守勢続きも残した結果 藤井棋王が終盤圧倒でストレート防衛 第50期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第3局

2025年3月3日(月)11時30分 マイナビニュース


藤井聡太棋王に増田康宏八段が挑戦する第50期棋王戦コナミグループ杯五番勝負(共同通信社と観戦記掲載の21新聞社、日本将棋連盟主催)は第3局が3月2日(日)に新潟県新潟市「新潟グランドホテル」で行われました。対局の結果、千日手指し直しの熱戦を120手で制した藤井棋王が3連勝として防衛に成功、棋王3連覇を達成しました。
○夕刻の千日手
藤井棋王の連勝で迎えた本局は後手の増田八段が角換わり腰掛け銀を受けて立つ形でスタート。専守防衛の待機策で応じたのは用意と見られる作戦で、増田八段は戦いが一段落するまでを大きな長考なく乗り切ります。「先手の馬 VS 後手の桂得」という構図で推移した中盤戦は16時1分、打開権を持つ増田八段が妥協する形で千日手を選びました。
指し直し局は増田八段が残り持ち時間を約1時間リードする形で開始、先手番を得た増田八段は棒銀に似た要領で手際よく雁木崩しの準備を始めます。これに対し争点をずらしたい藤井棋王が囲いを中住まいに組み替えたことで、盤上は急所の見えづらい競り合いへと進展。形勢が動いたのは1局目の開始から約11時間後、20時を過ぎたころのことでした。
○耐えてつかんだ防衛
辛抱の時間を耐え抜いた藤井棋王は満を持して反撃を開始します。自陣右方に眠っていた飛車を大きく使って敵陣に成り込ませたのが気持ちよい攻め。8筋の拠点に銀を打ち込む攻めと連携して切れない攻めが実現しました。終局時刻は20時55分、自玉の詰みを認めた増田八段が投了。優位に立ってからは盤石の寄せを見せた藤井棋王の快勝譜となりました。
敗れた増田八段は感想戦で「(千日手局について)打開するほど形勢が良いかわからなかった」と素直に明かしました。対して勝った藤井棋王は3勝0敗(1千日手)と防衛に成功、局後「最後の競り合いを抜け出せてよかった。先手番で主導権を握れなかった点は課題」と総括しました。またファンからは時折せき込む藤井棋王の体調を気遣う声が相次ぎました。
水留啓(将棋情報局)

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