SBI北尾吉孝氏会見は“北尾劇場” 5つのポイント フジHD再建へ「敵対なら徹底的に勝負」

2025年4月17日(木)17時35分 スポーツニッポン

 金融大手SBIホールディングス代表取締役会長兼社長の北尾吉孝氏が17日、会見を都内で行い、フジ・メディア・ホールディングス(HD)の経営改善に向けた見解を示した。

 フジテレビの問題を巡っては、米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが16日、同局の親会社フジ・メディアHDに12人の社外取締役の選任を求める株主提案を送付したと発表した。ダルトンが選任した新たな取締役候補は12人。当初から名前が挙がっていたSBIホールディングスの北尾吉孝氏を筆頭に、さまざまな経歴の人物を集めた。

 歯に衣(きぬ)着せぬ発言で“北尾劇場”となった会見。北尾氏のフジ・メディアHD体制への考え、組織の改革案、戦略方針、役員選任への提言、北尾氏の立ち位置として5つのポイントにまとめた。

 北尾氏は旧体制から引き続き5人の取締役が留任していることについて「FMHが発表した役員体制では不十分」と改めて強調。「価値とか使命とかが日枝氏の40年以上にわたる政権の中で消失していると言わざるを得ない」と日枝久取締役相談役体制下を批判し、人事案の再提示を求めるとともに「FMHにとっても正しい倫理的な価値観をベースにした新たな企業文化を創造する。これが必須」とした。

 その上で、フジ・メディアHDの経営改善に向け「3つの改革」として意識改革、人事・組織改革、ビジネスモデル改革を提言。経済学者のピーター・ドラッカーの言葉を引用しながら、「社会的な正当性の確立。価値、使命、ビジョンの確立」の重要性を説き、組織改革について「もっと編成と制作のバランスが取れた体制に回帰が必要だなという気がしています」と話した。

 さらに具体的な戦略方針に「新たなメディア環境の中で、金融事業と一体化させていく構想」としてメディアとIT、金融の融合を提案。「我々の事業とも関連付けることも考えている」と述べた。他に、収益の柱である不動産事業の切り離し及びメディアコンテンツ事業の強化を掲げ「ベンチャー企業や海外のさまざまなところに2300社以上投資していますから、有能な人材を引っ張り込んで徹底的に応援しようと思っている」と熱く語った。

 また、役員選任案に対しては、ダルトンがフジHDの旧体制下で主要ポストを担った金光修、清水賢治両氏らが経営の中枢に残ることを問題視している中、北尾氏は「全部排除という考え方は私は取っていない」と独自の考えを発信。清水氏について「清水さんは残しておいた方がいいと思っています。清水さんを中心にダルトンさん、私も入るなら入って最終的な会社側による選任をなすべきだと思っています」とした。

 最後に、北尾氏自身の立ち位置については「僕は一銭も賞与や報酬を受け取るつもりは全くない。金儲けのためじゃなく、世のため人のためというのを明確に示しておきたい」と強調。その上で株式5.1%を取得したSBI系の運営会社を引き合いに出し「私どもは一銭の金も使っていないし、まだ動いていない。だがもし敵対するとしたら、私も徹底的に勝負します。それだけははっきりしている。これだけ反省の念もなく、まともな良識に対して対抗しようというなら、いつでも受けて立ちます。5%ぐらい買うのはわけないこと」との姿勢も示した。

スポーツニッポン

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