【食楽検証】松屋の「カレギュウ」とすき家の「牛カレー」はどう違う? 食べ比べてみたらカレーの方向性が全然違って驚いた!

2022年11月23日(水)10時50分 食楽web


松屋の「カレギュウ」680円。こちらはイートイン用で味噌汁付き | 食楽web

●検証内容:松屋の「カレギュウ」とすき家の「牛カレー」の違いを食べ比べて検証してみる

 先日、混み合った電車に乗っている時に、大学生らしき男子2人の会話が耳に入ってきました。キャップをかぶったガタイのいい男子が「今日はまたすき屋の牛カレーかな」とつぶやくと、すかさずメガネをかけた細身の男子が「牛丼屋のカレーだったら松屋がよくね」と応酬。

キャップ:え、そうかな? 俺、最近すき家の「牛カレー」にめっちゃハマってんだけど…

メガネ:いやー、どっちか選ぶならやっぱ松屋の「カレギュウ」でしょ。

キャップ:いやいや、俺、すき家に週一で行ってるけど、「牛カレー」は大人気だよ。

メガネ:いやいやいや、松屋のカレーはカレー好きの間でも評判だし、昔からずっと旨いんだよ。

 と、お互い一歩も譲らない2人。牛丼屋のカレーでここまで盛り上がれるとは…と微笑ましく聞いていたのですが、昼時だったこともあり、電車を降りたら俄然、牛丼屋のカレーが食べたくなりました。


イエローカラーの松屋。牛めしも美味しいが、カレーの旨さにも定評がある

 加えて、キャップとメガネのどっちの言い分が正しいのか確かめたくもあります。というわけで、すき家の「牛カレー」、松屋の「カレギュウ」、それぞれを食べ比べてみることに。


赤と黄色のおなじみ「すき家」。看板にも牛丼・カレーと書いてある

 ただ、松屋→すき家と1軒ずつハシゴして食べ歩くと、時間の差と満腹具合により違いがハッキリしない気がしたので、それぞれテイクアウトして一気に検証することにしました。

いざ、松屋とすき家の牛丼カレー決戦開幕!


松屋の「カレギュウ」680円

 そんなわけで、松屋&すき家の2軒をハシゴしてテイクアウトして帰宅。松屋は牛丼とカレーが一緒になった正式名称「オリジナル カレギュウ」並盛680円。対するすき家は「牛カレー」という商品名で700円でした。

 ちなみに松屋の牛めしは380円、すき家は400円なので、カレーが入る分、どちらも300円も高くなるんですね。牛丼屋のカレーって思いのほか高いんだな…と言うのが、正直な感想です。ともあれ、いざ食べ比べてみることにしました。


左が松屋の「オリジナルカレギュウ」680円、右がすき家の「牛カレー」700円

 まず、ビジュアルからチェック。テイクアウト容器の形状からしてずいぶん違いますね。松屋の「カレギュウ」は3段重ねの容器で、下からごはん、カレーソース、肉。他方、すき家の「牛カレー」は、大きめの容器の半分にごはんと肉がのっており、中二階のようにハマっている黒い容器にカレーソースが入っています。


左3つの容器が松屋の「カレギュウ」、右の大きな容器がすき家の「牛カレー」

 今回は「カレギュウ」と「牛カレー」を比べるので、まずは肉から比較します。松屋のカレギュウの肉は、ビローンと長く、おまけに煮汁を含んでいてみずみずしいタイプです。食べるとしっとりしていて、味は甘辛く、やや醤油が強め。

 一方、すき家の肉は、短い肉と長い肉が混在していて、松屋より煮汁が少なく、フワフワしています。食べると松屋同様に甘辛いですが、甘さが強め。


左が松屋の肉、右がすき家の肉。味も食感も全然違う

 次に玉ネギです。松屋は玉ねぎをくし切りにしているので、大きくてやや厚め。すき家は、千切りのような感じで細かく薄め。これまたずいぶん違います。

 そして、いよいよカレー。まず、松屋のカレーソースは色がやや黒みがかっていて、中に玉ねぎも入っています。一方、すき家は、色が松屋よりは自然なカレー色をしていて、目には見えませんが、舌の上でザラザラと細か〜い肉の食感を感じます。


