石川県の郷土料理「鯛の唐蒸し」 どんなものか知ってる?
2017年9月23日(土)6時0分 Jタウンネット
[となりのテレ金ちゃん−テレビ金沢]2017年9月11日放送の「仰天コロンブス」のコーナーで、「鯛の唐蒸し」の紹介をしていました。
「唐蒸し」と聞いても、「唐揚げのようなもの?」「茶碗蒸しのようなもの?」と知らない人が多いのですが、古くからある石川県の郷土料理なのです。
喜びを分かち合うため「おから」で増量
鯛の唐蒸しは婚礼料理の定番で、オスとメスの鯛の腹におからをいっぱい詰めて蒸し上げたものです。
嫁入り道具とともに花嫁が持参する鯛を、花婿側が調理して振舞うのが習わしです。なぜ、高級な鯛の中に庶民的なおからを詰め込むのでしょうか?
それは、昔は婚礼をすべて家で行っており、せっかくの鯛を増量してたくさんの人に振る舞えるようにおからを詰めたといわれています。
石川の人は、昔から信仰深く精進料理を食べる機会がよくあったこともあり、豆腐やおからを好む人が多いのです。
ほかにアジやイカにおからを詰めて焼いて食べる家庭もあります。
鯛の唐蒸しは、もともと中国から長崎に伝わった円卓料理である卓袱(しっぽく)の一つ、「鯛のけんちん蒸し」を、長崎を訪れた加賀藩の留学生が真似たことから始まったといわれています。
喜びを分かち合うために、おからを詰めて増量した郷土料理。なんとも金沢らしい雰囲気が伝わってきますね。(ライター:りえ160)