覚醒剤使用巡る静岡県警の捜査「重大な違法」、男性に無罪判決…静岡地裁

2025年5月1日(木)22時43分 読売新聞

静岡地裁

 覚醒剤取締法違反に問われた70歳代の男性の判決で、静岡地裁(谷田部峻裁判官)が、県警による採尿過程の捜査を違法と判断し、無罪を言い渡していたことがわかった。判決は3月17日付で、4月1日に確定した。

 判決によると、男性は2023年2月、焼津市内で焼津署の警察官から職務質問を受けた際、警察官が裁判所に請求した令状に基づき尿を差し押さえられた。

 谷田部裁判官は、警察官が令状を請求するための報告書に、男性がかたくなに注射痕の確認を拒否していると、事実と異なる内容を記載していたと認定。令状執行のために男性を約4時間留め置いたことも「任意捜査として許容される範囲を逸脱した違法なもの」と指摘し、「一連の捜査手続きには重大な違法がある」と断じた。

 県弁護士会の村松奈緒美会長は1日、静岡市内で記者会見し、「違法に証拠を作り出す行為は司法全体の信頼を失わせる。事実と違うことを捜査報告書に記載することは、証拠の捏造ねつぞうとも評価できる」とし、県警や静岡地検に対する抗議声明を発表した。

 県警は「判決内容は承知している。法と証拠に基づく捜査を徹底するよう指導する」とのコメントを発表した。

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