左の松屋のカレーは玉ネギの存在感がスゴい。右のすき家のカレーには、細かな肉が入っています

 ちなみに、添えられた福神漬けも方向性がかなり異なります。松屋は色が濃くて塩辛いタイプ。すき家は王道の甘い福神漬けです。

 いずれにせよ、今回の検証で最も大事なポイントは、カレーと牛丼の牛肉を一緒に食べてどうなのか? ということです。何しろカレー×牛丼で出来ているメニューなわけですから。ということで、ごはん、肉、カレーソースを一緒に食べて比較します。

スパイス尖り系と、スパイスまろやか系


松屋のカレーソースは黒々としています

 さっそく松屋の「カレギュウ」から実食。黒くてとろりとしたカレーソースを口にした途端、ガツンとニンニクの香りとコクが襲ってきます。そして牛丼屋さんのカレーとは思えないキレッキレのスパイス感。予想以上に本格的でしっかり辛く、どことなくウスターソースのようなツンとした感じも。

 無理やり例えると、いわゆる南インド系のカレーが今ほど一般的ではなかった頃に、カレーづくりが趣味の人が自宅でスパイスを調合して作っていたような、割に尖った欧風カレーソースといった印象です。ご飯と一緒に食べるとそのツンとした感じが少し穏やかになって、濃厚さが際立ちます。


松屋の牛めしとカレーは合うのか?

 ただし、玉ネギと煮汁多めの牛めしの肉と一緒に食べてみると、カレーのインパクトが強烈すぎて、牛めしの肉の旨さをすべて消し去ってしまいます。むしろ、くし切りした玉ネギが大きすぎて口の端に当たって汚れたり、肉の脂身がモニョモニョと残ったりするのが気になります。

 だったらカレーライスだけで食べたほうが美味しいし、牛めしは牛めしとして食べたほうがイイ。つまり、カレーは優秀だけど、牛めしと一緒に食べるとイマイチかも、というのが正直な感想でした。


すき家の「牛カレー」700円

 続いて、すき家の「牛カレー」も食べてみます。こちらは松屋に比べるとカレーの色は黒くはありませんが、とろみ具合はほぼ同じ。

 そして、まずはご飯にだけかけて食べてみると、穏やかな味で、さほど辛くはありません。とはいえ、スパイス感はちゃんとあります。松屋ほど尖ってはおらず、バランスが取れたスパイス使いです。そして、カレーソースの中に入っている細かな肉のダシでしょうか、まろやかなコクも感じられ、なんとなくシチューのような雰囲気も漂わせています。松屋に比べると、万人受けするタイプと言えると思います。


すき家のカレーと牛丼は合うのか?

 そのカレーとご飯だけでも十分に美味しいのですが、肉も一緒に食べてみると馴染み具合もけっこうイイ! まさしく“牛カレー”という名前にふさわしいトッピングです。また、松屋に比べると、玉ネギが小さくてクタクタしているのも、筆者にとっては主張が強すぎず、いい感じだと思いました。

検証結果

 というわけで結論です。松屋のカレーは美味しいけれど、牛めしにかけて「カレギュウ」にしてもカレーが強すぎて牛肉の良さが伝わってこない。一方のすき家は、カレーも美味しいうえ、牛丼にかけて「牛カレー」にしても食べやすく違和感がない。全体的なバランスが良いこともあって、すき家のほうに軍配を上げたいと思いました。もちろん、あくまでも個人的な感想です。

 というわけで、冒頭のキャップ男子とメガネ男子のように、牛丼屋カレー論争は好みもあるのでなかなか決着をつけるのは難しいところ。みなさんはどちらの牛丼カレーが好きですか?

(撮影・文◎土原亜子)

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