養殖魚のエサ「ミールワーム」量産へ施設設置…愛媛大など、魚粉飼料よりマダイの歯ごたえ増す

2025年5月2日(金)15時33分 読売新聞

ミールワームを選別する装置(松山市で)

 愛媛大と大日本印刷(東京都)は、マダイなど養殖魚のエサとなる昆虫「ミールワーム」を量産する施設を、同大樽味キャンパス(松山市)に設置した。施設利用は4月に始め、10月に本格稼働する。飼育の自動化を目指し、持続可能な養殖漁業に取り組む。

 同大などは、養殖魚の飼料となる魚粉の価格高騰を受け、量産が可能な昆虫に着目。ミールワームは、イエバエやミズアブなどと比べて清潔な環境で飼育でき、魚の嗜好しこう性も高いことから採用した。宇和島市で実証実験を行い、飼料の1割をミールワームの粉末に置き換えたところ、魚粉飼料で育てたマダイよりも身の歯ごたえが増したほか、色が鮮やかになったという。

 量産施設には、エサや水を自動で与える装置などがある。自動飼育の検証を重ね、2025年度中にミールワーム粉末3トンの生産を目指す。少しずつ規模を拡大し、28年度の商業化を目標にしている。また、飼育過程で大量に出るふんも、吸着性の高い活性炭として活用できるという。

 同大の三浦猛教授(水産生理学)は「養殖業を支えるため、エサの生産は不可欠。ミールワームを飼育し、エサとするシステムは持続可能性を高めることにつながる」と話した。

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