最新データで「お酒を"飲める"女性のほうが結婚しやすい」理由とは…婚活カウンセラーが分析する成婚理由
2024年5月19日(日)8時15分 プレジデント社
写真=iStock.com/lielos
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/lielos
■結婚相談所連盟が出した「成婚白書」から読み取れること
少し前にX(旧ツイッター)でもバズっていた「成婚白書」。
私も一応、婚活業界に身を置く者として前のめりでデータを拝見させていただいた。
だが、「成婚白書」という題名なので婚活全体のデータなのかと思いきや、結婚相談所4000社の連盟として有名なIBJが定期的に発行している白書であり、あくまでそこで集められたサンプルということに注意は必要だ。
しかしながら、2023年の我が国の婚姻数489281組中、12527組がIBJで成婚しているらしく、いずれは20組に1組がIBJでカップリングするとなると、「少子化なんとかしなきゃ!」と迷走している政府関係者や「会員を何とかマッチングさせなきゃ!」と日々奔走している婚活業界の人間は無視できないデータなのである。
「成婚白書」の中で、個人的に「それな!」と膝を打ったデータは「男性の年収別・成婚相手との年齢差」のところだ。「男性の年収別に成婚相手との年齢差を比較すると、年収が上がるにつれてお相手との年齢差が大きくなる傾向がある。年収1000万円未満の場合は5歳差に留まり、1800万円を超えると7歳差ほどになる」には、私だけじゃなくて全国の結婚相談所仲人さんがうなずきすぎて「赤べこ」になったことだろう。
IBJ「成婚白書 2023年度版」
IBJ「成婚白書 2023年度版」
■年収1800万円以上の男性でも7歳下が限度という新基準
男性の年収が1800万円以上でも7歳差ほどなのだ。ここは「IBJ、もっと声を大にして言って!」レベル。何故なら、「超・歳の差婚」をしている男性の有名人や芸能人が多いせいか、10歳も20歳も年下の女性と結婚したいという婚活男性が結構いるからだ。ロリコンという訳ではなく、「子供が欲しいからとにかく若い女性が良い」とか「ずっと20代後半の女性とばかり付き合ってきたので」という理由を携えて来る彼らの中には、素敵な人も同世代女性には人気な人もいるというのに、そういう訳で彼らはマッチングが難しい。
ほとんどの婚活女性は「プラスマイナス5歳差まで」で相手を探しているので、例えば27歳女性はよっぽどの理由がないかぎり、32歳男性がギリだ。その「よっぽどの理由」の大きな一つが「年収」な訳だが、今回、そのラインが無事に提示されたので、これから婚活の現場で「1800万円以上で7歳差」は仲人さんトークとして使い倒されることであろう。それぐらいに、取り持つ仲人さん達はこの手の希望を持つ男性の説得に骨が折れたり歯がゆい思いをしたりしているのだ。「お相手の希望年齢をもっと上げれば絶対に成婚するのに。ああ、もったいない」と。
■男女ともにお酒を飲む人の方が下戸より結婚しやすい
そして、私が最も興味深かったデータは、「『飲酒』と成婚しやすさ」だ。男女ともに飲まない人より飲む人の方が成婚しやすいという結果である。
この結果は、自分が若いころから常々不思議に感じていたことだったため、思わず「やっぱり???」と瞳孔全開で見てしまった。そもそも筆者は若い頃酒豪だったので、デートと言えば酒。っていうか酒を介在しないでどうやって恋愛が発展するのか教えてほしいとさえ思っていた。
おまけに、完全に私個人の“当社比”だが、周囲を見渡すと「結婚願望があったのに結婚しなかった女性」に下戸が多く、「結婚願望がなかったのに結婚した女性」に酒飲みが多いのだ。もちろん、お酒が苦手で幸せな結婚をしている人たちもいっぱいいるからこの件はどうか噛(か)みつかないでほしい。あくまでも私という酒飲みの周囲限定のお話だからだ。その上でこのデータを推測すると、これはきっと「自己開示」の問題なのだろうなぁと思う。
IBJ「成婚白書 2023年度版」
■酔って「自己開示」できると交際につながりやすいのでは
成婚白書によると、通常、恋愛結婚の場合はお付き合いから3、4年で結婚をしていくのだとか。ところが、IBJ会員は平均して初お見合いから4カ月で結婚を決めている。結婚相談所はたいてい3カ月以内に真剣交際と双方が決めるルールがあり、延長したとしても最長6カ月というのがほとんど。恋愛結婚が3、4年かけて見極めるところを3カ月以内のデートで将来の伴侶を決めるのだ。だから、このルール期間内に「いかに自己開示できるか」「自己開示してもらえるか」が鍵になる。
私に来る、結婚相談所に入会している女性からの一番多い相談は「お見合いした人がとても良い人ではあるが本当にこの人なのかイマイチわからない」「3カ月で決められない」という内容である。それゆえに貴重なデート日にお相手の情報を集めようと面接官や取調官口調になってしまう女性も枚挙にいとまがない。
また、仮交際中は、こちらが選んでいると同時に相手からも選ばれている訳だから当然緊張するし、余計なことは言わないようにしようと思うのは当然だ。でも結果、理性でがちがちだから素直な自分が出せないし、互いに心が交わせないということになる。そんな時にお酒は、良く知らない同士の距離を縮めたり、互いに自己開示を促したりする役割を果たしているのではないだろうか?
