【精神科医が教える】「こんなに頑張ってるのに…」努力が報われないとき、心がスーッと軽くなる“たったひとつの考え方”
2025年5月21日(水)6時45分 ダイヤモンドオンライン
【精神科医が教える】「こんなに頑張ってるのに…」努力が報われないとき、心がスーッと軽くなる“たったひとつの考え方”
誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で元気が湧き出る言葉』(ダイヤモンド社)など、33万部突破シリーズの原点となった『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!
Photo: Adobe Stock
良いものが評価されるとは限らない
今日は、「良いものが評価されるとは限らない」というお話をしたいと思います。
世の中には、ものづくりをしている人、本を書いている人、サービスを提供している人、誰かに何かを教えている人など、さまざまな形で価値を生み出している人がいます。私自身もそのひとりです。
そうした中で、やはり自分と同じようなことをしていて、うまくいっている人を見かけると、つい参考にしたり、比べたりしてしまうことがあります。
でもそのときに、やはり大事なのは「良いものが必ずしも売れるわけではない」「評価されるわけではない」という前提を、ちゃんと心に持っておくことだと思うのです。
他人には言えても自分には言えない不思議
たとえば、他人が悩んでいるときには、「良いものが評価されるとは限らないよ」と、やさしく声をかけられるかもしれません。
でも、いざ自分のことになると、急に自信をなくしてしまう。「自分に問題があるんじゃないか」と思ったり、「自分では良いと思っているけれど、実は全然ダメなんじゃないか」と疑ってしまったりするのです。
人はつい悪い情報に引っ張られてしまう
そうなると、人間はどうしても悪いほうへ悪いほうへと考えてしまいます。一度「ダメなのかも」と思い始めると、それを証明するような情報ばかりを拾ってしまうんですね。
でも、改めて思い出したいのは、「良いものが必ずしも売れるわけじゃない」「良いものが必ずしも評価されるわけじゃない」という現実です。
プロモーション・タイミング・運——さまざまな要因がある
たとえば、ものすごくおいしいお店なのに、なぜかいつも空いていることがありますよね。あるいは、実力があるのにまったく売れない商品や本だってある。
逆に、プロモーションが上手だったり、キャッチコピーが優れていたり、見た目が可愛かったりすることで、内容がそこそこであっても大ヒットするものもあります。
つまり、「売れる」「評価される」には、内容の良し悪しだけではなく、さまざまな軸——戦略やタイミング、運などが絡み合っているのです。
だからこそ自分の信念を大切にする
こうした中で、私たちができることは限られています。結局、自分にできるのは、「より良くしたい」という気持ちで工夫を続けたり、「自分のやりたいこと」を誠実に追求したりすることだけです。
うまくいかないときには、投げ出したくなることもあるでしょう。でも、それでも続けるしかないのです。時代の流れというのもあるからです。
報われ方は自分の想像とは限らない
ゴッホの絵は、生前に1枚も売れなかったと言われています(これが本当かどうかは別として)。でも、今では誰もが知る偉大な画家ですよね。
つまり、私たちが誠実に心を込めて取り組んだことは、たとえすぐには報われなくても、どこかで、何かしらの形で報われると信じていいのだと思います。
それは、必ずしも自分が思い描いた形ではないかもしれません。でも、自分が心を込めて取り組んだことを、一番よく知っているのは自分自身です。だから、「それでいい」と思える心のあり方も、大切だと思うのです。
他人に言う前に自分の心に刻む
「良いものが必ずしも評価されるわけではない」という言葉は、他人にアドバイスするためのものではありません。本当に大切なのは、それを自分の心の中にちゃんと持ち続けることです。
そして、自分の信念を貫くこと。それこそが、いちばん大事なことではないでしょうか。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。