藤井名人 封じ手時刻から10分延長して52手目を封じる 62日ぶり2手目で角道を開けた名人戦第3局

2025年5月9日(金)19時44分 スポーツニッポン

 将棋の藤井聡太名人(22)=王将を含む7冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑む第83期名人戦7番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催)は9日、大阪府泉佐野市の「ホテル日航関西空港」で第3局1日目が始まり、戦型は先手・永瀬の相矢倉へ進んだ。封じ手までに51手進み、午後6時半の定刻から10分経過して藤井が52手目を封じた。30分の考慮に、さらに10分延長した。

 後手番になった藤井が2手目、飛先ではなく角道を開けた。3月8日のALSOK杯第74期王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)第5局1日目、プロ9年目で初めて公式戦で指して以来62日ぶりの決断。当時の戦型は雁木(がんぎ)だったが、受け身になりがちな後手番で戦いの主導権を取りにいった。

 2016年10月の四段昇段以降、後手番258局目で初めて飛先の歩以外を指したのに間を置かずに続いた。前回永瀬戦での後手番だった第1局は、開局前の振り駒で先手後手が決まった。そして今回、あらかじめ後手番と決まっていたとあり、藤井にとっては用意の選択だったと思われる。

 前夜祭のあいさつでは「今シリーズはここまで2局指して課題も見つかると共に、長い持ち時間で考える充実感も感じています。明日からの2日間も一手一手考える姿勢を大切にして集中して臨みたいと思います」と語り、変化球の予兆はなかった。ただ、王将戦第5局翌日の本紙取材では、名人戦への布石か?との問いに「準備はこれからです」と笑顔を見せていた。採用する戦型が多ければ、いや多いと意識させるだけでも、対戦相手はそれへの備えを整える必要があり、負担は増す。

 ここまでの対戦成績は藤井の2勝。持ち時間9時間から永瀬が3時間44分、藤井が4時間25分消費した。10日午前9時に封じ手は開封される。

スポーツニッポン

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