料理の味と家族の健康をサポートする:調味料計算アプリ「SaltMate」の開発ストーリー
2024年4月10日(水)9時50分 PR TIMES STORY
ノミヤマラボは「みんなの笑顔を、日常によりそう技術で」をモットーに活動する、フリーのソフトウェアエンジニアです。普段はクライアント企業のお手伝いをしていますが、このたび、自身発となるサービス、調味料計算アプリ「SaltMate」リリースいたしました。
SaltMateは、料理の味つけや塩分コントロールに役立つスマートフォンアプリです。「経済性」「味付け」「栄養バランス」といった、家庭料理にまつわるテーマをサポートします。
このストーリーは、毎日のご飯作りを任された一人のエンジニアが、とある調理手法に出会い、そして生まれたアプリ「SaltMate」の開発秘話です。
エンジニア、台所に立つ
フリーランスでソフトウェアエンジニアをしている野見山と申します。福岡のソフトウェア企業でエンジニアとして約25年、たくさんの方の支えもあって順調に続けてきましたが、40歳を過ぎたあたりから突発性難聴や冠攣縮性狭心症といったストレス性疾患に次々とかかり、最終的には仕事ができなくなってしまいました。
休業中は私が家事をする事になりましたが、職業柄、家事をどうにか効率よくこなせないか?と考えるようになります。特に料理については元々好きだったこともあり、簡単で美味しく、経済的で健康的な料理を作る方法を常に考えていました。
ロジカルクッキングとの出会い
そんなある日「水島シェフのロジカルクッキング」という本に出会います。ロジカルクッキングとは、著者である料理研究家の水島弘史シェフによって提唱された、人が「おいしい」と感じる曖昧な感覚を科学的なアプローチで具体化した調理手法です。
この手法の中の「人が美味しいと感じる最適な塩分は、料理の重量の0.8%である」という点に私は着目しました。
食べることが大好きな私は、料理の最大のリスクは味付けに失敗することだと思っていました。とにかく、美味しくないものでお腹が満たされる事がとても嫌なのです(笑)。しかし、失敗したくない一心でレシピどおりに作ろうとすると食材が微妙に余ったりして非経済的です。かといって、使いたい材料だけで作ってしまうと調味料の加減がわからず、味付けに失敗してしまいます。
ですが、この明確な法則を使えば、材料の重さを基準に調味料の量を出せばよいので、毎日の料理が失敗なく効率化されるはずだと考えました。
家族を笑顔にしたチャーハン
そこで早速、いつも作っているチャーハンの材料の重さを測り、水分蒸発量を考慮した0.7%の塩分で試したところ、魔法のように美味しくなりました。いつも私が作ったチャーハンには醤油をかけている中学生の娘も「今日のチャーハン美味しい」と言って、なにもかけずに美味しそうに食べてくれました。
それからというもの、ロジカルクッキングに感銘を受けた私は、作る料理はすべて材料の重さを測り、その0.6〜0.8%の塩分濃度に計算して料理をすることになります。
しかし、調味料が塩だけなら計算は簡単なのですが、「醤油と味噌と豆板醤」といった塩分濃度が異なる調味料を組み合わせるような料理は、毎回メモと電卓を使って複雑な計算をしていました。
SaltMate誕生
毎回の計算がめんどうだなと感じていた私は、「専用の調味料計算アプリがあれば良いのでは?」と考え、仕事も退職して時間もあったのでアプリを作ることにします。とにかく自分が便利に使えれば良いと思っていたので、この時はアプリを公開して自分のビジネスする事など全く考えていませんでした。
アプリの試作機ができると、これまでの面倒な計算が飛躍的に楽になりました。さらに、調味料の配合も保存できるように改良したことで、これが非常に便利なアプリであることに改めて気づきます。
このアプリを使えば、冷蔵庫に残った食材を無駄なく料理に使えますし、塩分を気にされている方は、味付けのバランスを保ったまま塩分を抑える事もできるのです。
多くの人にとって便利なツールになるであろうと考えた私は、スマートフォンアプリとして公開することにしました。
アプリの名前は「SaltMate(ソルトメイト)」と名付けました。
水島シェフに会いに行く
アプリを公開するにあたり、ロジカルクッキングの名称などの使用許可をいただこうと、著者の水島先生にメールを送ったところ、ロジカルクッキングや料理に対する先生の考えがたくさん詰まったお返事をいただきました。それを読んだ私は「これは実際にお会いしてもっと話を聞くしかない!」と感じ、福岡から東京へ会いに行きます。この時は病気やメンタルも回復して、以前のように動けるようになっていました。
実際にお会いすると、とても気さくな方で、先生の料理に対する並々ならぬ探究心を感じます。そして私もこのアプリを通じてロジカルクッキングも広めていきたいと思うようになりました。
先生からは、アプリ監修と専用レシピをご提供いただけることになり、また、先生が運営する料理教室も見学させていただきました。水島先生にはこの場を借りて御礼申し上げます。
水島弘史シェフ(左)と私
本格的なアプリの開発
福岡に戻って、本格的に開発着手します。とにかく簡単で電卓のように毎日使えるアプリを目指しました。通常のアプリ開発では、iOSとAndroidそれぞれ実装しなくてはいけませんが、すべての工程を一人で行う個人開発では時間がかかるため、MonacaというWebの技術で両方のアプリが作れるサービスを採用しました。これにより開発コストを大幅に削減できました。
2023年の9月にSaltMateをリリース。ダウンロード数はまだまだですが、リリース後も自分自身の日々の料理で使いながらブラッシュアップを続けています。今後は、レシピの共有やデータバックアップなどの機能を追加予定です。
家族のために料理する多くの方へ届けたい
他のプロジェクト案件も同時進行する状況の中で、実際に調理しながら試行錯誤を続けました。料理を中断してエプロンを付けたままプログラムを書き直したこともあります。
リリース後、ご病気で塩分を気にされているご家族の方から「大変役にたっている」とのご連絡を頂き、とても励みになりました。こういう言葉がダイレクトに響くのは、個人開発の醍醐味ではないでしょうか。
一方で「どう役にたつのかわからない」「使い方がわからない」というご意見を頂いているのも事実です。SNSやYoutubeでメリットや詳しい使い方を発信していきたいと思います。
私が病気をして休業しなければ、おそらく SaltMate は生まれなかったでしょう。サラリーマンからフリーランスに転身するという人生の大きな転換期の中で、私にとって SaltMate は大きな存在となりました。
今後もこのアプリを大事に育てていきたいと思います。皆様の料理と健康のお役に立てれば幸いです。
アプリの詳細やお問い合わせは公式サイトをご覧ください。
https://saltmate.nomiyamalab.com/
アプリのダウンロードはこちらから。
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