10年探して見つけた終の住処 76歳夫婦が「こんな良い所はない」と語る“オーシャンビューポツンと一軒家”の暮らし
2025年5月7日(水)18時45分 ABEMA TIMES

『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)が5月4日に放送され、念願の“終の住処”で暮らす76歳夫婦の人生に迫った。
日本各地の人里離れた場所に、なぜだかポツンと存在する一軒家。そこには、どんな人物が、どんな理由で暮らしているのか?衛星写真だけを手がかりにその地へと赴き、地元の方々からの情報をもとに、一軒家の実態を徹底調査しながら、人里離れた場所にいる人物の人生にも迫っていく同番組。
今回発見したのは、和歌山県の沿岸部にあるポツンと一軒家。海岸が近くにあるものの、建物は木々に囲まれた敷地に建っており、海と建物の間には断崖があるようにも見える。
捜索隊がまず向かったのは、海側ではなく山あいにある集落。そこで男性2人に衛星写真を確認してもらうと、「ここわかる。10〜15年前くらいに夫婦2人で他所から来た人。聞くところによると、大学の教授してたとか」とにこやかに教えてくれた。しかも「一緒に行くか?わかりづらい場所やから案内したる」と案内役まで買って出てくれることに。
男性について集落を後にすると、眼前に海が広がる。海沿いの道を通って森へと入っていくと、岩肌がむき出しの切通しの山道に。そしてうっ蒼とした林道を越えると、近代的な一軒家が忽然と姿を現した。

そこで暮らしていたのは、10年ほど前に東京から完全移住した76歳の夫婦。国立公園内の敷地内だが、環境庁に申請し、自分で山を開拓して家を建てたという。また、パッションフルーツやパパイア、キウイといったフルーツの畑や家庭菜園も。
男性は東京理科大学の薬学部を出た後、アメリカ・ペンシルべニア州立大学の大学院へ。博士号を取り、ポストドクトラルフェローとしてハーバード大学に行くと、心臓の研究を行った。30歳で同じく研究者の日本人女性と結婚、長男をもうけたが、日本に戻る男性とアメリカで研究を継続する妻とで、互いの道を尊重し離婚。42、3歳から臨床試験を受託する会社を始め、従業員として入社した中国出身で研究者の女性と再婚した。
実は、10年かけて移住先を探しながら日本各地を旅行していたという2人。「海辺の高台」という男性の希望条件に、見事に合致したのがこの場所だった。大きく設計したリビングの窓からは、海を望むことができる。

今では地域の行事にも楽しみながら参加し、「場所はもちろんですが、とにかく地元のみなさんが素敵。地元の方々がいないとこんなにも幸せになれなかったと思います」と夫婦で口をそろえる。
さらには、男性が移住後に始めたという海釣りに捜索隊も同行。釣れた魚(イサキ・メイチダイ・グレ)は、妻がネットで学んだ知識で捌いて調理し、捜索隊にも振る舞ってくれたのだった。
自給自足の生活に「大満足」と話す2人。「もうどこにも行かない」「他に良い所があるとは思えない。人生これでいい」と、“終の住処”を見つけられた喜びを語る姿が印象的だった。