斎藤知事、元県民局長の家族へ直接謝罪は「人事課で...」 私的情報漏れの「被害者」問われても名前言わず

2025年5月23日(金)18時8分 J-CASTニュース

兵庫県・斎藤元彦知事らを告発した元県西播磨県民局長(2024年7月死亡)の公用パソコンから私的情報が流出、SNSで拡散した問題が尾を引いている。

25年5月20日の定例会見で知事は、記者から、元県民局長の遺族に謝罪する意思があるかを何度も問われた。だが自身の意思は真正面から答えず、「これから検討」という趣旨の内容を繰り返した。

県民には「大変申し訳なく思っております」

私的情報の漏えい問題は、前週(5月15日)の知事定例会見でも、複数の記者から質問がとんだ。不正な方法でインターネット上に流出した情報について、県は削除要請をしないのか問われた斎藤知事だったが、「慎重に検討」「ハードルが高いと聞いている」と述べ、即座に要請するとは断言しなかった。

20日の定例会見で記者が追及したのは、亡くなった元県民局長の遺族に対して知事に謝罪の意思があるか、ないかだ。

16日の県議会総務常任委員会で、「県として正式に、知事から遺族に謝罪すべき」との指摘があったことを踏まえて記者が質問すると、「県の情報が漏えいしたこと」については、県民に心配をかけたとして「大変申し訳なく思っております」と述べた。

だが記者が聞いたのは「元県民局長の遺族」に対しての謝罪についてだ。同様の質問を繰り返して知事に迫るが、「県としてどういう対応をしていくか、これから検討」「さまざまな対応をしていく」と正面から答えない。3、4度こうしたやり取りののち、

「お相手のある話ですから、どうやって対応していくかは、これから人事課などを中心に考えていくということです」

と述べた。「申し訳ない」という言葉は遺族に向けたものか聞かれると、「県民の皆様にご迷惑をかけた」として、「イエス・ノー」のどちらかは言わなかった。

「削除要請すれば」には慎重姿勢

別の記者からは、情報漏れによる「一番の被害者は誰か」を問われた斎藤知事。ここでも2度、聞かれた。それでも具体名を口にすることはなく、「情報漏えいしたことは申し訳なかった」、「重く受け止めなければならない」という言い回しに終始した。

「組織トップとして県職員を守ろうという気概はあるのか」との質問も出た。「もちろん。皆さんが安心して働ける職場環境づくりが大事」と、ここでは明快な返答だった斎藤知事。だが続いて、誹謗中傷を受けている元県民局長について、「(流出情報の)削除要請をすれば済む話ではないか」と指摘されると、「法的な観点を含め、どのような対応ができるか検討」と、慎重姿勢を崩さないままだった。

兵庫県の第三者調査委員会は5月13日、元県民局長の私的情報流出は「県職員によって行われた可能性が極めて高い」と指摘した。県は容疑者不詳のまま、地方公務員法(守秘義務)違反容疑で県警に告発状を提出している。

J-CASTニュース

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