を複数人のクラウドワーカーで担うのが、当社サービスの基本的な仕組みです。すべての業務をマニュアル化することで、仮にクラウドワーカーが入れ替わったとしても、同じ業務ができる仕組みが残ることになります。一方、正社員を雇用すると業務は属人的になりがちで、その人が辞めてしまえばまた一からやり直しになってしまいます。

アイドマ・ホールディングスの採用チーム
成長意欲と「9つの約束」を重視
——現在どのようなキャリア採用を行っていますか。
20代の第二新卒や若手社会人を中心に、これから営業やコンサルタントとしてキャリアを積んでいきたいと考えている「未経験者層」の採用に注力しています。実際、社内では経験者よりも、例えば販売や公務員など別職種や別業界から来て、当社のやり方を学びながら成果を上げている人が少なくありません。
人材要件として特に重視している点は3つあります。1つ目は「コミュニケーション能力」です。いずれの仕事も上流工程を担当し、お客様や社内とのコミュニケーションが多くなるので、質問を正しく理解して適切に回答する「Q&A力」があるかどうかは採用段階で重視しています。
コンサルタントに不可欠な「結論から話せるか」といったスキルは、入社後のトレーニングで身につけることができます。なので、まずは置かれた状況や発言から、相手が何を聞きたいのかを理解し、そこに答えていける能力を見ています。
2つ目は「成長意欲」です。当社は会社として成長段階にあり、今後も大きく伸びていきたいと考えており、高い目標を掲げています。そのため、ゆったり働きたい、ワークライフバランスを重視したいという方よりも、会社と一緒に成長していきたい、将来的に目標があって最速でスキルを上げていきたいという方がマッチすると考えています。
3つ目は「素直さ」です。当社では「9つの約束」という行動規範を大切にしていますが、それらをまとめると、素直さが非常に重要ということになります。経験者採用にありがちなのは、「今までこういう経験をしてきました」というプライドが、かえって成長の邪魔になってしまうことです。
当社には成果を最短で上げるための研修体制があります。まずは一度、真っ白な状態に戻り、私たちのやり方を実践していただければと思います。正しい努力の仕方を吸収して、成果を出していける方を求めています。

大切にしたい価値観を行動規範としてまとめた「9つの約束」
——カルチャーフィットは重要になるかもしれませんね。
そうですね。当社は「すべての人の夢の実現に貢献する」という経営理念を定め、この実現に向けて目指すべき指標として「世界の可能性を広げる」というビジョンを掲げており、日々の業務を通じて本気で実現していこうとしています。
社員全員が同じ方向を向いて実現に向けて取り組んでいますので、経営理念やビジョン、戦略に対する共感は非常に重視しています。ここさえずれなければ、達成のための手段としていろんなことができる会社です。
また、「9つの約束」という行動規範には、当社の価値観が反映されており、業務や成果の評価もこれに基づいたものになります。このような理念やビジョンへの共感や価値観の共有は、当社で働くうえで最も重要な要素になると考えていますので、一次面接の段階から詳しく説明しています。
未経験者が活躍できる研修体制
——キャリア入社組の定着や活躍支援について取り組んでいることはありますか。
特に力を入れているのが研修です。中途採用者に対しても新卒と同じくらいのボリュームで、1か月半から2か月ほどしっかり行っています。これだけの研修を実施する会社はあまりないと思いますが、このような体制があるからこそ未経験者でも短期間で活躍できるようになります。
業務に関する研修のほか、キャリアビジョン研修も実施しています。未経験で入社する方の中には、選択肢を増やすために「成長したい」という思いはあっても、具体的なビジョンが描けていない場合がよくあります。そこで「いつまでにどうなっていたいのか」「どうなったら自分の中で正解なのか」を明確にする研修を、当社の役員が直接行っています。
こういったことを決めておかないと、日々の業務で困難なことにぶつかったときに、心が折れてしまいやすくなります。したがって研修では、具体的なビジョンを持つことの重要性を伝えています。

三浦和広取締役による「キャリアビジョン研修」
——研修以外ではどんな取り組みがありますか。
これは会社の体制づくりにも関係しますが、適切なポジション(職位)を確保することも重要だと考えています。成長していきたい人は、より上の仕事を求めていくものですが、年功序列の大手企業では管理職のポストは詰まっていて、上が辞めてくれないとポジションが空かないような状況もあります。
当社では常に新しい取り組みを行っていますので、成果を出すと新しい領域自体にポジションができていきます。通常の企業より昇進や新たなチャレンジの機会が多いのは、他社からの転職組の社員も感じているようです。
社員が働きやすい環境づくりの観点では、AIを活用した業務効率化や、在宅ワーカーの活用による業務切り出しなど、仕事の生産性を上げる体制づくりには注力しています。
また、当社では社内における成果の再現性にもこだわっており、過去の成功事例を徹底的にまとめ、ビッグデータを活用してAIで戦略を作れるレベルまで進化しています。これによって、未経験者でも再現性の高い成果を出せる環境を整えています。すべては、成果につなげるための取り組みです。
成長したい人に提供する「3つの価値」
——御社の社員として働くうえでの魅力について、候補者にどう説明していますか。
候補者への訴求ポイントとしては、「成長」を最も重視しています。具体的には、以下の3つの観点から成長できることを伝えています。
1つ目は「経営者に対するソリューション提供ができる」点です。経営者に無形商材を販売する仕事は、難易度が高いものです。しかし、自分を成長させたいと思っている方にとって、こういうチャレンジができる環境は魅力的です。
2つ目は「人脈形成の機会が豊富にある」点です。将来起業したいとか独立していきたいという志を持つ方にとって、とても良いポイントになります。お客様とのやり取りはもちろん、毎月100〜200人規模の経営者交流会を開催したり、大きなカンファレンスを社内で開催したりしているので、人脈形成が進む環境にあります。
3つ目は「ビジネスの理解が深められる」点です。営業やマーケティングのコンサルティングをすると、売値や原価がいくらで、どうやってマネタイズしているのかを全部理解できます。こういうことに携われる会社はなかなかないと思います。

「Break the WALL」をコンセプトとしたオフィスのエントランス
——成長にこだわる会社であることがよく分かりました。
世の中では、働き方改革やワークライフバランスが強調される一方で、今後はAIによって仕事が奪われる領域が増えていくでしょう。そうすると、人材一人当たりのスキルや生産性をもっと上げていかなければならない時代になると思います。
そのときに、自分自身でスキルを磨いていける人はいいのですが、居心地のいい環境に身を置いたままでそれができない転職潜在層の方に対しては、「それで大丈夫なのでしょうか?」という問い掛けをしていければと考えています。
当社では未経験者でも安心して成長できる環境と、変化の激しい時代に対応するためのスキルアップの機会を提供しています。自分自身を成長させたい、変化に対応していきたい方にとって最適な環境だと自負しています。