仮想通貨上昇で存在感を見せるメタプラネット
2025年5月24日(土)9時45分 財経新聞
ビットコイン関連事業を手掛けるメタプラネットの株価が5月に入り、ストップ高を記録するなど、上昇している。
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メタプラネットは、ビットコインの保有を積極的に進めているが、ビットコイン価格は5月21日(米国時間)に過去最高値を更新するなど好調で、そのことが好感されたと見られている。
米国議会ではステーブルコインの普及を後押しする法案が審理入りし、テキサス州でも暗号資産を準備金とする法が成立に前進しており、好材料が目白押しである。
ビットコインなどの仮想通貨投資が遅れていると言われている日本でなぜ、メタプラネット株が上昇するのだろうか?
●世界も注目!?メタプラネット
1999年に設立されたCD・レコードの企画・制作・販売会社であるダイキサウンド株式会社が前身で、2012年から東南アジアで宿泊業や飲食業を展開するレッド・プラネット・ホテルズが資本参加した。
東証スタンダードに上場しており、従来のホテル・メディア事業がコロナ禍で打撃を受ける中、2023年からはビットコインの投資・保有がメイン事業となり、社名も2024年からレッド・プラネットからメタプラネットに変更している。
ビットコイン保有量は5000(BTC)とアジア一で、世界でも9位に位置している。(2025年4月末)
3月にはストラテジック・ボード・オブ・アドバイザーを設置、初代メンバーにトランプ米大統領の次男エリック・トランプ氏を迎えた。
今後も世界中から影響力のある意見リーダー、講演者、思想家を集め、ビットコインの発展と金融イノベーションの推進に貢献することを目的としている。
●日本では仮想通貨に直接投資するよりメタプラネット?
日本の仮想通貨保有者数は約500万人と言われており、人口の約4%に過ぎない。先進国でありながら、仮想通貨保有者上位10カ国にも入っていない。
背景には、現金主義が強くまだまだ投資全体への関心が低いことに加え、税率の問題もあると言われている。
仮想通貨は雑所得に該当し、累進課税で最大税率は55%となり、申告分離課税の株式投資やFXの20.315%に比べると高い税率となっている。
日本の投資家にとってはリスクの高さと新NISAも考慮すれば、仮想通貨と同じような動きをするメタプラネットに投資した方が、リスクの軽減にも節税にもなる。
ただビットコインが急落する場面では、メタプラネット株も急落するリスクが高いため、注意が必要である。