UFOが旅客機の緊急着陸を招いた「マニセス事件」の真相とは

2024年11月13日(水)20時0分 tocana


 スペインで最も重要なUFO目撃事件の一つとして知られる「マニセス事件」から45年が経過した。


 1979年11月11日、パルマ・デ・マヨルカのソン・サン・ジョアン空港(パルマ・デ・マヨルカ空港)から大幅に遅れて出発したTAE(Transportes Aéreos y Enlaces)社のスーパーカラベル機が、バレンシアのマニセス空港に緊急着陸した。原因は、航空機に接近する2つの赤い光。航空機からわずか半マイルの距離まで迫ったという。機内には109人の乗客が搭乗していた。


 22時頃、バルセロナ航空管制センターは、ハビエル・レルド・デ・テハダ機長に対し、121.5kHzの周波数で緊急信号を傍受するよう要請した。機長は「信号は聞こえるが、識別できない」と応答し、客室の照明を消して、副操縦士のホセ・ラモン・スアス氏、航空機関士と共に外部に注意を払った。


 研究者のビセンテ・フアン・バジェステル・オルモス氏が後に突き止めたところによると、この信号はフランス南部から発信されたもので、フランスがこの現象に強い関心を示していた理由を説明している。


 数日後、フランスは領事館車両を派遣し、マヨルカ島のコンタクティー、ペップ・クリメント氏が水から出てきた物体を撮影した画像を入手しようとしたという。


謎の赤い光と緊急着陸

 客室の照明を消すと、乗組員は10時の方向に2つの赤い光が航空機に向かって急接近しているのを目撃した。客室乗務員の証言によると、この奇妙な飛行物体との距離は、安全な距離を下回るほど接近したという。


 スペイン空軍の図書館で閲覧可能な機密解除されたファイルには、航空機とバルセロナ航空管制センター間の会話の記録が含まれている。この記録は軍の機密解除の論争が始まるずっと前に流出した音声の信憑性を裏付けるものであり、航空シミュレーションソフトウェアによる事件の再現の基礎となった。


 録音には、当時の緊迫した状況と、バルセロナ航空管制センターや、謎の物体を迎撃するためにアルバセテのロス・リャノス基地からミラージュF-1戦闘機を発進させた空軍関係者たちの対応が記録されている。


 この緊急発進(スクランブル)の様子も、当時のフェルナンド・カマラ機長の証言に基づいて再現されている。ミラージュF-1迎撃機の緊急発進命令は、地上と上空の両方からマニセスで目撃情報が多数寄せられたことを理由に、MACOM(戦闘航空司令部)の勤務責任者によって出された。


 空港長のミゲル・モルラン氏は、管制塔がUFOをレルド・デ・テハダ氏のスーパーカラベル機と間違えて滑走路の照明を点灯したことを認めている。これらの再現映像は、民間航空機の乗組員と軍のスクランブルの両方で経験された不安と混乱を理解するのに役立つだろう。しかし、彼らは結局、この現象の正体を特定することはできなかった。


 マニセス事件は、UFOが民間航空機の運航に影響を与えた事例として、航空史上特筆すべき出来事と言えるだろう。45年前のスペインの夜空に何が起こったのか、その真相は今もなお謎のベールに包まれている。



参考:espaciomisterio

tocana

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