ハース離脱のシモーネ・レスタ、フェラーリF1に居場所はなくアルファタウリ加入とのうわさ

2024年1月24日(水)17時50分 AUTOSPORT web

 フェラーリの内部関係者によると、ハースF1チームでテクニカルディレクターを務めていたシモーネ・レスタはフェラーリのF1プログラムに加わることはなく、フェラーリのスポーツカープログラムに参加することにもあまり関心がないという。こうした要因が重なったために、レスタは2001年以来のフェラーリとの関係に終止符を打ち、マラネロを離れることを考えているようだ。


 レスタは、元ハースF1のチーム代表、ギュンター・シュタイナーの契約が更新されないことを知り、またチームが追求すべきだとジーン・ハースが考える方向性とまったく意見が合わないことから、ハースのテクニカルディレクターを辞任することになった。その結果、現在フェラーリからハースにレンタルされている80人以上のエンジニアのグループは、リーダー不在のままアメリカに残されることとなった。


 小松礼雄新チーム代表より2月11日にシェイクダウンが行われることがアナウンスされたハースの2024年型マシンについては、シャシーはすでに製造の最終段階にあるため今年の設計と開発には直接影響はないが、レスタの穴を埋めるのは簡単ではない。まったく新しいテクニカルレギュレーションに合わせて設計される、非常に重要な2026年型シャシーの開発プロジェクトを開始するにあたって、技術上のリーダーシップが不在となったためだ。


 レスタはおそらく、フェラーリのF1プログラムに自分が入る余地があることを望んでいただろうが、チーム代表のフレデリック・バスールがレスタの地位に見合ったポジションをオファーする立場にないことも分かっていたと思われる。


 フェラーリの技術部門内の任務の再編は2023年のシーズン中に行われた。バスールは、メルセデスのパフォーマンス・ディレクターを務めたロイック・セラが来年の初めにメルセデスから解放されてフェラーリに加わり、さらにレッドブルのテクニカルディレクターであるピエール・ワシェが1年後、新たなチーフテクニカルオフィサーとしてライバルチームから移籍してくるのを期待している。そのため、他人の指示のもとで仕事をすることを望まないことで知られるレスタが、この体制に適応するのは難しいだろう。


 そしてバスールはレスタをよく知っている。彼らは2018年6月から2019年8月までザウバーで一緒に仕事をしていた。レスタは、当時のフェラーリの新チーム代表マティア・ビノットと意見が合わなかったため、ザウバーに移籍したのだ。


 イタリアでは、レスタがレッドブルのジュニアチーム(アルファタウリF1)に移籍するといううわさがある。ジョディ・エギントンからテクニカルディレクターを引き継ぐか、新たに創設されたチーフテクニカルオフィサーの座に就任する可能性があるという。


 未だ新しいチーム名称を発表していないレッドブルのジュニアチームは、コスト削減と競争力の向上のために、レギュレーションで認められている数だけレッドブルのパーツを組み込む必要があることから、チームの技術部門の自律性は低くなる。これはレスタにとってあまり魅力的なことではないかもしれないが、少なくともハースからは明確なステップアップとなるだろう。レスタはハースで、予算不足と非常に長い生産期間に合わせて仕事をする必要性にひどく制限を受けていた。これは過去も現在も、マシンの大部分をダラーラが製造しているためだ。

ハースF1のギュンター・シュタイナー代表とテクニカルディレクターを務めるシモーネ・レスタ

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