STマイクロエレクトロニクス、エッジAIと超低消費電力でメンテナンス不要のスマート・センシングを実現する産業グレードの加速度センサを発表
2025年4月21日(月)17時17分 PR TIMES
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STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、機械学習、省電力化、高温動作の機能を兼ね備えた産業用MEMS加速度センサ「IIS2DULPX(https://www.st.com/ja/mems-and-sensors/iis2dulpx.html?icmp=tt43663_gl_pron_apr2025)」を発表しました。同製品は、よりスマートなデータ駆動型のオペレーションと意思決定をセンサ内で実現します。例えば、アセット・トラッキングやロボット、FA(工場自動化)、さらには産業用安全装置、ヘルスケア機器などの分野での活用が見込まれます。
ホスト・プロセッサの負荷を軽減するセンサ内AIと、消費電力を最適化する自動自己構成機能を搭載しているため、IIS2DULPXは、機器メーカーによるメンテナンス・フリーかつバッテリ駆動スマートセンサ・ノードの開発を、利便性の高いフォーム・ファクタで可能にします。STマイクロエレクトロニクスのMEMSサブグループ マーケティング・ディレクターであるTarik Souibesは、次のようにコメントしています。「STの新しい加速度センサIIS2DULPXは、エッジ処理と超低消費電力、広い動作温度範囲という特徴を独自に融合し、次世代の産業用スマート・センサを実現します。インテリジェンス機能を集積し、リアルタイムでコンテキストに合わせて適応して動作するため、応用機器に最適な決定的アルゴリズムやAI手法を柔軟に採用できます。」
IIS2DULPXの代表的な応用例には、輸送中のアセットや商品のイベント・トラッキングがあります。STの機械学習コア(MLC)がAIアルゴリズムを主体的に処理し、アセットを運ぶ輸送システムの種類と、落下や振動、傾斜、反転などのイベントを分類することで、品質保証を強化し、サプライ・チェーン・プロセスを改善することができます。推論をセンサ内で直接実行して、ホスト・プロセッサへの負荷を軽減できるため、センサのバッテリ寿命を大幅に延長することができます。
また、産業機器やロボット・アームなどのアセットに装着されたスマート状態モニタリング用センサとしてIIS2DULPXを使用すると、過剰な振動、衝突、衝撃を検知できます。この場合、機器メーカーは、小型かつ超低消費電力というメリットを活かし、コンパクトで長時間動作するセンサを小型軽量バッテリで構築可能です。つまり、すでに設置済みで稼動中の機器に容易に後付けすることができます。そのため、エンドユーザは旧式の機械を含むあらゆる機器から即座にデータ収集を開始して、デジタル・トランスフォーメーションの取り組みを加速し、拡大することができます。
IIS2DULPXの早期使用顧客の1社であるTreon社は、最近、スマート状態モニタリング・システムを開発しました。Treon社の最高経営責任者(CEO)であるJoni Korppi氏は、次のようにコメントしています。「当社は、加速度センサにIIS2DULPXを採用した、長寿命のワイヤレス状態モニタリング・システムTreon Industrial Node X(https://treon.fi/our-products/treon-industrial-node-x/)をリリースしました。同製品を採用した理由は、その卓越した超低消費電力性能にあります。組み込まれているインテリジェンス機能により、システム全体の消費電力が非常に低く抑えられるため、必要とするバッテリ寿命を達成できます。さらに、10年間の長期製造保証プログラムの対象であるため、当社の製品ライフサイクル要件を完全に満たしています。」Treon社のシステムに搭載された同製品は、振動レベルの常時モニタリングを超低消費電力で実行します。STの高性能振動センサ「IIS3DWB」と組み合わせることで、振動レベルの変化に対応して、より詳細な測定を開始します。
また、Joni Korppi氏は次のように付け加えています。「Treon Industrial Node XにSTの革新的なMEMSセンサを採用したことで、状態モニタリング・ソリューションの効率、信頼性、動作時間における新たな基準を打ち立てました。」
スマートなプロテクション器具や携帯型ヘルスケア機器もIIS2DULPXの応用例として最適です。例えば、モニタリング・システムを産業用安全ヘルメットに組み込むことで、ヘルメットの装着状態や衝撃、転倒を検知して、事故防止や迅速な非常警報が可能になり、職場全体の安全性を高めることができます。同製品は作業者が倒れる危険を検知して即座にアラートを発し、迅速な支援を促すとともに、アクティビティをモニタして、異常な作業パターンの特定や安全基準の遵守に貢献します。機械学習コアやステート・マシン(MLC / FSM)を内蔵し、自動自己構成を備えた同製品により、継続的なモニタリングがごくわずかな消費電力で可能になるため、シンプルなバッテリ駆動アクセサリを追加するだけで、従来の安全ヘルメットがスマート・ヘルメットに変わります。
IIS2DULPXはまた、先進的なバッテリ駆動センサにも組み込まれ、半導体工場でウェハを扱うロボット・アームをモニタし、チップの歩留まりや信頼性に影響する可能性のある振動と衝撃を測定しています。加速度センサに内蔵されたMLCと自動自己構成により、バッテリ駆動センサ・ノードは高精度の常時モニタリングをメンテナンスなしで3年以上にわたって実行できます。
IIS2DULPX(https://estore.st.com/en/products/mems-and-sensors/accelerometers/iis2dulpx.html?icmp=tt43663_gl_pron_apr2025)は最大105℃の幅広い動作温度範囲で動作します。現在入手可能で、単価は1000個購入時に約1.57ドルです。
詳細については、ウェブサイト(https://www.st.com/content/st_com/ja/campaigns/mems-sensors-for-industry-mems-mc4indu.html?icmp=tt43663_gl_pron_apr2025)をご覧ください。
STマイクロエレクトロニクスについて
STは、約50,000名の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、クラウド接続型自律デバイスの普及を可能にします。STは、すべての直接・間接排出(スコープ1および2)、ならびに製品輸送、従業員の出張・通勤による排出(スコープ3の注力分野)におけるカーボンニュートラル達成に向けた取り組みを進めており、2027年末までに再生可能エネルギーの使用率を100%にする計画です。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com(https://www.st.com/content/st_com/ja.html))をご覧ください。
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