『生活クラブ』の生産者さん直伝! 素材を活かした、おいしい・簡単・おすすめレシピ。

2022年9月1日(木)6時0分 ソトコト

そのまんま焼くだけで、ハンバーグよりジューシー。お肉の味がしっかりと楽しめる出来上がりに!


豚ひき肉を、玉ねぎやつなぎを加えることもなくそのまんまで焼き、塩、こしょうを振るだけで出来上がる、肉汁たっぷりの「そのまんま焼き」——。
もしくは、豚バラ薄切り肉をだし汁でさっと煮て、そのまんまご飯にかけ、千切りのキャベツとショウガをのせるだけの、サラサラ、お代わり必須の「豚茶漬け」——。
はたまた、もっとシンプルに、おいしいご飯とおいしいご飯のお供たち——。
そんなレシピを教えてくれたのは、山と海に囲まれた「食の都」山形県・庄内地域で減農薬のお米をつくる農家さんや、飼料に米を配合し、こだわりの豚肉を生産する会社の方々です。みなさんに共通するのは、食べる人のことを思ってていねいに、安心・安全な素材をつくっていること。そして、生活協同組合(生協)の『生活クラブ』と提携する生産者さんだということ。
『生活クラブ』では、組合員が食べたいと思うもの、欲しいと思うものを、生産者さんと話し合い、双方が納得のいくかたちでつくってもらっています。それはまさに「顔の見える関係」です。そんな関係づくりから始まるお米や豚肉。その素材を最高においしく食べるレシピを生産者ご本人に尋ねてみたというわけです。
それでは、教えてもらったレシピをさっそくご紹介! 今日の昼食や夕食にもぴったりのはず。調理していただくのは食べ物にまつわる背景やストーリーを大切にし、「食の物語を紡ぐしごと」をコンセプトに活躍する料理家・蓮池陽子さんです。





最初に研ぐときの「水」にこだわる。


まずは日本人の主食、お米を炊きましょう。使うお米は「庄内 遊YOU米」。生産しているのは、『JA庄内みどり 遊佐町共同開発米部会』の農家のみなさんです。田んぼがある山形県・遊佐町(ゆざまち)は庄内平野にあり、鳥海山のふもとにあって湧水が豊富なため、もともと米づくりが盛んな地域です。『生活クラブ』と地元の農家さんとの共同開発米づくりは今から30年以上前に始まりました。組合員と農家さんは毎年話し合いを行い、農家さんは農薬や化学肥料を県基準よりも減らす努力をしています。
そうしてつくられるお米ですが、そのおいしい炊き方のコツを同部会・会長の今野修さんに聞きました。教えてくれたポイントは2つ。
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1.最初に研ぐ水を「いい水」にする。炊くときの水に注目し、ミネラルウォーターを使用しているという方がいると思いますが、米は最初に研ぐときに最も水を吸います。ですので、炊くときよりもむしろ、研ぐときの水にこだわってみるのをおすすめします。最初の水をいい水に!
2.米を研いだあと、季節によりますが平均して30分程度、水に浸けてから炊くと、ふっくらおいしく炊き上がります。その際の水は冷水のほうがおすすめ。冷水が難しければ、氷を入れておくのでも大丈夫です。
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そうして炊き上がるご飯。「庄内 遊YOU米」はコシヒカリの系統の米で、やや大きめの粒が特徴。ふっくらとした炊き上がりと、もっちりとした食感になります。
今野さんはご飯をたくさん、おかずは少しで食べることが多いのだとか。そのお供として好きなのは梅干しや明太子、のりの佃煮など。同部会・事務局の池田恒紀さんおすすめのお供といっしょに、本記事の最後で写真とともに紹介します!





別名「いきなりハンバーグ」! 「ひき肉そのまんま焼き」のレシピ紹介。


次に紹介するレシピは「ひき肉そのまんま焼き」。献立の中心になるメニューです。
使うお肉は山形県酒田市に本社を構える『平田牧場』の「日本の米育ち三元豚 豚ひき肉」。『生活クラブ』と『平田牧場』の提携は40年以上にも及び、1996年にはその両者と『遊佐町共同開発米部会』が協力し、豚の飼料に飼料用米を配合する試みをスタートさせました。庄内地域でも増えていた休耕田の有効活用と、飼料穀物の多くを海外からの輸入に頼る状況を解決しようと始まった試みでした。








そんな背景で生まれた「米育ち」の豚肉。現在は飼料全体の35パーセントに飼料用米を配合しています。脂の色は白く、火を通すとスッキリとした甘みが出るのが特徴で、肉の香りもいいことで、今では『生活クラブ』の人気食材になっています。そんな豚肉だからこそできる「そのまんま焼き」。このレシピ、『平田牧場』の社員さんが考案したものです。以下、そのレシピの紹介です!



