海鳥552羽が根室で大量死、ウミガラスなど希少な鳥の死骸も発見…鳥インフル感染か「確認は氷山の一角」
2025年5月2日(金)7時10分 読売新聞
北海道
北海道根室市で3月から4月末にかけて、海鳥552羽とゼニガタアザラシ6頭の死骸が確認された。市はいずれも高病原性鳥インフルエンザウイルス感染の疑いが強いとみており、これから繁殖期を迎えるカモメ類などに拡大する可能性があるとして警戒している。
調査は、市学芸員、日本野鳥の会レンジャーなどによる調査グループが独自に実施。3月中旬から、オオセグロカモメやウミネコなどの海鳥の死骸を見つけた。ウミガラスやウミスズメ、ケイマフリといった希少な鳥の死骸も見つかり、高病原性鳥インフルエンザの感染を確認した。4月に入ると、根室市の太平洋側を中心とした海岸などで200羽以上のエトロフウミスズメの死骸が見つかった。
これまで見つかった海鳥552羽のうち、検査した二十数羽のほとんどで感染を確認。ゼニガタアザラシは6頭の死骸と衰弱個体が見つかり、検査した4頭のうち2頭の感染がわかった。調査にあたる根室市歴史と自然の資料館の外山雅大学芸員は「把握している感染確認は氷山の一角。これから海鳥が繁殖地に集まってくるので、そこでの感染状況を注視し、警戒を続ける必要がある」と語り、「人間への感染リスクは低いが、弱ったり死んだりしている野鳥には決して触れないように」と呼びかけている。