COMPUTEX TAIPEI 2025 - Noctuaがポンプ不要の2相式冷却をアップデート、動作デモも公開

2025年5月23日(金)2時19分 マイナビニュース


Noctua初のオールインワン水冷CPUクーラーについてはすでにお伝えしたが、Noctuaのブースには、そのほかにも注目の展示があった。その1つは、2相式冷却(Two-phase thermosiphon)の開発プロジェクト。昨年、ブースに初めてプロトタイプが登場して、今年は2回目の展示だが、今回は初めて、動作デモが行われていた。
この2相式冷却は、外観は通常のオールインワン水冷CPUクーラーに似ているのだが、仕組みは大きく異なる。まず、CPUの熱によって、内部の液体が気化。それが上昇してラジエータに届き、冷やされて液体に戻り、それがCPUを冷却し、また気化する。通常の水冷は、ループ中ずっと液体のままだが、これは液体と気体の相変化を繰り返す。
最大のメリットは、ポンプを使わないこと。当然ながら、ポンプによる振動や騒音がないため、静音性に優れる。ポンプ故障の心配もない。その一方、自然対流でループするため、ラジエータは上方に設置する必要があり、レイアウトの制約が大きい。
同社によれば、2相式冷却の大きな課題は、気化した蒸気の泡で冷却性能が低下することだという。CPUの温度が上がってくると、それにつれて、ブクブクと発生する泡の量が増えていく。泡が増えるほど、液体との接触面積が減り、熱が逃げにくくなるわけだ。
さらに高温になると、CPU側に気体の薄い膜ができて、液体がほとんど接触しない状態になってしまう。これは、ライデンフロスト効果として知られ、身の回りでも、高温に熱したフライパンの上に水滴を垂らしたときに見ることができる。
これを防ぐために、同社はCPUの放熱プレートの形状を工夫して、泡が速やかに離れるようにしたという。ブースのデモ機は、CPUにRyzen 7 9800X3Dを搭載。ラジエータは36cmサイズで、問題なく動作できていた。ただ、引き続き改良が必要なため、現時点で発売のメドはまだ立っていない。また来年のアップデートを期待しよう。

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