無くならないパワハラの数々「入社2日目から怒鳴り・無視・非難受けて1か月我慢して退職した」
2019年2月14日(木)18時19分 キャリコネニュース

先日、市役所に行ったら、鼻毛が出ているおじさんが、部下と思しきおばさんに、物凄い嫌味な言い回しで叱責しているのが目に付いた。僕なんかより10も20も年上であろうこのおばさんが、なんでああまで嫌味を言われていたんだろうと、他人事ながら悲しくなった。
僕自身は個人事業主なのでパワハラを仕掛けてくる相手がそもそもいないけど、周囲の知人友人には被害者がチラホラいる。当たり前に無視をされたり、嫌がらせで閑職に追い込まれたり、それでも意固地になって机にしがみついて働いている人がいる。ふと見渡せば、現実世界でもネットでも、パワハラに疲弊した人々の声で溢れている。(文:松本ミゾレ)
「上司に大勢がいる前で『おまえはクソだから死ね』って面と向かって怒鳴られる」パワハラを語る上で、5ちゃんねるのちょっと古いスレッドの話をさせていただきたい。2017年7月に立った「パワハラについて語るスレッド」。これに実に様々なパワハラの被害者の声が書き込まれていた。書き込みのいくつかを紹介したい。いや、もう本当にキツい境遇にある人々の声ばかりなのだ。
「入社2日目からパワハラモラハラで怒鳴り・無視・批難受けて1か月我慢してたけど退職。現在体調不良で起き上がれないし1か月前より4キロ痩せた」
「ヘルメット抉れたり骨にヒビ入るくらいの暴力、真冬にびしょ濡れにされる、重機で吹っ飛ばされる、免許の更新に行かせてもらえない、見た目の貶し、他にも書ききれないくらいある」
「社内で勝手に『これはパワハラにはあたらないよ』って判断して『そういうことで』って証拠集める事まで封じられてしまったよ。パワハラしてた側は処罰される事もなくのうのうとまた他の人間をいたぶっていくのかと思うと腹が立つ」
「上司から仕事をもらえず、何も指示してくれないのってパワハラ?こちらから聞いても特に何も言ってくれない。思い切って聞いたら『忙しいから教えてる暇がない』って言われた。(中略)もう4か月も毎日掃除と雑務しかしてない。ずっと放置」
「上司に大勢がいる前で『おまえはクソだから死ね』って面と向かって怒鳴られるんだ」
常々思うけど、職場に人面獣心の如き上司とかがいると、もう本当に最悪だよね。部下をパワハラしてもヘラヘラできるような人間がいる環境で、効率良く働けるはずないもの。自殺を選ぶ被害者だっているのに、パワハラする側に自覚がない場合だって多いし。
パワハラを目撃したら被害者に手を差し伸べる勇気をそして今回のスレッドには、こんな書き込みもある。
「パワハラ課長は、必ず人目につかないところに連れ込んでから、怒鳴ったり嫌味な説教してきた。パワハラの張本人が一番、証拠が残らないように注意してたな」
パワハラを仕掛ける側は、その証拠が容易に発見されないように注意している節があるということだ。これは恐ろしい悪知恵である。証拠が押さえられなければ誰も諌めることはできないし、被害者の訴えにも半信半疑にならざるを得ない。終いには被害者が"ちょっとおかしい人"扱いされることにも繋がりかねない。
これを防ぐには、パワハラ被害者も知恵を働かせる必要があるのではないだろうか。パワハラの証拠をどうにかして手に入れれば状況は変わってくるだろうし。何か暴言を言われそうな雰囲気を感じたら録音するとか、そういう自衛も必要かもしれない。
「正当に訴えたら受け付けてくれるよ」と、労基や相談所に電話することを勧める人もいた。労基署が相談内容を精査した後、会社に電話が来る場合もあるが、「その時、電話してもらう相手をパワハラ相手の上司に設定しておくこと」とアドバイスしていた。
それから、もしあなたがパワハラを発見したら、被害に遭っている人に手を差し伸べる勇気も必要ではないだろうか。繰り返しになるが、パワハラが原因で自殺する人が現実に発生している。こんな辛い最期もない。それを防ぐ可能性がちょっとでも高くなるためのアクションは、地道に展開していくべきだ。
職場の人間関係ごときで苦しむなんて、本来バカげていることなんだし。
関連記事(外部サイト)
注目されているトピックス
-
なぜか職場がダメになる「管理職に向いていない人」の意外な特徴・ワースト3
ビジネス環境や働き方が大きく変化する中、働く現場では「人と組織」をめぐる課題が複雑化している。近年では、個人の学習・変化を促す「人材開発」とともに、「組織開発」…
5月4日(日)6時45分 ダイヤモンドオンライン
-
50代は夫婦関係を見直すラストチャンス…和田秀樹「『妻は稼ぎがないから』と思い込む男性を待ち受ける罠」
いくつになっても健康に生きるにはどうすればいいか。医師の和田秀樹さんは「自分のためにお金を使って楽しんでいる人のほうが要介護になりにくい傾向がある。自分の欲望に…
5月4日(日)7時15分 プレジデント社
-
「60億円儲かる裏ワザ」のレポート
統計学の解説書ながら42万部超えの異例のロングセラーとなっている『統計学が最強の学問である』。そのメッセージと知見の重要性は、統計学に支えられるAIが広く使われ…
5月4日(日)7時35分 ダイヤモンドオンライン
-
「大人になってからの友達って、どう作るの?」人気精神科医の答えが深すぎた
YouTubeチャンネル「精神科医がこころの病気を解説するCh」で、メンタルの病気について発信し続けている、早稲田メンタルクリニック院長の益田裕介医師。本記事で…
5月4日(日)6時50分 ダイヤモンドオンライン
-
日本各地でやりたい放題…海外から押し寄せる「迷惑系インフルエンサー」が起こした"もう一つの観光公害"
日本を訪れる外国人観光客が増えている。2024年には約3687万人で過去最高を更新。オーバーツーリズムやマナー違反の問題だけでなく、迷惑行為を繰り返す外国人イン…
5月4日(日)9時15分 プレジデント社
-
NHK大河「べらぼう」はこの大転落をどう描くのか…政権トップの座から地位も財産も愛息も失う田沼意次の失意
江戸時代後期の老中、田沼意次とはどんな人物だったのか。歴史評論家の香原斗志さんは「斬新な経済政策を矢継ぎ早に打ち出す有能な人物だったが、10代将軍家治が亡くなっ…
5月4日(日)9時15分 プレジデント社
-
「大人になったら学歴は関係ない」は本当か。学歴はキャリアにどのような影響を与えるのか
「大学受験」は10代における最大のイベントです。残念な側面でもありますが、いい大学にいけば、なりたい職業になれる確率は上がり、将来の選択肢は増えるのが現在の日本…
5月4日(日)6時35分 ダイヤモンドオンライン
-
【理系男子の株式投資】10年後、後悔しない「お金の思考法」
大学時代からアニメや声優が好きな“典型的なモテないオタクの理系男子”が、入社した会社でボーナスを貯めた300万円を元手に株式投資をスタート。元手300万円を2年…
5月4日(日)7時40分 ダイヤモンドオンライン