2024年度の倒産件数は1万144件 11年ぶりに1万件超え 東京商工リサーチ
2025年4月12日(土)10時5分 財経新聞
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■3月の企業倒産は7カ月ぶりに前年下回る
8日、東京商工リサーチが3月の「全国企業倒産」を発表した。3月の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は前年同月比5.84%減の853件となり、7カ月ぶりに前年同月を下回った。
また2月の負債総額は同30.69%減の985億8,600万円となり、5カ月ぶりに前年同月を下回った。主な大型倒産企業は、電子部品等の製造業のPQR(負債総額:62億円、以下同じ)、結婚式場運営のアルカディア(54億200万円)、ゴルフ場経営のタケダ開発(46億2,000万円)、宝石小売業の姫山商事(27億4,400万円)、弁当宅配事業のみちのくエコランドマネジメント(22億6,200万円)など。
■10産業中6産業で倒産件数が前年下回る
産業別の倒産件数は、10産業中6産業で前年同月を下回った。倒産件数が最も多かった産業は、サービス業他の296件(前年同月比:4.59%増、以下同じ)。次いで建設業が158件(12.22%減)、製造業が107件(15.05%増)、卸売業が100件(15.96%減)で、この4業種が倒産件数の100件超え。
以下は小売業が86件(20.37%減)、情報通信業が45件(50.00%増)、不動産業が24件(14.28%減)、運輸業が24件(54.71%減)、農・林・漁・鉱業が10件(9.09%減)、金融・保険業は3件(3倍)だった。
都道府県別で最も倒産件数が多かったのは、東京都の137件で唯一の100件超え。次いで大阪府(98件)、愛知県(54件)、兵庫県(52件)、神奈川県(48件)、福岡県(47件)、京都府(41件)と続く。反対に倒産件数が少なかったのは山梨県(1件)、島根県と長崎県(2件)、鳥取県と佐賀県と宮崎県(3件)となっている。
■2024年度の倒産件数は11年ぶりに1万件超え
同日、東京商工リサーチが2024年度の「全国企業倒産」を発表した。2024年度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)件数は1万144件(前年度比12.0%増)となり、3年連続で前年度を上回るとともに、2013年度(1万536件)以来、11年ぶりに倒産件数が1万件を超えた。
また負債総額は2兆3,738億7,900万円(同3.6%減)で、3年ぶりに前年度を下回った。主な大型倒産では航空機製造開発のMSJ資産管理(負債総額:6,413億円、以下同じ)、投資事業のエクシア合同会社(850億円)、中古自動車販売のBALM(831億円)、丸住製紙(590億円)、船井電機(469億6,400万円)など。
大型倒産があった一方で、負債100億円を超える企業倒産件数が11件(2023年度:19件)と減ったことで、負債総額の増加に歯止めがかかった。
倒産の要因としては、人手不足と、原材料や資材などのコストアップが多く、特に人手不足関連を原因とした倒産件数は309件で前年度(192件)比60.9%増と大きく増えている。また今後も、アメリカの相互関税や、金利上昇など懸念材料も増え、倒産件数は右肩上がりになることが予測される。
■産業別倒産件数は10産業中9産業で前年度上回る
産業別の倒産件数は、10産業中9産業で前年度を上回った。倒産件数が最も多かった産業はサービス業他の3,398件(前年度比:12.21%増、以下同じ)。次いで建設業が1,943件(9.34%増)、卸売業が1,214件(15.83%増)、製造業が1,179件(17.19%増)、小売業が1,090件(9.76%増)で、ここまでが1,000件超え。
以下は情報通信業が460件(91.80%増)、運輸業が424件(3.85%減)、不動産業が292件(3.91%増)、農・林・漁・鉱業が116件(13.72%増)、金融・保険業は28件(前年並み)となっている。
都道府県別で最も倒産件数が多かったのは、東京都の1,780件。次いで大阪府(1,355件)で、ここまでが1,000件超え。以下は愛知県(632件)、兵庫県(571件)、神奈川県(557件)、福岡県(496件)、埼玉県(422件)と続く。
反対に倒産件数が少なかったのは、佐賀県(31件)、島根県(34件)、山梨県(41件)、徳島県と高知県(46件)、秋田県(47件)、島根県(49件)などとなっている。