東京で一度は行ってみたい至極の「オーセンティックバー」4選
2019年12月28日(土)12時0分 食楽web
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気のおけない友人や恋人と美味しい食事を楽しんだあと、「さあ、2軒目はどうする?」となったとき、素敵なバーにスッと案内できる人は、どれだけいるでしょうか? 大人たるもの、そんな切り札的な1軒をエリアごとに押さえておきたいもの。
というわけで今回は、知っていて絶対に損しない東京のバーを4軒、ご紹介しましょう。
世界最高峰の1杯が楽しめる『Bar 石の華』(渋谷)

再開発が進む渋谷で行ってみたいのが、『Bar 石の華』。渋谷駅東口から徒歩5分ほど、ビルの地下一階にある静かなバーです。定評のあるクラシックカクテルから、毎月変わるオリジナルカクテルまで、すべてが高水準なオーセンティックバーです。
オーナーバーテンダーの石垣忍さん。国際的な美術展、老舗高級ブランドのオープン記念等でイメージカクテルの考案に当たるなど、多方面で活躍
オーナーバーテンダーの石垣忍さんは、2005年に行われた、国際バーテンダー協会公認の世界大会に日本代表として出場し、最も権威のあるシニア部門(29歳以上)において優勝も果たした、日本を代表するバーテンダーの1人です。そんな石垣氏が作り出すカクテルは、味わう人に「もう他店には行けないかも…」と思わせるほど繊細です。
「マティーニ」1480円。バーの個性や実力がわかると言われるカクテル
同店でぜひ飲んでもらいたい一杯が、カクテルの王様「マティーニ」。ドライジンとフレンチベルモットを合わせた、透明感のある一杯です。ほどよい苦味と爽やかな香りは、まさにキング・オブ・カクテルの趣があります。
「食前でも食後でも、どんなシーンでも、時間をゆっくり楽しむような感じで過ごしてもらいたいです」と語る石垣さん。
『Bar 石の華』は、毎月メニューが変わるので、クラシックカクテルはもちろん、マンスリーカクテルで旬を感じるのもオススメです。
●SHOP INFO

店名:Bar 石の華
住:東京都渋谷区渋谷3-6-2 第2矢木ビル B1
TEL:03-5485-8405
営:18:00〜翌2:00
休:日曜、祝日
※チャージ料金500円。2019年10月以降価格変更の場合あり
ビンテージウイスキーが秀逸な『bar cafca.』(原宿)

外苑前〜表参道駅間のほぼ中間あたりの小道沿い、階段を降りた地下にある『bar cafca.(バー カフカ)』。間接照明でほの暗い店内は、しっとりと落ち着いた雰囲気。近所に有名なレコード会社があることもあって、音楽関係者もよく訪れる隠れ家バーです。
こちらで味わいたいのが、オーナー・佐藤博和氏が20代の頃から集めているという、ビンテージのウイスキーやスピリッツ。いずれも、生産中止のものや、造り方が変わって現行品とは味が異なる希少なお酒ばかりです。それを、これまたビンテージのグラスで楽しむことができます。
オーナーの佐藤博和さん。氏のカクテルをつくる美しい所作にも注目です
まずは飲んでもらいたい一杯は、佐藤さんがオススメするウイスキーのストレート。この日は、スコッチウイスキーのハイランドパークをセレクトしてもらいました。スコットランド最北端の蒸留所で造られるシングルモルトウイスキーで、70〜80年初期のビンテージボトルです。
「ハイランドパーク12年」4500円
スモーキー&フルーティーで、大麦の麦感もある、馥郁(ふくいく)とした味わい。店内にBGMはなし。客の話し声や、佐藤さんが飲み物を作る音だけが響きます。大切な仲間や恋人など、大事な人といいお酒を飲みたい時にぴったりのバーです。
●SHOP INFO

店名:店名:bar cafca. (バー カフカ)
住:東京都港区南青山3-5-3 ブルーム南青山 B1F
TEL:03-3470-1446
営:15:00〜24:00
休:火曜
※チャージ代1000円
極上の薬酒のカクテルが味わえる『Bar Ben Fiddich』(新宿)

JR新宿駅から徒歩10分ほど、西新宿のビルの9階に、『Bar Ben Fiddich(バー・ベンフィディック)』はあります。老舗出版社、ウィリアム・リード・ビジネス・メディア社が発表する「アジア最高のバー50」に毎年ランクインするなど、海外からも評価の高いバーです。
バーテンダーの鹿山博康氏。棚にはお酒のほか、植物や実を漬け込んだ瓶が並び、まるで錬金術師の部屋に迷い込んだかのよう
最大の魅力は、壁一面に並ぶ薬草・香草酒の数々。自家製の薬酒を用いてつくり出す極上のカクテルは、いずれも大胆な独創性を感じさせるものばかりです。
「自家製SUZE(スーズ)トニック」1300円
オススメは「自家製SUZE(スーズ)トニック」。SUZEとは、リンドウ科の植物であるゲンチアナの根から造られるフランス産のハーブリキュールですが、こちらの「SUZE」はなんと自家製。ゲンチアナの根を高純度のアルコールや柑橘類のピール、スパイスなどで一ヶ月寝かせて造るそうです。まさに唯一無二の一杯といえます。
そのほか、「アブサン」、「ウニクム」、「キハダトニック」などこのお店でしか味わえない薬草・香草酒の数々が揃います。
●SHOP INFO

店名:Bar Ben Fiddich(バー・ベンフィディック)
住:東京都新宿区西新宿1-13-7 大和家ビル 9F
TEL:03-6279-4223
営:18:00〜翌3:00
休:日曜、祝日
新鮮なフルーツカクテルが評判の『LAND BAR artisan』(新橋)
少人数で静かに酒を酌み交わすのに適した、和やかで落ち着いた雰囲気
サラリーマンの聖地・新橋で、昼14時から営業しているのが『LAND BAR artisan(ランドバー アルチザン)』。古いビルの地下にあるカウンター6席の名店です。オーナー・伊藤大輔氏は、バー業界では“職人”として高く評される名バーテンダーの一人。
オーナーの伊藤大輔さん。銀座の名店『スタア・バー』から同じ銀座の『ランド・バー』へ。2014年に新橋に移転
とりわけ定評があるのが、季節の果物や野菜などを搾ってつくる、季節感を感じるカクテル。
例えば、桃太郎トマトを搾り、ウォッカと合わせて黒胡椒を振った「ブラッディーメアリー」。トマトジュースのようなドロッとした感じはなく、生トマトならではの、軽やかでフレッシュなトマトの味わいが広がります。ウォッカだからアルコール度数は高めですが、思わずゴクゴク飲みたくなる美味しさです。
「ブラッディーメアリー」1500円。カクテルなのにヘルシーな美味しさ
野菜や果物は搾りたてにこだわり、素材の良さ、味の違いをわかってもらえるように作っているとのこと。カウンターには常に旬の野菜や果物が置いてあるので、それを選んでお任せでカクテルをつくってもらうのも最高です。
完璧な状態でサーブされる、美しさと美味しさを兼ね備えた、まさに職人技を体験できるバーです。
●SHOP INFO

店名:LAND BAR artisan(ランドバー アルチザン)
住:東京都港区新橋3-15-6 村上ビルB1F
TEL:03-3433-4322
営:14:00〜00:00(L.O.)
休:日曜
(撮影◎小嶋裕、島本絵梨佳、宮川朋久)