【平田牧場社員・加藤さんちの「ひき肉そのまんま焼き」】
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▼材料(2人分)
・豚ひき肉…250グラム
・サラダ油…小さじ1
・塩、こしょう…各適宜
・クレソン…適宜
・ズッキーニ…適宜
・ミニトマト…適宜
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▼作り方
1.ひき肉を2分の1量ずつ、1センチ程度の厚さの楕円状に整える。
2.フライパンに油を熱して「1.」を並べ入れ、塩、こしょうを振り、蓋をして、焼き色がつくまで約3分焼き、肉の上下を返す。
3.再び蓋をし、火が通るまでさらに約3分焼いて、器に盛る。
4.ズッキーニを輪切りに、レモンを半分に切り、切った面をフライパンで軽く焼く。付け合わせとしてクレソン、ミニトマトと一緒に器に盛る。
レシピ引用:『平田牧場 おいしい豚肉料理』(角川マーケティング刊)




レシピに沿って調理していく蓮池さん。「ものすごく簡単で、すぐにできるレシピ。子どもがいる家庭だったら、1つを大きめにしてホットプレートで焼き、子どもたちといっしょに切り分けながら食べても楽しいかも!」と目を輝かせていました。
また今回、蓮池さんのオリジナルとして、レモンは切り口を軽く焼いてから盛り付けました。そうすることで、レモンがよりおいしそうに見え、果汁も搾りやすくなるそうです。その後、蓮池さんは『生活クラブ』で扱う「国産十割こうじみそ」と「きぬ豆腐」なども使い、みそ汁もつくってくれました。








『平田牧場』社員考案のレシピ。「豚茶漬け」を紹介!


さらにもう一品、『平田牧場』社員さんの考案レシピを紹介します。残暑厳しい今の時季にぴったりな、サラサラと食べられて、スタミナも付く、そんなレシピです。その名は「豚茶漬け」! 使うのは「日本の米育ち三元豚 豚バラ薄切り」です。





こちらがそのレシピです! なお、ここで使うだし汁は「白だしでつくるのでも、だしパックなどで取るのでもいいかも」と蓮池さん。



【平田牧場社員・佐藤さんちの「豚茶漬け」】
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▼材料(2人分)
・豚バラ薄切り肉(5ミリ幅に切る)…100グラム
・キャベツ(せん切り)…大1枚
・ショウガ(せん切り)…1かけ
・ご飯…茶碗2杯分
・長ネギ(芯を除いてせん切り)…5センチ
・だし汁…2カップ
・しょうゆ…小さじ1
・塩…小さじ1
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▼作り方
1.鍋にだし汁を入れて煮立て、豚肉を加える。肉の色が変わったら、キャベツ、ショウガを加え、さっと煮て、しょうゆ、塩で味を調える。
2.器にご飯を盛り、「1.」を汁ごとかけて、ネギをのせる。
レシピ引用:『平田牧場 おいしい豚肉料理』(角川マーケティング刊)




調理をする時間的な余裕がないとき、軽く食べたいときなどは、おいしいご飯と「お供」ですませるのもあり、かも。『遊佐町共同開発米部会』のお二人が好きなのは、こんなお供です。








素材のよさを活かし、簡単につくれるレシピをもとに手際よく調理をしてくれた蓮池さん。まず、「庄内 遊YOU米」について、「いい意味で主張が強すぎず、おかずといっしょに食べてどちらも引き立つ、バランスのいいお米ですね」と感想を話していました。そして、やはり一番驚いていたのが「ひき肉そのまんま焼き」。その簡単さ、そのおいしさに目を丸くしていました。
「お米を食べている豚肉だからか、焼いた後の脂身が甘く感じます。融点も低いのでしょうね。ベタベタせず、サラッと脂が溶け出す感じです。つなぎも何も入れずに、『そのまんま』焼くから、混じりっ気のない、肉そのものの味わいを楽しめます。本当においしい! びっくりです!」
「豚茶漬け」でもバラ肉を煮たときにアクがほとんど出ないことにも感心していました。試食した感想は、「やさしいしょうが焼き、という味わいです。キャベツのシャキシャキ感もいいです。暑いときでもあっさりと食べられそう」。たしかにいくらでも食べられる、思わず「お代わり!」と言ってしまう一品でした!





おいしい素材を扱う『生活クラブ』。どんな生協?


『生活クラブ』は1968年に設立された生協で、もともとは200人あまりの女性たちが集まり、牛乳の共同購入を始めたことからスタートしました。当時は脱脂乳や加工乳が多かった時代で、そんななか、確かな品質の「普通牛乳」とは何かをみんなで学び、安心できるところから適正に購入しようという思いがありました。
現在の組合員は約42万人。「自分たちの生活をみんなでよりよくしていく」という設立の目的は今も同じです。一般の方が少しずつ出資(退会時、その出資金は返還されます)をして組合員になることで、利用できるようになります。





また、組合員が生産者さんと話し合いを重ね、双方が納得のいくかたちで、おいしく、安心・安全なものを生産してもらうことにも変わりはありません。そんな生産者さんとの関わりについて、『生活クラブ』の設立当時から深い関わりがある庄内地方を実際に訪ね、ここで登場した『遊佐町共同開発米部会』の今野さんや池田さん、『平田牧場』の山本さんや池原さんに当事者としてのお話を聞いた記事を『ソトコト』2022年9月号に掲載しています。
その同じ記事内容をソトコト・オンラインのホームページでも公開中。こちらもぜひ、ご一読ください!
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text by Takeshi Konishi
photographs by Hiroshi Takaoka & Yusuke Abe

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