台風6号 離れた場所も油断禁物 ゲリラ雷雨・30℃以上の超熱帯夜・40℃超の恐れ

2023年8月5日(土)17時24分 tenki.jp

台風6号はUターン後もノロノロのため、沖縄・奄美は6日にかけて荒天に警戒。台風から離れた場所も油断禁物。台風周辺の湿った空気の影響で局地的に「ゲリラ雷雨」、フェーン現象で最低気温が30℃以上の「超熱帯夜」、「最高気温40℃超え」の恐れ。この先1週間は、台風から離れた場所でも災害級の大雨・猛暑・高波に厳重警戒が必要です。

ノロノロ台風6号 沖縄・奄美は荒天長引く 来週は西日本に上陸し縦断か

台風6号は、5日16時現在、徳之島の西の海上を、東へゆっくり進んでいます。「ゆっくり」とは、時速9キロ以下のことです。中心気圧は970hPa。中心付近の最大風速は30m/s、最大瞬間風速は45m/s、那覇など沖縄本島や奄美地方が風速25メートル以上の暴風域に入っています。
台風6号は、このあとも「ゆっくり(時速9キロ以下)」と、ジョギング並みの速度で東へ進み、6日(日)には沖縄地方や奄美地方にかなり接近する見込みです。その後、海面水温が29℃くらいと高いエリアを進むため再発達、7日(月)〜8日(火)には九州の南で再び「強い」勢力となる予想です。また、8日(火)には太平洋高気圧も強まるため、東へ進めず、進路を北へと90度変え、9日(水)〜10日(木)にかけて西日本に上陸、南から北へ縦断する恐れがあります。
沖縄地方や奄美地方では、あす6日(日)にかけて、暴風や高波・高潮・大雨に厳重警戒。台風の動きが遅いため、同じような場所で激しい雨が続き、線状降水帯が発生する恐れがあるとして気象庁は警戒を呼び掛けています。不要不急の外出は控え、屋内では窓から離れるなど暴風にも厳重に警戒して下さい。
また、週明け8日(火)〜9日(水)にかけては、九州(特に大分県・宮崎県・鹿児島県)などで、48時間雨量が600ミリ超えとなり(日本気象協会独自の「JWA統合気象予測(※)」)、既往最大比(※)が150%を超え、過去最大級の大雨となる可能性があります。既往最大比とは、対象期間内に予想される48時間雨量の最大値と、その雨量がそれぞれの場所において過去最大の降水量と比較して何%に達するのか、ということを示したものです。これが100%前後に達すると、甚大な被害の発生する可能性が高まり、150%を超えると犠牲者の発生数が急増する可能性があるという研究結果があります。
大雨災害に備えて、この土日に早めの備えをお願いします。
本情報は2023年8月5日の予測資料から作成したものです。最新の気象情報をご確認ください。
※ JWA統合気象予測:https://www.jwa.or.jp/news/2023/02/19157/
※既往最大比:解析雨量が1kmメッシュ化された2006年5月以降に観測された雨量の最大値との比のこと
※本間基寛,牛山素行:豪雨災害における犠牲者数の推定方法に関する研究,自然災害科学,Vol. 40,特別号,pp. 157-174,2021.

台風から離れた場所も油断禁物 ①ゲリラ雷雨

台風から離れていても、台風周辺の湿った風が本州付近に流れ込み、山にあたって局地的に雨雲が発達。台風の動きが遅いため、同じような場所でゲリラ豪雨が続く恐れがあるため警戒が必要です。
特に、九州や四国、紀伊半島など南東斜面を中心に雨雲が発達し、あす6日(日)〜10日(木)にかけて警報級の大雨の可能性があります。山で雷雨があると、下流の川は晴れていても急に増水することがあるため、外のレジャーはご注意下さい。

台風から離れた場所も油断禁物 ②最低気温30℃以上の超熱帯夜&最高気温40℃超え

きょう5日(土)は、福島県伊達市・梁川で最高気温40.0℃を観測し、今年初めて全国で40℃以上となりました。福島県内で最高気温が40℃以上になるのは統計開始以来初めてのことです。
この先は、台風の間接的な影響(フェーン現象)で、北陸〜東北を中心に、最低気温が30℃以上の超熱帯夜となる可能性があります。特に、9日(水)〜10日(木)は、台風が日本海を北上する可能性が高いため、災害級の高温が予想されています。北陸3県や新潟では所々で最低気温が30℃以上、最高気温は上振れすれば40℃超えの予想です。
ちなみに、高い最低気温の観測史上1位は、新潟県糸魚川市の31.3℃(2019年8月15日)。2019年8月15日は、台風10号の影響でフェーン現象が発生し、新潟県の4地点で最低気温30℃以上を観測、最高気温は三新潟県胎内市中条40.7℃、三条市40.0℃を観測しました。今回の台風6号も、2019年8月15日と似たコースをとるため、危険な暑さに警戒が必要です。
※熱帯夜:夕方から翌日の朝までの最低気温が25℃以上になる夜のこと(気象庁が定義)
超熱帯夜:日本気象協会が独自でつけた名称であり、気象庁が定義しているものではありません

台風から離れた場所も油断禁物 ③土用波・一発大雨に警戒

台風が近づくと波が高くなり、台風の中心付近では、波の高さが10メートルを超えることもあります。沿岸部では、大雨や暴風だけでなく、高波にも注意が必要です。
そこで、台風が近づいている時に、絶対にやってはいけないことは、海に近づくことです。海の様子を見に行ったり、サーフィンや釣りを楽しんだりすることは、高波にさらわれる恐れがありますので、とても危険です。
また、台風から離れていても、油断はできません。天気は穏やかなのに、台風から発生した「うねり」が届いて、急に高波が打ち寄せることもあります。夏の台風が原因となる場合、夏の土用のころから「うねり」が多くなることから「土用波」と呼ばれます。統計的には、100波にひとつ(目安は10分に1回くらい)は予報の高さの1.5倍、1000波にひとつ(目安は2時間に1回くらい)は、予報の高さの2倍の波がくるといわれています。
波浪警報や波浪注意報が発表されている時には、むやみに海に近づかないでください。

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