中国公安、韓国行きを目指す脱北者の取り締まりを強化

2023年8月1日(火)5時57分 デイリーNKジャパン

中国東北部から西南部、ベトナム、ラオスを経てタイまでたどり着くのが、脱北の一般的なルートだ。そのルート上にある雲南省の昆明市公安局が、脱北者の取り締まりに乗り出した。中国のデイリーNK情報筋が伝えた。


昆明市公安局は、8月から10月までを違法越境が疑われる者の摘発月間と定め、韓国行きを目指す脱北者を集中的に取り締まるように、管轄の公安局に指示を下した。


公安局は、警察官を2〜3人で1組にして市内の路地をパトロールさせ、手当たり次第に通行人の身分証明書を確認させている。また、国境方面に向かう車に乗っている人の身分証明書を確認しており、そのために臨時の検問所を設置している。


もし脱北者であることがわかればその場で逮捕し、近隣の派出所で勾留した上で、北朝鮮に強制送還する対象とせよとも指示している。


中国公安当局は、人身売買により結婚させられた中国人男性の家を逃げ出すなどの「罪」を犯した脱北女性に関しては、夫に罰金を払わせ、問題を起こさせないと念書を書かせた上で釈放し、滞在を容認する方針を示している。しかし、韓国行きを目指した場合には、重罪とみなして容赦なく北朝鮮に強制送還する方針のようだ。



中国は今年9月、浙江省の杭州でアジア競技大会を開催するが、これに向けて検問を含めた治安対策を強化している。脱北者の取り締まりはその一環と見られる。また、北朝鮮への外交的配慮もあるものと思われる。


情報筋は「韓国を目指す脱北者は、杭州アジア競技大会の前後には、昆明行きに最大限慎重であるべきだ」と述べた。当面は中国国内で息を潜めて暮らすしかないようだ。


脱北者を巡っては、ロシア当局も取り締まりを強化している。

デイリーNKジャパン

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