ハーバード大の留学生受け入れ停止措置、連邦地裁「回復不可能な損害を与える」…差し止め決定
2025年5月24日(土)10時22分 読売新聞
米マサチューセッツ州のハーバード大で、キャンパス内を歩く学生ら(4月15日)=ロイター
【ニューヨーク=金子靖志】米国のトランプ政権による名門ハーバード大の留学生受け入れ停止措置を巡る問題で、米マサチューセッツ州の連邦地裁は23日、政権の措置を一時差し止める決定を下した。連邦地裁は、政権の措置が「回復不可能な損害を与える」と判断した。合法性を審理する間は留学生の受け入れが認められることになった。
同大の発表によると、連邦地裁の差し止め命令を延長するかを判断する期日が29日に設定された。政権側が連邦地裁の決定に不服を申し立てるのは確実だ。大学側も徹底抗戦の構えで、最終的には措置の合法性も含め、連邦最高裁の判断に委ねられる可能性が高い。
政権は22日、ハーバード大が反ユダヤ主義を助長したとして留学生受け入れ資格を取り消すと発表。在籍中の留学生も他大学への転校を行わない限り、米国滞在資格を失う可能性があると説明した。同大は23日、政権側が言論の自由などを定めた憲法修正第1条に違反しているとして提訴。数時間後に司法判断が示され、アラン・ガーバー学長は「留学生や海外からの研究者の権利と機会を守る重要な一歩だ」と歓迎した。
政権はこれまでも、パレスチナ自治区ガザ情勢を受けた学生の抗議活動を巡り、反ユダヤ主義への対応が不十分だとして、米北東部の名門私立大学を中心に補助金凍結など段階的に圧力を強めてきた。