きょうコンクラーベ開始、投票行う枢機卿がバチカン参集…結果は煙突から出る煙の色で周知

2025年5月7日(水)0時0分 読売新聞

コンクラーベで黒い煙が上がったシスティナ礼拝堂の煙突(2013年3月)=AP

 【ローマ=倉茂由美子、船越翔】カトリック教会の新教皇選出会議(コンクラーベ)が、7日午後4時半(日本時間午後11時半)に始まる。「秘密投票」の会場となるシスティナ礼拝堂では入念な最終準備が進められ、投票を行う世界各地の枢機卿は全員がバチカン入りし、敷地内の宿舎で新教皇誕生までの集団生活に入った。

 「システィナ礼拝堂の作業はほぼ完了した」。教皇庁報道官は5日、記者団に準備状況を語った。礼拝堂はミケランジェロの「最後の審判」が描かれた観光名所だが、コンクラーベの日程が決まった先月28日以降閉鎖され、煙突の設置や壁画の修復などが急ピッチで進められてきた。

 6日には、教皇フランシスコも居住した宿舎「サンタマルタ館」に、枢機卿の入室が始まった。

 今回、投票権を持つ80歳未満の枢機卿は135人だが、2人が健康上の理由で欠席を表明したため、133人が参加する。出席者の3分の2を得票する者が出るまで投票が繰り返され、今回は89票が必要だ。

 投票開始は7日午後4時半。初日は投票が1回、2日目以降は午前と午後に各2回投票が行われ、結果は、礼拝堂の煙突から出る煙の色で示される。黒なら「未決定」、白なら「教皇決定」でサンピエトロ大聖堂の鐘も鳴る。

 ラテン語で「鍵と共に」を意味するコンクラーベは、13世紀に3年近く教皇が決まらず空位が続いた際、民衆が建物に鍵を掛け枢機卿を閉じこめたのに由来する。

 現在も秘密保持の仕組みが幾重もあり、枢機卿は期間中、携帯電話を使用できないなど外部との接触を禁じられる。終了後も含め、選挙に関する情報を外部に漏らさないとの宣誓もする。

 投票用紙には、教皇にふさわしいと思う人の名前を無記名で書くが、筆跡を変えて書くことが求められる。投票用紙のほか集計のメモなども焼却される徹底ぶりで、後に禍根を残さないための工夫だ。

 ロイター通信によると、過去10回のコンクラーベの平均期間は3日間。前回教皇フランシスコを選んだ2013年は2日目の5回目の投票で決まった。

「最も国際的なコンクラーベ」

 今回の新教皇選出会議(コンクラーベ)で目立つのが、枢機卿の出身国の多様化だ。

 ローマ教皇庁によると、教皇を選出する133人の枢機卿の出身国は70か国に上り、前回の2013年の48か国を大幅に上回った。地元メディアは「欧州中心主義が薄れ、これまでで最も国際的なコンクラーベとなる」と指摘している。

 地域別の割合では、欧州出身の枢機卿は39%で最多だったが、前回の52%より減少した。英BBCによると、欧州出身者が半数を下回るのは初めてという。

 大きく増えたのがアジア出身の枢機卿で、前回の9%から17%とほぼ倍増した。

 BBCは、今回参加する枢機卿の約8割が教皇フランシスコによって任命された点を踏まえ、「教会の重心を欧州から離すことが、教皇フランシスコの掲げた使命の一部だった」と説明している。

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