■飲酒はもろ刃の剣、デートのときはビール1杯ていどに
私もかつて、初デートの相手と仲良くなったり、今までよく知らなかった仕事相手と飲んで意気投合したりした経験はごまんとあるので、このデータを見た時は「おお!」と指が震えた(アル中ではない)。
ただ、「婚活☆飲みデート」の際、気を付けてほしいのは、酒の量である。個人差が大きいので一概には言えないが酔いにはステップがある。
①爽快期(陽気になる、リラックスする、判断が少し鈍る)500mlビールだと1杯未満
②ほろ酔い期(手の動きが活発になる、体温が上がる、理性が失われてくる)1~2杯
③酩酊初期(気や声が大きくなる、立つとふらふらする)3杯
④酩酊期(千鳥足、話をリピートする、吐き気がおこる)4杯~6杯
⑤泥酔期(ろれつが回らない、意識がはっきりしない、ちゃんと立てない)7杯~10杯
⑥昏睡期(起こしても起きない、排泄物を出してしまう、救急車搬送)10杯以上
前述したとおり、婚活において「酒が飲める」のは有利なのだが、デート中は①~②ぐらいまでにとどめてほしい。
写真=iStock.com/yamasan
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筆者は若かりし頃のデートで、常に泥酔期以上飲んでいたため「自己開示」どころか「ほぼ自白」「懺悔」レベルで余計なことを話したり、デート相手が酔って倒れたり、行方不明になったりしたこともあり、酒でなくした信頼や恋もある。酒はもろ刃の剣(つるぎ)なのでくれぐれも取扱いには注意して欲しい。
■お酒を飲まなくてもリラックスして自分を出せる状態が理想
だから本当は、素面(しらふ)で適度な自己開示ができるようになるのが良い訳で、スキルアップもさることながら、リラックスできる店や場所を選んだり、二人で焚火や星を見たり、互いが素直に話せるムード作りが一番重要なのかもしれない。
お見合いおばさんやお見合い上司がいなくなり、恋愛結婚や職場結婚も風前の灯火の令和ジャパン。
今や結婚したい人にとって「婚活」は当たり前になった。そして、結婚したいと思ったなら一日でも早く行動を起すのが吉である。結婚相談所やアプリ、お見合いパーティ、趣味の集い、街コン、友人の紹介など色々あるので、自分に合った方法に迷ったら気軽に相談してみてほしい。また、知らない人とやり取りしたり、会ったりするのは最初はストレスになるかもしれないが、自己開示を心がけて、ぜひとも「たった一人の伴侶を探す旅」を楽しんでほしいと筆者は願っている。
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川崎 貴子(かわさき・たかこ)
リントス代表取締役
1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社・ジョヤンテを設立。2016年より、働く女性の結婚サイト「キャリ婚」を立ち上げる。婚活結社「魔女のサバト」主宰。著書に『我がおっぱいに未練なし』『私たちが仕事をやめてはいけない57の理由』など。■川崎貴子のカウンセリングルーム
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(リントス代表取締役 川崎 貴子)
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