コメ代替食に熱い視線…節約志向高まりもち麦やパン・パスタに切り替えの動き、外国産コメも選択肢に
2025年4月23日(水)6時49分 読売新聞
もち麦入りのおにぎりが並ぶナチュラルローソンの店舗(22日、東京都品川区で)
コメ価格の高騰が続き、消費者の節約志向が高まる中、麦を使ったかさ増しや、パンやパスタといった代替食への切り替えなど、食卓に変化が起きている。1993年の「平成の米騒動」では不人気だった外国産のコメを取り入れる動きも始まっている。(田辺研吾)
かさ増し
ローソンは22日、首都圏のナチュラルローソン約130店舗で、もち麦を交ぜたおにぎり3種類(おかか、
もち麦は大麦の一種で、コメ2合(300グラム)にもち麦100グラムを加えて炊けば、3合分にかさ増しできる。食物繊維が豊富なため、ごはんに交ぜて食べる人が増えていたが、コメ高騰を受けてさらに注目が集まっている。
製造・販売する「はくばく」によると、今年3月まで11か月連続で前年同月の売り上げを上回った。今月12日からは製造工場を土曜日も稼働させるなど生産を強化している。
販売数に変化
三菱総合研究所の試算では、茶わん1杯のごはん(150グラム、コシヒカリ)の価格は今年2月時点で57円と、2023年4月(30円)の2倍近くになった。一方、食パン1枚(4枚切り)は6円高の48円と、コメより値上がり幅が小さい。
高いコメを避ける人は多く、千葉県のタクシー運転手(60)は「朝食を全てパンにし、夜も週1〜2回はパスタにしている」と話す。
スーパーの店頭でも代替品を求める動きは顕著だ。調査会社トゥルーデータが食品スーパーの2月の販売数量を調べたところ、「冷凍ピザ・グラタン類」が前年同月比で24%、「マカロニ」が20%伸びていた。一方でコメは10%減っており、同社は「コメの代わりとなる主食系食品の需要が拡大している」と分析する。
外国産見直し
外国産のコメも見直されている。
大手スーパーのオーケーは、3月上旬から10店舗で、米カリフォルニア州産のカルローズ米を発売した。5キロ・グラム税込み3335円と国産に比べ2割程度安く、売れ行きが好調なため、19日から54店舗に増やした。
リンガーハットは、チャーハンで使う国産米に、外国産の長粒種をブレンドするか検討する。代表的な長粒種であるタイ米は、平成の米騒動の際に大量輸入されたが、日本人になじみのないパラパラした食感が不評だった。佐々野諸延社長は「東南アジアではコメが余っている。チャーハン用なら、長粒種でも使えるところはある」と話す。