橋幸夫「おれ、病院に入りたくない」仕事を続けたい理由は“家族”「働かないと...」
2025年5月20日(火)17時46分 スポーツニッポン
テレビCMなどでおなじみの通販会社「夢グループ」は20日、所属する歌手の橋幸夫(82)が「アルツハイマー型認知症」の診断を受けたと発表した。
昨年8月から始まった同社の20周年を記念した全国公演に、橋も出演しているが、昨年末に橋が「アルツハイマー型認知症」との診断を受けたため、医師の指導のもと、現在までステージに立ち芸能活動を続けてきたという。
石田社長は会見を開き、橋の診断を受けるまでの経緯や現状、今後について説明。現在、橋は自身の病気について「考える力はほとんどない」という。ただ、病気か疲れが原因で身体に何らかの異変が起きていることは自覚しているようだ。
「このままできるだけ、だましだましできるところまでやってあげたい」と思っていた石田社長だが、5月中旬の大阪公演で「初めて橋さんの口から“休ませてください”と。“社長、おれみんなに迷惑かけてんの?だったら、しばらく休む。頭の中がなんだかさっぱり分からなくなっちゃうんだ”」と橋から訴えられたという。
「体調を整えて仕事するから」と続けた橋の言葉に、石田社長は「凄くつらくなりました。このような病気は体調といっても…。何もしなければガタガタってくるんじゃないか」と感じたという。それと同時に、何度同じ話を繰り返して話が通じなくても、音楽がかかれば“歌手・橋幸夫”に変身する姿を見て、「本人はステージで音楽が流れれば歌を歌って、話をしたいんです、いっぱい。一生懸命、前に向かって自分で何かをしようとする姿をお客様にお届けして、病気をできるだけ食い止めることができれば」と、橋や周囲と相談を重ねて公表を決断したようだ。
妻から病気だとを告げられた橋の様子について「“おれ、病院に入りたくない。お前(妻)を食べさせなきゃいけない。そのためにには働かなきゃいけないだろ。働かないと結婚したお前をたべさせることができない”と…。奥様は涙がでたとおしゃっていました」と明かした。
今後もグループ全員で橋をサポートする。「もう2カ月、3カ月か分かりません。もしかしたら6カ月、1年かもしれない。少しでも長く本人の意思を叶えてあげることが僕の役目なのかなと思っています」と石田社長。「本人の囲み取材だけは勘弁してほしい」と呼びかけた。
会見で公開された診断書によると、22年に12月に軽度のアルツハイマー型認知症と診断された。その後失見当識が進行し、昨年12月に中等度のアルツハイマー型認知症と診断されたという。また、「陳旧性脳梗塞」も明らかにした。
アルツハイマー型認知症は、脳の一部が縮んでいくことにより、もの忘れなどが生じる病気。
橋は自身80歳の誕生日となる2023年5月3日に一度、歌手活動を引退。ファンから活動再開を願う声を受け、2024年4月15日に歌手として復帰することを発表していた。