今年の漢字、2024年は「金」5回目の選出

2024年12月12日(木)14時48分 リセマム

2024年の今年の漢字

日本漢字能力検定協会は2024年12月12日、今年の世相を漢字一字で表す「今年の漢字」を京都の清水寺で発表した。2024年の漢字は「金」。これは2000年、2012年、2016年、2021年に続く5回目の選出である。日本漢字能力検定協会が行った投票で、1万2,148票を獲得し、全体の5.47%を占めた。

 「今年の漢字」は毎年、日本漢字能力検定協会が個人や学校、企業、団体から選出するもので、2024年は22万1,971票が集まった。「今年の漢字」は、その年の社会で起きた出来事を振り返り、漢字1字で表現することを目的としている。1995年に始まったこのイベントは、漢字の素晴らしさや奥深さを伝えるとともに、社会の動向を反映するものとして広く親しまれている。

 1位に選ばれた「金」は、スポーツ界での輝かしい成果を反映している。パリオリンピック・パラリンピックでは、日本人選手が数多くの金メダルを獲得し、国民に感動を与えた。また、大谷翔平選手がメジャーリーグで50-50を達成し、3回目のMVPを獲得するなど、値千金の活躍を見せた。さらに、佐渡金山が日本で26件目の世界遺産に登録され、新紙幣の発行も話題となった。

 一方で、「金」は政治や経済の問題をも象徴している。政治とカネを巡る問題が政局を揺るがし、衆議院議員選挙では与党が過半数割れとなった。また、全国で闇バイトによる金品強奪事件が多発し、多くの国民が不安を抱えている。加えて、物価高騰が続き、家計を圧迫する状況が続いている。

 2024年の「今年の漢字」トップ20には、「金」に続いて「災」「翔」「震」「新」などがランクインした。「災」は、能登半島地震や異常気象による災害が続いたことを反映している。「翔」は、大谷翔平選手の活躍に触発された人々の願いが込められている。「震」は、地震や政局の変動を象徴し、「新」は新紙幣の発行や新たな記録の達成を示している。

 「金」が選ばれた理由には、ポジティブな出来事とネガティブな出来事の両方が含まれている。パリオリンピックでの金メダルラッシュや佐渡金山の世界遺産登録といった明るい話題がある一方で、政治資金問題や物価高騰といった課題も浮き彫りになった。2024年の「今年の漢字」は、スポーツや文化、政治、経済といったさまざまな分野での出来事を反映し、国民の関心を集めた。

 過去の「今年の漢字」を振り返ると、社会の変化や出来事がどのように漢字に反映されてきたかがわかる。1位から20位までの漢字を見直すことで、当時の社会情勢を思い起こすことができる。

◆2024年「今年の漢字」トップ10
1位「金」12,148票(5.47%)
2位「災」9,772票(4.40%)
3位「翔」7,487票(3.37%)
4位「震」7,427票(3.35%)
5位「新」6,545票(2.95%)
6位「選」6,071票(2.74%)
7位「変」6,027票(2.72%)
8位「暑」5,674票(2.56%)
9位「楽」4,562票(2.06%)
10位「米」4,335票(1.95%)

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