台風10号 猛烈な勢力で南大東島や奄美大島に接近へ 過去にない荒天のおそれ

2020年9月4日(金)22時55分 ウェザーニュース

2020/09/04 22:54 ウェザーニュース

9月4日(金)21時現在、非常に強い勢力の台風10号(ハイシェン)は、南大東島の南南東の海上を発達しながら西寄りに進んでいます。
今後も発達を続けて、5日(土)には猛烈な勢力となる予想です。5日(土)夜には最大瞬間風速80m/sで南大東島近海を通過し、勢力を保ったまま6日(日)には奄美諸島近海を通過する見解となっています。台風の進路に近い島々では、過去にないような荒天となるおそれがあり、最大限の警戒が必要です。
九州に接近する6日(日)夜から7日(月)朝も、中心付近の最大瞬間風速60〜75m/s程度と見られ、勢力は過去最強クラス。特別警報の発表基準に達するほどです。これだけの勢力で近づけば上陸しなくても、甚大な被害につながる危険性が高まります。最悪の事態に備え、九州では出来るだけ5日(土)のうちに台風への備えや避難などを行うようにしてください。
▼台風10号 9月4日(金)21時
 存在地域   南大東島の南南東 約420km
 大きさ階級  //
 強さ階級   非常に強い
 移動     北西 15 km/h
 中心気圧   920 hPa
 最大風速   50 m/s (中心付近)
 最大瞬間風速 70 m/s

九州など記録的な暴風で停電リスク高い

台風10号による停電リスク予測

台風10号は予報円の中心を通った場合、九州の大部分が台風の暴風域に入る見込みです。接近時も中心付近の最大瞬間風速は60〜70m/sを予想しています。台風が上陸せず海上を進むと、むしろ勢力が衰えず、九州の広い範囲で記録的な暴風になりかねません。
ウェザーニュースによる「停電リスク予測」では、九州全域や中四国で停電の可能性があり、特に九州の沿岸部でリスク高くなっていることがわかります。停電が長時間に渡るおそれもありますので、予めの対策が必須です。
(過去の台風の際にウェザーニュースのアプリユーザーから得られた停電報告と、気象観測機の風速データの相関関係を分析した結果を元に計算したものです。)

強い吹き寄せ効果で記録的な高潮のおそれも

高潮のメカニズム

接近時の中心気圧が非常に低いことで、高潮も危険です。気圧の低下による吸い上げ効果と、暴風による吹き寄せ効果が重なった場合は、記録的な高さの潮位になってもおかしくありません。
今回は台風周辺の風が非常に強く、接近後の進行方向が変わらないため、吹き寄せ効果が大きく出るおそれがあります。現在、予想されている風向では、錦江湾や志布志湾、有明海などが要注意です。ただ、少し風向が変わるだけでも影響の出る湾や海岸が変わりますので、必ず最新の予想進路などを確認してください。

九州から東海の広範囲で大雨のおそれ

7日(月)夜までの72時間予想積算雨量

台風の北上に伴って、九州から近畿、東海にかけての広い範囲で大雨のおそれがあります。
台風の進路に近い奄美や五島列島と、台風に向かって湿った風が継続的に吹き込む九州や四国、東海にかけての太平洋側で雨量が多くなる見込みです。
7日(月)夜にかけて多い所は300mmを超え、局地的には500mmを上回るような大雨のおそれがあります。土砂災害や河川の増水、氾濫などに警戒が必要です。
また、西日本の一部のダムでは、大雨に備えて事前放流を行っている所があります。ダムの下流では雨が降り出す前に水位が上昇する場合がありますので、注意をしてください。

甚大な被害発生のおそれ 今のうちにできる備えを必ず

台風が近づくと外に出るのが困難になることが考えられます。必要なものの買い出しや家の外での補強などの対策は、特に風が強まる前までに行い、避難を行う場合も出来るだけ早めに判断する必要があります。
沖縄や奄美では、5日(土)は段々と荒れた天気となってくるため、可能な限り早めに対策を行ってください。九州でも、5日(土)のうちに備えを済ませるようにしてください。

台風の名前

台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風10号の名前「ハイシェン(Haishen / 海神)」は中国が提案した名称で、文字通り海の神という意味です。

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