日本の対外純資産、過去最大更新もドイツに抜かれ首位陥落…前年比12・9%増の533兆円

2025年5月27日(火)11時49分 読売新聞

財務省

 財務省は27日、2024年末の対外資産・負債残高を発表した。国内企業や個人、政府が海外で保有する資産から、海外企業などが日本に持つ資産を差し引いた「対外純資産」の金額は、前年末比12・9%増の533兆500億円だった。6年連続で過去最大を更新したが、国・地域別ではドイツに抜かれ、1990年以来34年ぶりに首位の座を失った。

 対外純資産の国・地域別の順位は、財務省が国際通貨基金(IMF)などによる100か国以上の統計から集計した。

 日本は2010年まで貿易黒字が続き、対外資産を積み増してきた。近年は海外への投資で得た配当や利子などが資産残高の増加要因となっているが、輸入に頼るエネルギーの価格高騰などで貿易収支は赤字となることが多い。

 一方、ドイツは自動車や工業機械、化学などの輸出産業が経済を先導しており、貿易黒字が続いている。貿易相手国から受け取った資金が対外資産として計上されることなどが影響した。

 日本の24年末の対外資産は、11・4%増の1659兆221億円で、16年連続の増加だった。対ドルの円相場が前年末から11・7%円安となり、外貨建て資産の評価額が円換算で膨らんだ。米国や欧州の金融・保険や、卸売・小売業など向けの直接投資が増えたことも影響した。

 海外企業などが日本に持つ資産を示す「対外負債」は、10・7%増の1125兆9721億円で、6年連続で増加した。株価上昇などで日本の証券価格が上昇したことなどが主な要因だった。

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